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税金が免除されるヴァージン諸島の「タックス・ヘイブン」事情は今どうなっているのか?【インターリンク ドメイン島巡り 第4回「.vg」】



「.cc」や「.tv」など、島のドメイン約50種類に焦点をあて、実際にそれらのドメイン島を巡っているインターリンクが今回行ったのは、タックス・ヘイブンとして有名な島のひとつ、イギリス領ヴァージン諸島。法人税がかからないなどの理由で世界中の様々な企業に利用されたこの島は、島全体が裕福で富裕層も多いはずなので、実際に行って確認してきました。

ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。
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◆タックス・ヘイブンとは何か
タックス・ヘイブンとは一体何なのかというと、「課税が完全に免除される、または著しく軽減される国や地域」のことです。「税金を回避できる天国のような場所」という意味で「Tax Heaven(税の天国)」だと思ってしまうかもしれませんが、正しくは「Tax Haven(租税回避地)」。そんなタックス・ヘイブンのひとつであるヴァージン諸島は、カリブ海の西インド諸島にある約160の火山性の島と岩礁で形成されており、西半分の約50の島がアメリカ領、東半分の約60の島がイギリス領なのですが、通貨は米ドルに統一されています。

◆ヴァージン諸島ってどんなところ?
「そもそもヴァージン諸島ってどこにあるんだ?」というわけでGoogleマップで調べてみると、ドメイン島巡りで過去に行ったプエルトリコのすぐ東側にありました。


ヴァージン諸島に到着。空港に無料の不動産冊子が置いてあったので興味本位で中を確認してみると……


約1億4000万円もする豪華なヴィラが紹介されていました。


他の物件も1億円以上のものばかりで、「さすがタックス・ヘイブンの島」という感じ。大富豪しか住んでいないのでしょうか。


大富豪やタックス・ヘイブン関係者から詳しい話を聞くため、ダウンタウンへ向かって出発します。


空港からダウンタウンへ向かう道路はかなりでこぼこで、車の中で体が飛び跳ねます。


車に揺られて約30分で、ダウンタウンのはずれにあるTORTOLA PIER PARKに到着しました。


Tortola Parkは、おみやげ屋さんやツアー会社などが入った小さなショッピングモールです。


トイレがびっくりするほどキレイだと思ってよく見てみると、便器は日本が誇るTOTO製でした。


◆ダウンタウンで見かけたボロボロな自動車
ショッピングモールを出て、ヴァージン諸島のダウンタウン中心部へと向かいます。


しかしそこで目にしたものは、動いているのが不思議なくらいの車や、リアガラスの代わりにビニールを貼る車……


駐車場にも窓ガラスやライトが壊れている車がたくさん。


島の人たちは、どうやらヒッチハイクをしているようです。


大富豪は一体どこにいるのか?ここが本当にタックス・ヘイブンとして有名な島なのかどうか心配になってきました。

◆タックス・ヘイブンの聞き込み調査へ
というわけで、まずは偶然見かけたお寿司屋さんに入ってみます。超高級タックス・ヘイブン寿司で成功した日本人が経営するお店なのでしょうか。


しかし、店員は優しそうなジャマイカ人の方で、日本人はいませんでした。


タックス・ヘイブンとして有名な島なのだから、高価なお寿司が多いのかなと思いつつメニューを見てみると、リーズナブルなお寿司が中心でした。聞いてみると、このお寿司屋さんはフィリピン人が経営されているとのこと。メニューには、カラフルでトロピカルなロール寿司が多い印象です。


カラフルで美味しそうな「マンゴードラゴン」を頼んでみました。価格は13ドル(記事制作時点のレートで約1449円)です。海老の天ぷらを酢飯で巻いてマンゴーを上にのせた斬新なお寿司なのですが、食べてみるとマンゴーの甘さと酢飯、海老の天ぷらのサクサク感が意外と合います。


お寿司はとてもおいしかったのですが、ここでは大富豪の情報を得ることはできませんでした。ちなみに、ふとお店の庭に目をやると、お寿司とは真逆の「洋風な銅像」が立っていました。


つづいては、お寿司屋さんの近くにあった中華料理屋へ聞き込みに行きます。


狭い路地を進むと、なんとも可愛らしい玄関を発見。さっそく入ってみます。


店内はこんな感じ。


メニューがとても豊富でした。


ここでは「Sweet&Garlic Shirmp(スイート&ガーリックシュリンプ)」を注文。価格は17ドル(記事制作時点のレートで約1894円)です。酢豚のような甘酸っぱい味付けとぷりぷり食感のエビで食が進みます。


