世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」を探しにグアドループへ行ってきた【インターリンク ドメイン島巡り 第26回「.gp」】

最大個体だと全長18cm以上となり、その希少さから1匹あたり数万円という高値がつく「ヘラクレスオオカブト」は、中央アメリカから南アメリカまでの熱帯にのみ生息する幻のカブトムシ。カリブ海に浮かぶグアドループ諸島はヘラクレスオオカブトの原産地とのことですが、果たしてどんな場所なのだ?と気になったので、「犯罪者の巣窟」とまで言われた犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島などに弾丸現地取材する「ドメイン島巡り」の第26回目となる今回は、グアドループへ行ってきました。
ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。
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※取材は2020年2月上旬に行われました。
◆グアドループはどこにあるのか?
グアドループは、バステール島、グランドテール島、マリーガラント島などで構成されたカリブ海に浮かぶ島。前回訪れたマルティニークと同様に、フランスがヨーロッパ以外に持つ領土「フランス海外県」の一つです。フランス本土からは遠く離れていますが、グアドループに住む人々はフランス国籍を有しており、母国語はフランス語、通貨はユーロが使用されています。
目次
◆グアドループは「フランス人のハワイ」
◆グアドループで日本食を食べてみた
◆ザリガニのいない「ザリガニの滝」
◆はたしてヘラクレスオオカブトを見つけられるのか?
◆「.gp」ドメイン探しとグアドループのいろいろ
◆現地でSIMを購入してネット速度を計測してみた
◆グアドループは「フランス人のハワイ」
日本からグアドループへ直接行ける直行便はないため、アメリカ経由、カナダ経由、フランス経由などで行く必要があります。今回は、カナダからアンティグア・バーブーダを経由して向かうことにしました。

アンティグア・バーブーダからリアット航空の飛行機で約30分。グアドループのグランドテール島にあるポワンタピートル国際空港に到着しました。到着後はすぐにホテルに向けて出発。宿泊先の「カリビアビーチホテル」は、空港からタクシーで40ユーロ(約4800円)、約20分走ったところにあります。

ホテルにはレジャー情報が掲載されたパンフレットがたくさん置いてありました。グアドループはフランス人にとって、ハワイのようなビーチリゾートだそうです。

これまでのドメイン島巡りでは、アメリカ領サモアのようにシャワーからお湯が出ないホテルに泊まることもありましたが、ここの部屋は快適。シャワーもちゃんとお湯が出ました。

朝食会場のレストランにいた猫たちは、私たちが朝食を食べているすぐそばでのんびりしていました。

ホテルからの眺めはこんな感じ。何もせずに、おいしい物だけ食べてのんびりしたくなります。

……が、今回の目的はヘラクレスオオカブトを見つけること。ホテルのスタッフに「どこに行けばヘラクレスオオカブトに会えますか?」と聞いてみると、「え?ヘラクレスオオカブト?知らないなあ」と首をかしげられてしまいました。
◆グアドループで日本食を食べてみた
世界ではどのように日本食が扱われているのか?というのを調査するため、ドメイン島巡りでは訪問先で必ず日本食を食べるように心掛けています。今回は和食レストラン「YOSHI」で夕食をとりました。「YOSHI」はグアドループで3店舗ある人気のレストラン。

メニューを手に取り、食事を選びます。

しばらくすると、若い男性スタッフが注文を取りに来てくれました。店内を見回すと日本人の店員は一人もいません。

今回は、お寿司と海老の天ぷらと緑茶を注文してみました。醤油を小皿に入れておこうとキッコーマンの瓶を手にしたところ、なんと入っていたのは甘いソース。醤油はソース入れの方に入っていました。

緑茶を注文しましたが、来たのはミントティーでした。値段は4ユーロ(約486円)。モロッコでは中国緑茶を使ったミントティーが飲まれるので、そのイメージなのかも。

海老の天ぷら(8.5ユーロ/約1020円)が到着。注文したのは確かに海老の天ぷらなのですが、これはどう見てもエビフライ……。気にしないことにして食べてみると、タレがみたらし団子のように甘いものの、おいしく食べられました。

つづいて「Yoshi rolls」(18ユーロ/約2160円)が到着。サーモン、アボガド、カニカマ、海老フライ、チーズが入った巻き寿司です。お寿司は薄い錦糸卵で巻かれていました。カリフォルニアロールの豪華版といった感じで、とてもおいしかったです。

下の画像を見るとお好み焼きのようですが、これも「Le Nid d'oiseau」というれっきとしたお寿司(18ユーロ/約2160円)。なぜかメニューに鉛筆で丸印がつけられていたので注文してみました。サーモン、チーズ、カニカマが入ったお寿司が揚げられており、サクサクの食感なのでお菓子感覚で食べられます。味も見た目通りのお好み焼き風。日本では見たことのないメニューですが、日本でも人気になるかもと思える味でした。

お店を出る時に若い男性スタッフにヘラクレスオオカブトを見られる場所を知っているかどうか尋ねてみると、やはり「知らないなあ」とのこと。少し不安になりつつも、翌日の調査に備えて宿に帰ります。
◆ザリガニのいない「ザリガニの滝」
翌日、ヘラクレスオオカブトを探すためだけにタクシーをチャーターしました。料金は5時間で160ユーロ(約1万9200円)です。運転手さんにヘラクレスオオカブトがいる場所に連れて行ってほしいと英語で伝えましたが、フランス語しかわからないようなのでヘラクレスオオカブトの写真を見せて再度説明。しかし、「何のことだかわからない」といった感じで、どんどん不安が募っていきます……。

