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コカ・コーラやユニリーバなどの大企業が続々Facebookへの広告出稿を取りやめ、一体何が起こっているのか?


コカ・コーラをはじめとする清涼飲料水の製造・販売を行うザ コカ・コーラ カンパニーや、食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造・販売する世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバ、アメリカの大手電気通信事業者であるベライゾンなどの大手企業が、「Stop Hate for Profit(利益のためのヘイトをやめよう:#StopHateforProfit)」キャンペーンの一環としてFacebookへの広告出稿を取りやめることを発表しています。

Coca-Cola joins Facebook boycott with a pause on all social media advertising starting July 1st - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/26/21305065/coca-cola-pause-ads-facebook-social-platforms-july-boycott

Unilever and Verizon are the latest companies to pull their advertising from Facebook | TechCrunch
https://techcrunch.com/2020/06/26/unilever-and-verizon-are-the-latest-brands-to-join-the-facebook-ad-boycott/

アメリカでは黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件を発端として、黒人に対する人種差別撤廃を訴える抗議デモが拡大しています。人種差別撤廃を訴える動きが加速する中、Facebookが取った対応に抗議すべく起きたのが「#StopHateforProfit」です。Facebookは白人主義者を擁護するようなニュースサイトを「信頼できるニュースソース」としたり、黒人へのサポートを表明するメディアをファクトチェックの必要があるメディアと位置づけたりと、プラットフォーム上でのヘイトスピーチや人種差別への対策が不足していると批判されています。

「#StopHateforProfit」は「Facebookの700億ドル(約7兆5000億円)という収益の99%は広告によって生み出されたものです。そんなFacebookの収益を支える広告主は誰をサポートしているのでしょうか?Facebookに対して強力なメッセージを送りましょう。あなた(広告主)の利益は憎悪・偏見・人種差別・反ユダヤ主義・暴力を促進することではないはずです」と記し、Facebookに広告を出稿する企業に対してFacebookのプラットフォーム上で広告を出稿することを取りやめることを求めています。


「#StopHateforProfit」の公式サイトには「我々はすべての企業に、自由・平等・正義という最も深く支持されるべきアメリカの価値観と連帯し、7月にFacebookのサービス上で広告を掲載しないように要請します」と書かれており、同企画に協賛する団体としては全米黒人地位向上協会(NAACP)やMozillaなどが挙げられています。

Stop Hate for Profit


既に複数の企業が「#StopHateforProfit」への参加を表明しており、ザ コカ・コーラ カンパニーも同キャンペーンに参加することを表明しました。ただし、ザ コカ・コーラ カンパニーは他の企業よりも一歩進んだ取り組みを発表しており、Facebookだけでなくすべてのソーシャルメディアプラットフォーム上での広告掲載を取りやめるとしています。

ザ コカ・コーラ カンパニーは、「ザ コカ・コーラ カンパニーは7月1日以降、すべてのソーシャルメディアプラットフォーム上で有料広告を少なくとも30日間全世界的に一時停止します。我々はこの時間を使い、当社の広告基準とポリシーを再評価し、内部で修正が必要かどうか、そしてソーシャルメディアパートナーが憎悪・暴力・不適切なコンテンツをプラットフォーム上から取り除くために何をすべきかを決定したいと考えています。我々はパートナー企業に対して説明責任・行動・透明性の向上を期待していると伝えています」という声明を出しています。

「#StopHateforProfit」の主催者のひとつである非営利団体Color Of ChangeのRashad Robinson代表は、「ユニリーバとベライゾンを含む大手企業が我々のキャンペーンへの参加を表明しており、少なくとも7月末までFacebookへの広告出稿を取りやめることを約束しています」と語っています。なお、「#StopHateforProfit」が発表されて以来、すでに100を超える企業が同キャンペーンへの参加を表明しており、チョコレート製造会社のザ・ハーシー・カンパニーも参加を表明しています。

One of the most recognizable global brands in the world is halting their @Facebook advertising. Coke's commitment to #StopHateForProfit, along with Unilever and Verizon just in the last 24 hours, is a warning sign for Facebook. https://t.co/AIYb4hReRi

— Rashad Robinson (@rashadrobinson)


#StopHateforProfitに参加しているその他の有名企業としては、スポーツウェアのTHE NORTH FACEやアウトドアブランドのパタゴニア、アイスクリームブランドのベン&ジェリーズ、映画配給会社のマグノリア・ピクチャーズなどがあります。

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しかし、海外メディアのThe Vergeは「Facebookへの抗議キャンペーンである#StopHateforProfitが、Facebookの悪評を広め、何かしらの影響を与える可能性はありますが、主要な広告主が1カ月広告の出稿を停止したとしても、同社の収益の大部分に影響はありません」と記しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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