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ザッカーバーグCEOから支援を受けた専門家143人がFacebookに「トランプ大統領の投稿を規制する」ことを申し入れる


2020年6月6日に、アメリカの大学教授や主要な研究機関の科学者ら合計200人以上の専門家が共同で、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOに対し「Facebookで偽情報または扇動的な言論を拡散しているトランプ大統領の投稿に対し、より厳しいポリシーを適用すること」を求める書簡を送ったことを公表しました。この書簡に署名した専門家の大半が、ザッカーバーグCEOと妻のプリシラ・チャン氏が立ち上げた慈善団体Chan Zuckerberg Initiative(CZI)Chan Zuckerberg Biohub(CZ Biohub)から資金提供を受けていたとのことです。

Letter of concern to Mark Zuckerberg from Chan Zuckerberg Initiative-funded scientists
https://medium.com/@jasonsynaptic/letter-of-concern-to-mark-zuckerberg-from-chan-zuckerberg-initiative-funded-scientists-cd7e8335d17b

Scientists funded by Zuckerberg sent him a letter calling Facebook’s practices ‘antithetical’ to his philanthropic mission - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/06/06/chan-zuckerberg-initiative-open-letter-trump/

Scientists backed by Zuckerberg urge Facebook to curb misinformation
https://www.cnbc.com/2020/06/07/scientists-backed-by-zuckerberg-urge-facebook-to-curb-misinformation.html

Twitterが、トランプ大統領が行った投稿に対して「事実をチェックしてください」とラベル付けをしたことに端を発する一連の議論で、FacebookのザッカーバーグCEOは「民間企業は『真実の決定者』になるべきではない」と述べて、トランプ大統領の投稿を検閲しない考えを表明していました。

Twitterは政治的発言のファクトチェックを行うべきでないという考えをFacebookのCEOが表明 - GIGAZINE

by Anthony Quintano

これに対し、Facebookの幹部や従業員が公然とザッカーバーグCEOを非難するなど、内外から反発する声が上がっていました。

「トランプ大統領のソーシャルメディア検閲問題」に関してFacebook社員がザッカーバーグCEOの対応を公然と非難 - GIGAZINE


そんな中、さらにCZIの支援を受けた科学者ら143人を中心とした専門家が連名で、ザッカーバーグCEOに宛てた公開書簡を発表しました。書簡に署名した専門家は、記事作成時点では前述の143人を含めた合計216人ですが、今後さらに増える可能性もあるとのこと。

専門家らは書簡の中で、「Facebookのようなソーシャルメディアは、情報伝達の主要な手段として台頭しています。これらのプラットフォームは、全世界への情報発信を可能にした一方で、誤った情報の拡散も助長しています。例えば、『when the looting starts, the shooting starts(略奪が始まれば、銃撃が始まる)』というトランプ大統領の投稿は、明らかに暴力を扇動するもので、Facebookのポリシーにも違反しています」と記して、トランプ大統領の投稿を「暴力を扇動するもの」と非難しました。

5月29日にトランプ大統領は、ミネソタ州ミネアポリスで起きた暴動に対し「急進的な左派のジェイコブ・フレイ市長がミネアポリスをコントロールするか、私が州兵を派遣して適切に仕事を終わらせるかです」と述べてフレイ市長の対応を批判する発言をFacebookで投稿しています。この時、トランプ大統領は1967年に発生した暴動に対して当時のマイアミ警察署長が発した「略奪が始まれば、銃撃が始まる」という言葉を引用しました。


なお、トランプ大統領はTwitterでも同じ発言をしていますが、Twitterはこの投稿に「このツイートは、暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています。ただし、Twitterではこのツイートに公共性があると判断したため、引き続き表示できます」とのラベルを表示しています。


こうした発言について、専門家らは「私たちは科学者として、世界をより良くする方法の研究に取り組んでいます。また、CZIから資金提供を受けてCZIのミッションの実現に貢献できることを誇りに思っています。しかし、意図的な誤報の拡散や差別的な言論は、こうした私たちの理念とは正反対のものです。従って、私たちは(トランプ大統領の投稿に対し)Facebookがとった姿勢を深く懸念しています。特に人種差別との戦いが巻き起こっている現在の状況の中で、私たちはFacebookに対し、人々を傷つける誤報と扇情的な言論について、より厳格なポリシーの適用を検討するよう強く求めます」と述べて、Facebookに対し規制の強化を求めました。

公開書簡について、CZIの広報担当者は「私たちはFacebookとは別のスタッフ、別のオフィス、別の使命を持った別組織です。また、私たちはこの仕事に関わっているスタッフやパートナー、助成金対象者らの働きに感謝しており、Facebookのポリシーに関するものを含めて、彼らが意見を述べる権利を尊重しています」と述べて、CZIはFacebookとは異なる団体であることを強調しつつ、公開書簡の発表に一定の理解を示しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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