鳥なのに飛ばずに走ることにしたダチョウと泳ぐことにしたペンギンの愉快な姿が南アフリカにありました
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。空を飛ぶために翼を広げたのが鳥のはず。それにも関らずダチョウは陸上を走ることに、ペンギンは海中を泳ぐことになりました。それでも、ダチョウもペンギンも鳥なのです。最初から哺乳類のダチョウ、魚類のペンギンとして生まれてきたら便利だったでしょうに、進化の過程というものは実に不思議です。
そんな飛ぶことを忘れた鳥であるダチョウとペンギンの姿が南アフリカにありました。ナミビア南部から南アフリカを走ります。
ペンギンの繁殖地がある南アフリカのSimon's town(サイモンズタウン)はこちら。
大きな地図で見る
ナミブ砂丘の観光でナミビアの目的を果たしたので、南アフリカに向けて一気に南下します。ボツワナに続いて一直線の道を走ったのですが、高低差があるので果ての果てまで伸びていく道が見えました。日本では決して見られないこの光景は、地球の大きさを十分に体感させてくれます。
この車が地面をならしてダートを綺麗にしています。
1週間ぶりに普通の街であるMaltahohe(マルタヘーエ)に着きました。自然から文明に戻るとホッとします。
にわか雨が降った後に虹がかかりました。
遠くの遠くの山岳地帯まで伸びていく一本道。
小動物が道路を横切っていきました。
乾燥している場所です。
ここは平坦な一本道。
こちらの一本道は中央にある丘の左側を抜けていきました。緩やかな上り坂です。
ダウンヒルの後にそのまま伸びていく一本道はテンションが上がります。
南アフリカとの国境に近づくに連れて緑が少なくなりました。
何もなくて少し寂しくもある道路わきのレストエリア。
大地も植物も色が無くて静かになってしまいます。
もうひたすら走るしかありません。
自転車世界一周として80カ国目、そしてアフリカでは最後となる南アフリカに入国しました。喜望峰のあるCape Town(ケープタウン)はすぐそこです。
すぐに、Cape Townへの距離表示が出現。長かった旅もあと少し。
相変わらず乾燥していますが、植物の姿は増えました。
パリパリとした植物ばかりなんですけどね。
ナミビアから引き続いて、この辺りには何もありません。
ただ起伏が激しくなって、道が岩山を縫うようにありました。
ナミビアの南部から南アフリカ入国にかけては、乾燥しているためか夕日がとても綺麗でした。毎日として同じ色ではない赤で空を染め上げます。一人でうっとりとしていました。
4月26日の夕焼け。
4月28日の夕焼け。
4月29日の夕焼け。
5月1日の夕焼け。
南アフリカの最初の街であるSpringbok(スプリングボック)に到着しました。ゴツゴツとした岩山が囲む街は西部劇の雰囲気です。水をこぼしてに潤いを与えたくなるくらいに乾いた場所でした。日本では考えられません。
Springbokのメインロード。
市中心部のロータリー。見たことも無い木が生えているんですよね。
Springbokの街を見渡して。本当に緑と遠い街でした。
スーパーマーケット「Spar」の看板も印象的です。
Springbokで滞在していたキャンプ場にいた犬はヨタヨタ歩くおじいちゃん。ご苦労様です。
キャンプ場にちょくちょく遊びに来ていたのはイエローマングース?
