Twitterは政治的発言のファクトチェックを行うべきでないという考えをFacebookのCEOが表明
by Anthony Quintano
Twitterがトランプ大統領が行った投稿に対して「事実をチェックしてください」というラベル付けを行ったことをキッカケに、トランプ大統領はSNS運営企業の法的保護を制限する大統領令に署名しました。Twitterは「今後も事実かどうかの指摘を行い続ける」としていますが、一方でFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOは「民間企業は『真実の決定者』になるべきではない」という考えを明かしています。
Zuckerberg: Facebook, Twitter should not fact-check political speech
https://www.cnbc.com/2020/05/28/zuckerberg-facebook-twitter-should-not-fact-check-political-speech.html
Zuckerberg knocks Twitter for fact-checking Trump, says private companies shouldn't be 'the arbiter of truth' | Fox News
https://www.foxnews.com/media/facebook-mark-zuckerberg-twitter-fact-checking-trump
SNSを中心に情報の真実性が大きな問題として取り上げられる中で、Twitterは誤解を招く情報にラベルや警告をつけるという取り組みを2020年5月11日からスタートしています。このラベルがドナルド・トランプ大統領の公式Twitterアカウントの投稿につけられたとして5月27日に話題になりました。具体的には、トランプ大統領が郵送投票について「実質詐欺のようなものであることは明らかだ」と投稿を行ったところ、Twitterは投稿に対し、「Get the facts about mail-in ballots(郵送投票に関する事実をチェックしてください)」というラベルを付与しました。
Twitterがトランプ大統領のツイートに初めて「誤解を招く可能性がある」とラベル付け - GIGAZINE
これに対しトランプ大統領は「ごく一握りの強力なソーシャルメディアが、アメリカの公的かつ私的なコミュニケーションの大部分を支配している」とTwitterを批判。上記のラベル付けは大統領選挙への介入だとして、28日、SNSに対してユーザーが投稿したコンテンツに関する免責を与える法的保護を剥奪するための大統領令に署名しました。
トランプ大統領が「表現の自由」のためにソーシャルメディアを標的とした大統領令に署名
このニュースを受けて、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは「私は、『Facebookはオンライン上の人々の発言について、真実の決定者になるべきではない』という考えを強く信じています。民間企業、特にこのようなプラットフォームの運営会社は、なるべきではありません」「政治的な発言は民主主義の中で最もデリケートな部分の1つであり、人々が政治家の発言を見られるようにすべきです」と意見を表明しています。
またザッカーバーグCEOはトランプ政権に対し、「私は、彼らの本当に意図を理解しなければなりません。しかし、一般的に考えれば、検閲を懸念して彼らがプラットフォームを監視することは、正しい反応とは思えません」とも述べています。なお、Facebookはサードパーティーのファクトチェッカーと強力してフェイクニュースの配信を抑制していますが、単語の解析については行っておらず、「政治プロセスと政治的発言は広く尊重したいと考えています」とのこと。
一方で、Twitterのジャック・ドーシーCEOは「我々はこれからも世界中の選挙について誤情報や疑いのある情報を指摘し続けます。そして我々は、自分たちが犯した間違いについては認めます」と投稿しました。
Fact check: there is someone ultimately accountable for our actions as a company, and that’s me. Please leave our employees out of this. We’ll continue to point out incorrect or disputed information about elections globally. And we will admit to and own any mistakes we make.
— jack (@jack) May 28, 2020
またドーシーCEOは、Twitterが誤情報を指摘することは、Twitterが「真実の決断者」となることを意味しないと言及。Twitterが行っていることは、議論のある内容について、人々が自分で判断できるように、情報を表示しているだけだとしました。
This does not make us an “arbiter of truth.” Our intention is to connect the dots of conflicting statements and show the information in dispute so people can judge for themselves. More transparency from us is critical so folks can clearly see the why behind our actions.
— jack (@jack) May 28, 2020
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