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「トランプ大統領のソーシャルメディア検閲問題」に関してFacebook社員がザッカーバーグCEOの対応を公然と非難


「ソーシャルメディアによるファクトチェックは検閲である」と主張するトランプ大統領への対応を巡って、Facebook社員とマーク・ザッカーバーグCEOとの間で対立が生じています。上級職を含む複数のFacebook社員が、SNS上でザッカーバーグCEOの決定を公然と批判しました。

Facebook Employees Revolt Over Zuckerberg's Hands-Off Approach To Trump : NPR
https://www.npr.org/2020/06/01/867215427/facebook-employees-revolt-over-zuckerbergs-hands-off-approach-to-trump

Facebook employees share anger and frustration after Mark Zuckerberg refuses to delete Trump threats | The Independent
https://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/news/facebook-trump-mark-zuckerberg-shooting-threat-minneapolis-protest-looting-a9542236.html

Facebook Employees Stage Virtual Walkout to Protest Trump Posts - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/06/01/technology/facebook-employee-protest-trump.html

Twitterが「誤解を招く可能性がある」とトランプ大統領のツイートにラベルを付けたことをきっかけとして、トランプ大統領はTwitterやFacebookのソーシャルメディアが「検閲を行っている」と批判。その対策として、検閲・編集に関するソーシャルメディアサービスの責任を免責する通信品位法の見直しを要求する大統領令に署名を行いました。

トランプ大統領の主張に対して、FacebookのザッカーバーグCEOは「民間企業は『真実の決定者』になるべきではない」として、Twitterのポリシーは間違っているという見解を示し、「Facebookは政治的なファクトチェックを行わない」という姿勢を表明しました。

ソーシャルメディアの検閲とトランプ大統領の反応に関する一連の経緯については、以下の記事で詳しく読むことができます。

ソーシャルメディアの検閲に憤慨するトランプ大統領にFacebookのマーク・ザッカーバーグが自社ポリシーを直々に説明 - GIGAZINE


こういった流れの中、トランプ大統領のツイートに付けられたラベルがFacebook社内で波紋を呼んでいます。ミネソタ州ミネアポリスで白人警察官によって押さえ込まれた黒人男性ジョージ・フロイド氏が死亡したことをきっかけに、ミネアポリスからアメリカ全土に黒人差別について訴える抗議活動が広がっています。この抗議活動に対してトランプ大統領がTwitter上で「when the looting starts, the shooting starts(略奪が起きた場合、銃撃で対抗する)」と軍隊による鎮圧を示唆したところ、「暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています」というラベルが付けられました。


これと全く同じ内容をトランプ大統領はFacebookにも投稿しましたが、Facebook上の投稿には何のラベルも付けられていません。これは、ザッカーバーグCEOの「政治的発言に対して検閲・編集を行わない」というポリシーを反映しています。


しかし、「ザッカーバーグCEOのポリシーは間違っている」という批判がFacebook社内で噴出しています。Facebookのポータルビデオチャットハードウェアの設計主任であるアンドリュー・チャウ氏は「全体像を把握するために役立つ情報を検閲するというのは間違っています。しかし、暴力を扇動して誤情報を広めるプラットフォームを提供するということは、投稿者が誰であるか、投稿がニュースとして価値を持つかに関係なく、容認できるものではありません。私はマーク(ザッカーバーグCEOの愛称)に賛同しません」とツイート。


Facebookのニュースフィードに関するデザインディレクターを務めるライアン・フレイタス氏は「マークは間違っている。私は彼の考え方を変えるために、できる限りの努力を尽くします」と投稿。


製品管理部長のジェイソン・トフ氏は、「私はFacebookで働いていますが、今やそのことを恥じています。話した限りでは、社員の大半が私と同じ気持ちのようです」とコメント。いずれの社員も、トランプ大統領の発言を「暴力を扇動する」として問題視しており、ザッカーバーグCEOが選択した「政治的発言には何も行わない」という対処を非難し、ポリシーの変更を要求しています。


この問題を報じたアメリカのラジオネットワークNational Public Radioによると、Facebookの抱える4万8000人の従業員が自社のポリシーとアクションに関して議論を行うこと自体はよくありますが、その批判の公表は珍しいとのこと。

Facebookのスポークスマンであるジョー・オズボーン氏は、「私たちは多くの社員、特に黒人社員が今感じている痛みを認識しています。私たちは従業員がリーダーシップに反している場合には率直に話すことを奨励しており、今後もコンテンツに関する困難な決定に直面した場合には、社員の正直な意見を求める予定です」と述べています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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