取材

誰も寄せ付けないサハラ砂漠が広がる西サハラで営まれている大自然の美しさとそこで働く男達


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。西サハラからモーリタニアに向けて、サハラ砂漠を走っていました。間には小さな集落やガソリンスタンドしかなく、手付かずの大自然が圧倒的なスケールで広がっています。誰が見ていなくとも自然の営みは続いて、その美しさに驚いてばかりの毎日でした。もちろんらくだも見かけています。子らくだの可愛さは尋常ではありません。そして、サハラの男達はたくましい。誰も居ない西サハラを走った7日間を紹介したいと思います。

詳細はこちらから。
モーリタニア最初の街となったヌアディブはこちら



休息をしていた西サハラの主都ラーユーヌではこんな部屋に泊まっていました。


明日からの走行に備えてしっかりと食べないといけません。


ポム(りんご)ジュースとポンジュースって似ていませんか?


そう言った翌日もしっかり食べていました。「食べる時に食べておく」それがチャリダーの鉄則です。


サラダの中にライス。ライスは野菜として扱われています。


食料もたくさん携帯して行きます。


ラーメン
缶詰
レーズン
チーズ
ガム
チョコバー
ソーセージ
粉末ジュースの素

の内訳です。心配性なのでたくさん用意しましたが途中で補給も出来ますよ。

目的地までは865km、サハラ砂漠大縦断の始まりです。


何もない荒野を自転車は進みます。


白い地面が広がっていたので立ち止まってみました。おそらく塩湖でしょう。


それより美しいのは侵食されていく様子。


大地が穏やかに溶けていく様でした。


テントで夜を過ごします。


風が強い区間なのでたくさんの石を重しに使いました。


ふと海を見に行くとどこまでも大西洋が広がっています。


左側に広がる海岸線。


反対側の海岸線。


海の近くでテントを張りました。崩れた小屋は風除けです。


日が暮れてこの場所に辿り着いた時に心がふるえました。見事な景色が広がっていたのです。


翌朝、同じ場所の写真です。どこまでも同じ高さの断崖が続いています。


きれいな場所なので記念の写真も撮りました。


ただ、ただ一直線に伸びる道を進みます。


目的地のモーリタニアのヌアディブまでは500km少し。


まるで違う星に迷い込んだみたいな光景。


断崖絶壁が続く海岸線。


波が大地を削っていきます。


そうして大地が割れて落ちていく様子。


これを遠くから見ると侵食の様子がはっきりと分かります。割れ目の奥にある黒い小さな塊が自転車です。


途中のガソリンスタンドにうろつく山羊は紙を食べていました。


セネガルの首都ダカールまで1430kmとの表示が出ました。アフリカの道は繋がっています。


今まで何もなかった視界が開けると、驚いて思わず声を上げたくなる様な海岸線が広がるんです。


美しく広がる海岸線。


キャンプを繰り返していきます。


El Argoubという小さな集落。


次のガソリンスタンドまで159kmと243kmです。


果てない大地を一筋の道路が貫いています。


透き通る程の白い砂浜。


静かな砂浜です。


赤い大地にテントを張ります。


この赤は海草みたいな植物でした。弾力感のある体内には水分が蓄えられています。


モロッコ最後の夜はテントを張らずに寝てみました。


その時の周辺は砂だらけです。


サハラ砂漠の大自然の中をダイナミックに眠るというのに憧れて実行しました。ですが、この区間は風が強くて上手くいきません。寝袋にくるまっても風に吹かれた砂が顔の上を撫でていきます。ぐっすりとは眠れませんでした。ただ、この日は綺麗な満月。砂漠の満月は柔らかく大地を照らし一切の灯りは必要ありません。うとうとしながら昇って落ちていく満月はとても神秘的でした。

この区間でも相変わらずにたくさんのらくだをみかけました。


目を瞑って草を食べる様子。


らくだの群れの間を車が通過します。


その時の動画はこちらです。

YouTube - らくだの群れ


親らくだの後をついていく子らくだ。世界で一番可愛いものをみつけた気がしました。


青い海とらくだの群れ。


あちこちでらくだの足跡をみかけます。


ロバもみかけました。


すごい男達とも遭遇しています。

トラックの中には家畜がいっぱいです。


そのトラックが何台も泊まっています。


そして働く男達。


一緒に写真を撮りました。


サハラ砂漠の現代オアシスであるガソリンスタンドで彼らは停まっていました。それどころかどんどん増えて行きます。その数は全部で17台だそうで家畜が運ばれています。1500km以上も離れたチズニットまで行くそうです。「俺達はサハラの男だ」という彼らはとても頼もしく見えました。

そのガソリンスタンドではらくだの積まれた軽トラックもありました。きちんとお座りしています。


行儀良く見えますが、時折に「ウォー、アァー」と低い唸り声を荒げてその大きな体を揺らし、荷台を動かして抵抗していました。


西サハラの主都ラーユーヌからモーリタニア最初の街ヌアディブまで約900kmを、いつもより速いペースの6泊7日で走りきりました。速かった理由はサハラ砂漠広がるほぼ平坦な道を、ハルマッタンという貿易風が強烈に背中を押してくれるからです。この辺り一帯では、時には漕がなくても進むくらいの激しい風が吹いています。風がブラックアフリカへと導いています。

そして54カ国目モーリタニアに入国しました。ヌアディブという西サハラとモーリタニアの国境近くの街に入ります。ヌアディブにはモーリタニア内陸の鉱物資源を運び出す港があります。ここに寄らないと次の大きな街は首都ヌアクショットとなって休息が出来ないのです。シャワーを浴びないといけないのです。


先進国のスペインから入った途上国のモロッコはショックを受けました。すべてが雑で汚く、走る車はあらゆる所に突っ込んでいきます。長かったヨーロッパを経て「これからやっているのか」と心配で仕方なかったのですが、買物にしろ、食事にしろ、宿泊にしろ、一つずつこなしていき旅を作ってきました。スーパーがなくても商店で買物しないといけませんし、食堂にメニューがなくても食事を頼まないといけません。最初は戸惑うのですが、いつしか慣れていきました。

だけど新しい国に入りました。今までとは勝手が変わります。そして、また戸惑いました。「え、何これ?」あのモロッコが都会に見えるんです。崩れ落ちそうな建物、砂まみれの道路、鉄の塊の様なポンコツ車、ちらばるごみ屑、それを啄ばむ山羊が街を闊歩しています。モロッコと変わり商店の品揃えは頼りなく、これでやっていけるのかと心配になります。

ヌアディブ市内のメインストリート


ごたごたしているグランドマルシェ(中央市場)一帯。


街をうろつく山羊。


道路の端には砂が溜まっています。


ガイドブックを頼りにひとまず宿に落ち着きます。


この衝撃的な状況にも慣れていかないといけません。ここヌアディブを出たら次は首都のヌアクショットまで走ります。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中
http://shuutak.com)

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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