さすがにおかしいと思いインターネットで調べてみると、「ヘラクレスオオカブトはグアドループならどこにでもいるわけではなく、バステール島にのみ生息している」ということが分かりました。今いるグランドテール島ではヘラクレスオオカブトを見つけることはできないということで、運転手さんにバステール島にあるグアドループ動物園へ連れて行ってもらうことにします。グアドループ動物園には昆虫もいるとのことなので、もしかするとヘラクレスオオカブトもいるかもしれません。サトウキビ畑が広がる景色を見ながら、動物園に向かいます。

途中で「Cascade aux Ecrevisses」(ザリガニの滝)を発見したので、寄ってみることにしました。ここはバステール島の中心よりやや北にある保護地区です。

入口には敷地内の地図と、ここで見ることができる動植物が紹介されています。「ザリガニの滝」と言われるだけあって、様々な種類のザリガニがいるようです。

案内を見ていると、目当てのヘラクレスオオカブトも紹介されていました。

期待に胸を膨らませ、木々が生い茂るエリアにどんどん入っていきます。道は整備されていてとても歩きやすくなっていました。

カブトムシがいそうな場所を注意深く探しますが……

ちっとも見つかりません。

一番奥にある滝に到着してしまいました。

この「ザリガニの滝」は、多くのザリガニがここに生息していることから名づけられましたが、今ではそのほとんどが姿を消してしまったそうです。

ザリガニの滝の周辺で、約1時間ヘラクレスオオカブトを探しましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。
◆はたしてヘラクレスオオカブトを見つけられるのか?
ザリガニの滝を出発し、グアドループ動物園に到着。グアドループ国立公園の端に位置するこの動物園では、広大な熱帯雨林の自然の中にクモザル、アライグマ、イグアナ、オウムといった西インド諸島やガイアナ地域の哺乳類や鳥類、爬虫類など約85種、450匹の動物が生息しています。入園料は14.5ユーロ(約1761円)

20メートルの高さにかけられたつり橋を渡っていきます。以下のムービーを見れば分かるように、かなりぐらぐら揺れて怖いです。
グアドループ動物園の怖かったつり橋(グアドループ) - YouTube

つり橋を渡りきり、昆虫館に到着。

中に入ると、自然の姿ではありませんが、念願のヘラクレスオオカブトにようやく出会えました。

微動だにしないその存在感に、ガラス越しでも迫力を感じます。

写真を撮ること数分、全然動きません。

あまりに動かないので「さすがにおかしい」と思い、飼育員さんに「ヘラクレスオオカブト、全然動かないんですが……」と聞いてみたところ、「うん、これは標本だよ」とのこと。なんと、天然のヘラクレスオオカブトはほとんどおらず、グアドループでも見つけることは難しいとのことでした……。
この島のヘラクレスオオカブトは保護生物に指定されており、採集及び島外への持ち出しが禁止されているため、日本に流通しているヘラクレスオオカブトはすべて繁殖個体とのこと。なお、宮崎県延岡市北浦町のように、ヘラクレスオオカブトをふるさと納税の返礼品にするケースもあるようです。
下の写真は飼育員のヘンリーさん(左)とドミニクさん(右)

悲しい現実を引きずりながら、園内のお土産屋に立ち寄ります。

ヘラクレスオオカブトキーホルダー、タオル、ぬいぐるみなどのお土産を探しますが、ありません。ヘラクレスオオカブトは動物図鑑で1ページだけ紹介されている程度でした。

絵はがきを見つけたので、絵はがきだけ購入して動物園を後にしました。

なお、グアドループでPokémon GOをすると、地域限定のヘラクロスを見つけることができました。ヘラクレスオオカブトは見つけられませんでしたが、ヘラクロスはいます。

◆「.gp」ドメイン探しとグアドループのいろいろ
それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という、国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的です。
グアドループに割り当てられているccTLDは、「.gp」。グアドループを巡りながら、「.gp」のドメインが使われているところを探していきます。
まずはフランスの巨大スーパーマーケット「カルフール」を発見。

入口はこんな感じ。

広大な店内では食品や衣類、家電など幅広い商品が売られているため、ここに行けば一通りのものがそろいます。

マクドナルドもありました。

ここは、カルフールから車で約10分かかる「スパイスマーケット」

スパイスだけでなく、南国らしいフルーツもいろいろ売られていました。

2015年5月にオープンした「メモリアルACTe」は、グアドループの歴史博物館。

ここまでに行ったところでは、「.gp」ドメインを見つけられませんでした。

ダウンタウンを散策していると、かっこいい壁画アートをいたるところで見かけました。


マルティニークと同様にフランスのドメイン「.fr」は使われているのですが、グアドループのドメイン「.gp」はなかなか見つかりません。

今回グアドループを訪れる際に利用したポワンタピートル国際空港公式サイトのドメインも「.fr」でした。

そして、ようやく「.gp」のドメインが使われているのを発見。商用車や産業用車両をレンタルするフレキン社です。今回の調査で見つけた「.gp」ドメインはこれだけでした。

◆現地でSIMを購入してネット速度を計測してみた
立ち寄ったカルフールの中に、SFR社の販売店がありました。

SFR社のSIMは600MBプランで15ユーロ(約1800円)で、購入すればパリ本土でも利用できます。実際に購入して通信速度を計測してみると20Mbps。

なお、宿泊したカリビアビーチホテルで利用できたWi-Fiの通信速度は6.2Mbpsで、ソフトバンクのローミングサービスを使用すると710Kbps、空港からホテルまでのタクシー乗車中に使用したGlocalmeは16Mbpsという結果になりました。
というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能です。
また、「グアドループまで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能。
ドメイン「.gp」の詳細や申し込みについては、以下のリンクから確認できます。
gpドメイン登録 (グアドループ) | 世界のドメイン取得、コンサルティングならGonbei Domain(ゴンベエドメイン)

(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/
ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)
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