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Google・Amazon・Facebook・Appleはライバルを一掃して市場を独占しているのか、各CEOの発言はこんな感じ


Amazon・Google・Facebook・Appleといった巨大テクノロジー企業が市場を独占している疑いがあるとして、アメリカの連邦取引委員会が反トラスト法の調査を進めています。2020年7月29日(水)にはジェフ・ベゾスCEO、サンダー・ピチャイCEO、マーク・ザッカーバーグCEO、ティム・クックCEOが公聴会に参加し証言を行いました。Facebookは競合他社を脅迫しているのか、Amazonや他者から技術やチャンスを奪っているのかについて、各CEOの発言をまとめました。

Big tech hearing live updates: Apple, Google, Facebook and Amazon CEOs testify before Congress - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/07/29/apple-google-facebook-amazon-congress-hearing/


Tech antitrust hearing: Zuckerberg, Bezos, Cook, and Pichai testify before Congress - The Verge
https://www.theverge.com/2020/7/29/21335706/antitrust-hearing-highlights-facebook-google-amazon-apple-congress-testimony


公聴会の様子は以下のムービーから見ることができます。新型コロナウイルス対策として、各CEOは議場に現れるのではなく、リモートで証言を行いました。

Online Platforms and Market Power: Examining the Dominance of Amazon, Apple, Facebook, and Google - YouTube


IT系メディアのVentureBeatによると、4人のCEOが議員により質問されましたが、ベゾスCEO、ピチャイCEO、ザッカーバーグCEOは50分間にわたって質問を受けたのに対し、クックCEOは質問時間が25分とおよそ半分だったとのこと。また質問された回数は、ベゾスCEOが13回、ピチャイCEOとザッカーバーグCEOが16回、クックCEOが7回でした。この質問回数が独占禁止法違反の焦点がどこにあるかを示しているとVentureBeatは述べています。

質問回数が最も多かったGoogleの大きな焦点は、Google検索結果でGoogleが自社製品を優遇しているという批判にあります。

Googleの検索結果上位は「Googleが所有するウェブサイト」に占められているとの指摘 - GIGAZINE


Googleがレストランのレビューなどを自社コンテンツに抽出する慣行などについて、デイビッド・シシリーニ議員はピチャイCEOに対し、「なぜGoogleは誠実なビジネスからコンテンツを盗むのでしょうか?」と質問。ピチャイCEOが明確な否定をせずにいると、シシリーニ議員はさらに、Googleが社内で用いた「バーティカル検索はトラフィックが多すぎる」というメモを引用し、「『ユーザーを関連ウェブサイトに送る』というGoogleの目的と『広告を売り自社サービスを宣伝する』ことの間で利益相反はありますか」と質問を重ねました。

Googleはいずれに対しても明確な答えを示していませんが、「競合相手を特定し、打ち負かすためにトラフィックの監視を行っているか」と尋ねられた時には、ピチャイCEOは「議員、他のビジネスと同様に、私たちはトレンドを私たちが見られるデータから理解しようとします。そしてユーザーのために、それらデータを製品の改善に利用します」と回答しました。


また、Facebookは、Instagram買収について尋ねられました。FacebookはInstagramが競争の脅威になることを防ぐために買収したのかを尋ねられたザッカーバーグCEOは、InstagramがFacebookの助けなしで成功したかはわからないと回答。「Instagramが成功できたかどうかは保証できません。この買収が大きな成功を収めたのは、創業者の才能だけでなく、私たちがインフラに対し投資や促進を行い、セキュリティ関係の多くのことを成し遂げているからです」と語りました。

FacebookのInstagram買収は「競争相手の無力化」が目的だったことを示す文書が暴露される - GIGAZINE


一方で委員会側は、Instagramの創業者であるケヴィン・シストロム氏が当時のチャットで、「もしFacebookにInstagramを売らなければ、ザッカーバーグが『破壊モード』になるかもしれない」という恐れを抱いていたことについて言及。ザッカーバーグ氏は「FacebookがInstagramに勝つのは明白だった」として、その表現について否定しましたが、議員は「支配的なプラットフォームが潜在的なライバルを脅迫したとしたら、それは普通のビジネス慣行ではありません」と返しました。

またFacebookは、Facebook広告をボイコットする「#StopHateForProfit」キャンペーンの真っただ中にあります。Facebookが差別を助長する情報を拡散し、政治への妨害を行っているという批判に対し、ザッカーバーグCEOは「私たちは選挙への干渉という問題を重視しており、ヘイトスピーチ対策にも焦点を当てています」とし、非常に精密なAIシステムを利用することでヘイトスピーチを削除しているという、これまでの主張を繰り返しました。また、Facebookは「広告をボイコットしたブランドはすぐにFacebookに戻ってくる」と考えていると報じられていますが、ザッカーバーグCEOは議員の質問に対し、ボイコットについて「もちろん、気にしています」と答えています。

そしてAmazonは、プライベートブランドの改善にサードパーティのデータを利用しているという点が非難されてきましたが、ベゾスCEOはこれについて「ポリシーに違反したことがないと保証することはできない」と回答。

Amazonのジェフ・ベゾスCEOが「ポリシーに違反したことがないと保証することはできない」と語る - GIGAZINE


Amazonのサードパーティ販売者の中には、Amazonが搾取する構造を「ヘロインのディーラーのようだ」と例える人がいるとのことですが、ベゾスCEOは「その表現には同意できません」と否定。「Amazonが製品を作って売ることは、サードパーティーが商品を販売することと、本質的に衝突がありますよね。特にAmazonの場合、ゲームのルールを設定する側です」とさらに追及されると、ベゾスCEOは「決定を行うのは消費者です」と返しました。

また、Amazon Echoはユーザーが他社のブランドのバッテリーについて質問した時に、プライベートブランドのバッテリーを推奨していると議員は指摘。プラットフォームであるはずのAmazonが競合他社ではなく自社製品を売り込んでいるという点についてベゾスCEOは、Alexaが自社製品を宣伝するよう訓練されているかはわからないとしつつ、「自社製品を宣伝しているケースがあるのは確かです。これはビジネスの慣行です。Alexaが時に私たちの製品を宣伝したとしても、私は驚きません」と認めました。

Appleに関しては、App Storeが搾取的であることが主な論点となりました。これについて、クックCEOは開発者に「門を広く開いている」と説明しています。

App Storeは開発者に「門を広く開いている」とティム・クックCEOが市場独占を否定 - GIGAZINE

by YunHo LEE

一方で、AppleがApp Storeの手数料を40%に引き上げようとしていたことも判明しています。

AppleがApp Storeの手数料を40%に引き上げようとしていたことが判明 - GIGAZINE


また、強制労働による製造については各CEOと議論されましたが、特にクックCEOは「はっきりさせておきます。強制労働は忌まわしいものであり、Appleではそれを容認しません」と明確に語りました。

なお、リモートで質問に答えた各CEOの様子はこんな感じ。ビデオ会議における環境や背景を評価するTwitterアカウントRoom Raterはプロフェッショナルでありつつ派手な装飾のないピチャイCEOの背景を高く評価しました

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