Springbokから続く景色はここまで広がっています。陸の孤島みたいな街でした。
SpringbokからCape Townまでラストスパートです。
教会とポツポツとした家が並ぶ田舎の街はいい味を出していました。
Vanrhynsdorp(バンラインスドルプ)の街の南方には大きな岩山がそびえています。
ダウンヒルで橋を渡ります。橋の両側に広がる畑は……
南アフリカ特産のワインの畑になります。葡萄は乾燥に強い作物です。
ショートカットしたかったので、ちょっとだけダートを走行しました。
でも、車輪が砂に飲み込まれるとこの有様。
心が温まる光景、猫が温まる光景、5月上旬の南アフリカの朝は冷え込みます。
そのまま額に入れて飾っておきたい景色。
フェンスの中で二本足でタッタッタッタッと駆けている動物がいると思ったらダチョウです。「ダチョウがいるなんてアフリカみたいだ」と感動するけれど南アフリカはアフリカでした。最近はまるでヨーロッパにいるみたいで。飛ぶことをやめて陸上生活に特化したダチョウの自慢の太股を見せつけてくれました。一緒にかけっこすると気持ち良さそうです。
最初は遠くから様子をうかがっていたのですが。
徐々に
徐々に近づいて、
ここまで来てくれました。美脚にクラクラしちゃいそうでした。
Cape Townのテーブルマウンテンが近づいてきました。ただ喜望峰に先に行っておきたいのでCape Townは通過します。
そしてSimon's Town(サイモンズタウン)に着きました。キャンプ場に泊まります。
このSimon's Townの近くにペンギンの繁殖地があって、45ZAR(南アフリカランド)を払って見学できます。遊歩道が備え付けられていて、その傍や下をペンギンがせわしく歩いていました。
ペンギン繁殖地への案内標識。
ペンギン登場。可愛い。
翼は退化して「ひれ」となり、足には「水かき」と、もう泳ぐ気まんまんです。
そして、こちらが繁殖地になります。
灰色でモフモフとしているのが雛です。体は大きいですが、仕草は子どもで親に甘えているみたいでした。
真ん中のペンギンは巣穴を掘ってました。
丘の方からも、次々とペンギンがやってきます。
繁殖地のすぐ上は住宅街なんですよ。
浜辺をうろつくペンギン。
波打ちぎわにスタスタと駆け寄って、
飛び込んで水に浮かぶのです。この一連の動作が可愛くて可愛くて。
海鳥とペンギン。
とても綺麗な海なんですよ。
スタスタと歩くペンギンは結構早歩きです。
人間みたいな二足歩行をするペンギン。ペンギンだから許せますが、同じような人間がいると挙動不審で絶対通報されます。それくらい変わった歩き方をしていて、しかも速い。
南アフリカのサイモンズタウンにあるペンギンパラダイス
浜辺から離れた茂みの中にもペンギンたちの姿はあります。
坂を降りていくペンギン、同様に坂も上っていきます。筋肉があるようにも見えない脚ですが健脚です。
ペンギンの後ろ姿、水を掻く形に変わった翼はジェット機のような形です。
枝を運ぶペンギンは巣でも作るのでしょうか。
茂みの方にはペンギンのための巣が備えてありました。蛸壺みたい。
ただ、外に巣穴を作って卵を温めるペンギンが多かったですね。
覆いかぶさるようにして卵を温めるペンギン。
こちらのペンギンは備え付けの巣を使っていました。生まれてくる子を懸命に守るような卵を温める親の姿に、繋がれていく命の美しさがあります。
ここにいるのはアフリカペンギンと呼ばれるペンギンでした。ケープペンギンとも呼ばれています。
長かった今回の旅もついにここまでたどり着きました。あとは、喜望峰に立ってケープタウンを観光してから日本に帰ります。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
・関連記事
水と緑の地球を忘れさせる砂の世界は別の惑星、ナミブ砂漠はナミビア観光のハイライト - GIGAZINE
アフリカの終わりを感じたボツワナとナミビア、誰もいない地平線を追いかけて - GIGAZINE
川を泳いでいくゾウの姿をボツワナのチョベ国立公園で発見 - GIGAZINE
自転車旅行におけるペアランツーリングの魅力、嬉しいことは二人分、悲しいことは半分、食欲は軽く四人前、そして学ぶことは数知れず - GIGAZINE
