App Storeは開発者に「門を広く開いている」とティム・クックCEOが市場独占を否定
by YunHo LEE
GoogleやAmazonと並んでAppleも市場独占の疑いを持たれており、欧州やアメリカの規制当局による調査が進められています。Appleの場合、「App Storeの手数料が法外に高い」ことが調査対象となっていますが、ティム・クックCEOは公聴会で独占について明確に否定しました。
Apple’s Cook Says App Store Opened ‘Gate Wider’ for Developers - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-07-29/apple-s-cook-says-app-store-opened-gate-wider-for-developers
誰でもアプリを開発してGoogle PlayでリリースできるAndroidとは異なり、AppleはApp Storeで扱うiOSアプリを承認制にしています。AppleはApp Storeでアプリの購入があった場合、その売上の30%を受け取っていますが、これが「法外なマージンである」として批判の的に。欧州委員会は「App StoreとApple Payが独占禁止法に違反している」として、調査を行っています。
Appleに対して「App Storeでの30%というマージンは法外なぼったくり」「ユーザーの選択を狭める」と批判が集中 - GIGAZINE
そんな中、2020年7月29日(水)にAppleのティム・クックCEOが反トラスト法違反に関する公聴会に出席し、Appleが市場独占を行っている疑いについて見解を述べました。
クックCEOは、「我々はiPhoneが最高のユーザーエクスペリエンスを提供していると信じており、それは、消費者の選択肢を1つだけにしていることとは全く異なります」という言葉から始め、App Storeには170万個のアプリがあり、そのうちAppleが開発しているアプリはたった60個であることを説明。「Appleがもし門番だとしたら、私たちが行っているのは、門を広く開くことです。誰かを締め出すのではなく、扱うことができるアプリは全て扱いたいと考えています」と、述べました。
by Mike Deerkoski
そして、手数料が高すぎるという批判については、App Storeがオープンした2008年にまねしたのは「高級デパート」のシステムだとクックCEOは説明しています。App Storeは慎重に製品を選び、独特の価格構造を持つことで、既存のシステムよりも優れた選択肢を開発者に提供したという経緯があるとのこと。加えて、App Store上の多数のアプリの収益はほぼ100%が開発者に提供されます。15~30%をAppleの手数料とするやり方は、箱入りのソフトウェアを販売する企業と比べても競争力のあるものだと述べられました。
「App Storeが発表されてから10年以上、私たちは手数料を上げたり他の支払いを追加したことはありません。むしろ、サブスクリプション式については手数料が減っており、手数料を免除しているカテゴリもあります」とクックCEO。「時間とともにApp Storeは進化しており、私たちがこれまでに行った変更は、全てユーザーによりよい経験を提供し、開発者に優れたビジネスチャンスを提供するためのものでした」とのことです。
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