焼きそばとチャーハンも注文してみました。 価格はメニューによって上下しますが、麺系とご飯系の料理は8ドル~12ドル(記事制作時点のレートで891円~1337円)です。量が多めで、ボリュームたっぷり。


お店のスタッフは、とても親切な中国人でした。先ほどのお寿司屋さん同様、特別高額ではありませんが、美味しい料理を堪能することができました。しかし、タックス・ヘイブンに関する情報はここでも入手できず。

飲食店ばかり行ってもお腹が膨れる一方だということで、次は街の電器屋さん「iSMART」に行ってみます。


店内の様子はこんな感じ。


プレイステーション、Wii、Xboxなどのビデオゲーム関連


MacBook Air


iPhoneなどいろいろな製品がそろっています。


そして、試しにiPhoneのコネクターを買ってみたところ、ノータックスで購入することに成功。レシートの税金の欄が0円になっています。


ヴァージン諸島では何でもノータックスで購入できるため、それを目的に旅行する人もいるようです。ちなみに、後日ヴァージン諸島から帰国する際にはプエルトリコ空港の税関で、免税範囲を超えるものを買っていないか、かなりしつこく調べられました。

つづいて、ヴァージン諸島のネットカフェを発見したので入ってみます。


中に入ると、「ここは電器屋さん?お店を間違えたかな?」と思ってしまうほど、電化製品やノートPC用バッグ等の関連アイテムが売られていました。インターネットを利用できるパソコンは1台も置いておらず、レジにいた男性スタッフに聞くとネットカフェは奥のスペースにあることが判明。この店以外にも「本屋+ネットカフェ」のような店があるそうで、日本にある「ブースが並んだネットカフェ」は、ヴァージン諸島では一般的ではなさそうです。ちなみに、ネットカフェには誰もいませんでした。


◆タックス・ヘイブンの入口へ
聞き込み調査が一向に功を奏さないのでインターネットで再調査してみると、ペーパーカンパニーが集まっている建物を発見したので直接行ってみました。このビルの住所は「AKARA BUILDING; 24 DE CASTRO STREET WICKHAMS CAY 1; ROAD TOWN; TORTOLA; BRITISH VIRIGN ISLANDS」。関東財務局が警告を行った、無登録で金融商品取引業等を営む業者も入っているビルです。


ようやくタックス・ヘイブンの入り口までたどりついた、ということで早速手続を進めたかったのですが、ヴァージン諸島では2017年6月から税関係の個人・法人情報がすべて政府のデータベースに登録されることが義務づけられており、ペーパーカンパニーの設立が非常に難しい状況になっていました。

市庁舎のそばで見かけたペーパーカンパニー用と思しき私書箱。


私書箱には郵便物が残されています。


長らく使われていないようで、ボロボロの郵便物もありました。


◆ヴァージン諸島の魅力
実際にヴァージン諸島に行って分かったことは、ジャマイカ人やアフリカ系の移民が多く、ビーチがとても綺麗な、マリンアクティビティにもオススメの治安の良い島だということでした。日本車が多く走る街並みにも親近感が湧きます。残念ながら、タックス・ヘイブンをやっていそうな大富豪には会えませんでしたが、ヒッチハイクをして助け合う人達、ボロボロになった車でも乗り続ける、物を大切にする人達に会うことができました。

空港から車で約5分という近場には、絶景が見られるビーフアイランドビーチがあります。


なんと観光客が一人もおらず、プライベートビーチ感覚で楽しめました。レンタルパラソルなどは置いていないので、日焼け止めクリームは必須です。


今回の旅でお世話になったタクシードライバーさん。皆さんとても親切で、お別れをする時は少しうるっとしてしまいました。


ちなみに、今回のドメイン島巡りで行った場所は以下のような感じ。


ヴァージン諸島へのアクセスはこちら

◆「.vg」ドメインの意外な使い道
ところで、「.vg」ドメインはイギリス領ヴァージン諸島に割り当てられたccTLDです。そのつづりから、以下のようにビデオゲーム(Video Game)サイトのドメインとしてよく利用されています。

SEGA
http://www.sega.vg/


Impeller Studios
http://itb.vg/


Gamers
https://www.gamers.vg/


MUSH
http://mush.vg/


Play.vg
http://www.play.vg/


LEET
https://www.leet.vg/


こんな使われ方をされているとは、ヴァージン諸島に住んでいる方達には思いもよらないのではないでしょうか。

「.vg」ドメインの詳細、お申込みはこちら


(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/
ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)

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in 取材,   モバイル,   ネットサービス,   ハードウェア,   ,   広告, Posted by log1b_ok

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