思いがけない所で目に留まるオバマ大統領の姿、アフリカ各地で見かけた様々なオバマグッズを追い求めて - GIGAZINE
アフリカ諸国との格の違いを見せつけられたジンバブエの現状 - GIGAZINE
ザンビアを最貧国と報道してバンブーバイクを売ることが「貧しさ」を作っているのではありませんか? - GIGAZINE
「便座がない」「電球が赤い」と突っ込むことが多いアフリカ安宿事情まとめ - GIGAZINE
マラウイはブラックマーケット、ガソリン不足、インフレーションと経済が混乱中でジンバブエ化の気配も - GIGAZINE
タンザニア、マラウイと全てのアフリカで出会った純粋に生きる子どもたち - GIGAZINE
タンザニアでサバンナを歩くゾウやキリン、思い描いていたアフリカに到達 - GIGAZINE
ルワンダの新しい国づくり、「ジェノサイドの悲劇」から「アフリカの奇跡」へ - GIGAZINE
電気も値札もないウガンダでアフリカがいつまで経っても貧しい理由を理解 - GIGAZINE
西アフリカのどんな国より旅しやすい東アフリカのケニアの魅力について - GIGAZINE
南スーダンでも誤解を受けていた日本の「トイレバイク」 - GIGAZINE
コンゴでマラリアと腸チフスを併発したチャリダーマン、ビザが取れず立ち往生 - GIGAZINE
オムレツスパゲッティ、ブッシュミート、キャッサバ、焼き魚……カメルーンの食は豊かで美味しすぎました - GIGAZINE
日本では考えられない格安携帯「Nokia1280」をアフリカで手に入れました - GIGAZINE
アフリカの携帯電話事情まとめ、街中に携帯の充電屋さんや修理屋さんも - GIGAZINE
主要道すら泥まみれになる英語圏カメルーン道路網の貧弱さと南カメルーン連邦共和国の独立運動 - GIGAZINE
NEXT11として経済発展が期待されるナイジェリアの現況とこれからの可能性 - GIGAZINE
旅人としては勧めたい、純粋で優しい人々に囲まれたナイジェリア旅行記 - GIGAZINE
トーゴ、ベナン、ナイジェリアとギニア湾岸にある魅力の国々と人々の笑顔 - GIGAZINE
どこにでもあるアイスが証明、西アフリカで一番経済発展が進むガーナ - GIGAZINE
激安2000円台のエコツアー、ガーナの大自然の川で野生のカバを見てきました - GIGAZINE
特大マンゴー1個10円、ギニアとマリはマンゴーパラダイスでした - GIGAZINE
巨大樹とオカダがある西アフリカのシエラレオネ、内戦からの復興中のこの国で明るい未来への可能性をみました - GIGAZINE
ケボからボケまで、ギニアビサウとギニアの未舗装の小さな国境ルートはびっくりするほどアフリカでした - GIGAZINE
旧イギリス領と旧フランス領の違い、セネガルに囲まれた小国ガンビアが紳士の国だった不思議について - GIGAZINE
セネガルの首都ダカールで黒人奴隷の歴史が残る負の世界遺産ゴレ島に行って来ました - GIGAZINE
黒人国家のセネガルから始まるアフリカらしいアフリカ、フランス風の街なみが残る世界遺産サン=ルイ島を訪れました - GIGAZINE
砂がすべてを支配するモーリタニアの首都ヌアクショットの日常と、日本を感じるご飯料理 - GIGAZINE
誰も寄せ付けないサハラ砂漠が広がる西サハラで営まれている大自然の美しさとそこで働く男達 - GIGAZINE
モロッコ南部、西サハラのどこまでも広がる果てないサハラ砂漠の美しさと道路を横切る野生のらくだ達 - GIGAZINE
美味しいモロッコ料理とたくさんの旅行客が訪れるマラケシュの賑わい、そしてサハラ砂漠を目指す旅人達について - GIGAZINE
スペインで新年最初に開くお店はなんでしょう?スペイン流の大晦日と新年の祝い方 - GIGAZINE
日本から自転車でユーラシア大陸最西端のポルトガルのロカ岬へ辿り着いて想う事 - GIGAZINE
ピレネー山脈の小国アンドラ公国で深い雪に覆われた標高2408mの峠を自転車で越えたら、ホームステイとテレビインタビューが待ってました - GIGAZINE
目標100カ国100,000kmの自転車世界一周、これまでの52カ国65,000kmで撮影した美麗な光景の写真集 - GIGAZINE
・関連コンテンツ