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暴動を取材していたCNNの黒人レポーターはなぜ生中継の最中に逮捕されたのか?


ミネソタ州ミネアポリスで白人警察官によって押さえ込まれた黒人男性ジョージ・フロイド氏が死亡したことをきっかけとして、ミネアポリスから全国へと抗議活動が広がっています。特に、事件の発生地点であるミネアポリスでは建物に火が放たれるなど、もはや活動は「暴動」と化していますが、その取材を行っていたCNNのレポーターが生中継のさなかに逮捕されるという出来事まで発生しました。

CNN crew released from police custody after they were arrested live on air in Minneapolis - CNN
https://edition.cnn.com/2020/05/29/us/minneapolis-cnn-crew-arrested/index.html

フロイド氏の死は複数のカメラによって撮影されており、フロイド氏が息を引き取る直前に「I can't breath(息ができない)」と警官に訴えていたことも確認できることから話題を呼び、全米でデモが拡大。暴動事件が多発しています。

こういった流れの中、暴動の最初の発生地点であるミネアポリスで取材中だったCNNのオマー・ヒメネス記者が、中継しているカメラの目の前で逮捕され、手錠をかけられて連行されるという出来事が発生しました。


ヒメネス氏がカメラの目前で逮捕されるという、生中継の映像は以下から見ることができます。

CNN reporter arrested live on air while covering Minneapolis protests - YouTube


暴動によって見る影もない建物をバックに、カメラの前で横並びになってインタビューに答えるミネソタ州警察の警官。取材陣に対し、非常に落ち着いた口調で「後ろに下がってもらえますか?」と繰り返しています。この生中継は、暴徒が爆竹を投げ込んで発生した火災が鎮火された直後に行われました。


警官隊の目前で、今回のミネアポリス暴動における警察が果たしている役割について解説しているのが、CNNのオマー・ヒメネス氏。手にはマイクと記者証が握られています。


カメラが前に並ぶ警官隊を写していた間に、後方にいた警官がヒメネス氏を突如拘束。カメラが振り返ると、すでにヒメネス氏は腕を両側から掴まれていて、ちょうど「あなたを逮捕します」と宣言されているところでした。ヒメネス氏は「すみません。理由を聞かせてもらえますか?なぜ私が逮捕されるんですか?」と尋ねていますが、拘束は続き……


後ろ手を組まされて、ガチャリと手錠を掛けられました。


手錠を掛けられたヒメネス氏はそのまま警察に連行されていきます。


続いて取材班のプロデューサーであるビル・キルコス氏も拘束。


カメラマンのレオネル・メンデス氏まで拘束されてしまったため、カメラは地面に置かれた状態に。


こうして、CNN取材班のヒメネス氏、キルコス氏、メンデス氏の3名は逮捕・連行されました。

CNNは逮捕直後に、公共の場での抗議活動の取材はアメリカ合衆国憲法修正第1条により「報道の自由」が認められると主張。3人の釈放を訴えました。


3名は市内のダウンタウンに位置する安全なビルに移送された後、約1時間後に釈放されました。ヒメネス氏は「連行後は誠意を持って扱われた」と説明しています。

今回の逮捕について、ミネソタ州警察は「移動するように命じたが動かなかったため拘束した。報道関係者であるとは確認が取れなかった」と述べています。


ミネソタ州警察の見解に対して、CNNは取材班は生放送中にジャーナリストであることを名乗ったとして、「正確ではない」と抗議しました。ミネソタ州のティム・ウォルツ州知事は今回の事件について、「今回の逮捕は、正当な理由が何一つ存在しなかった」と謝罪し、全責任が知事自身にあるという見解を示しました。

なお、CNNはラテン系黒人であるヒメネス氏やヒスパニック系のメンデス氏が逮捕された一方で、同じように取材を行っていた白人記者は逮捕されることはなかったと報告。今回のヒメネス氏らの逮捕にも、フロイド氏の出来事がそうであったように人種差別が関係していることを示唆しました。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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