サイエンス

脳に埋め込むうつ病治療デバイスが開発される


うつ病に関する研究は数多く行われており、「冷たいシャワーがうつ病の改善に効果的」とする研究結果や「都会暮らしはうつ病のリスクを高める」という研究結果などが存在しています。そんな中、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが「脳に電気刺激を与えるデバイスを埋め込む」という新たなうつ病治療法を開発しました。

Closed-loop neuromodulation in an individual with treatment-resistant depression | Nature Medicine
https://doi.org/10.1038/s41591-021-01480-w

Treating Severe Depression with On-Demand Brain Stimulation | UC San Francisco
https://www.ucsf.edu/news/2021/09/421541/treating-severe-depression-demand-brain-stimulation

今回研究チームが開発したのは、脳に電気刺激を与えて特定部位の活動を抑える技術である「深部脳刺激療法(DBS)」に使われる電気刺激デバイスを改良したものです。従来のDBSの問題点や新開発のデバイスの特徴は以下のムービーで解説されています。

Personalized Deep Brain Stimulation Therapy (DBS) - YouTube


今回の研究以前にも、DBSに関する研究は広く行われており、アメリカ食品医薬品局(FDA)はDBSによるパーキンソン病や強迫性障害などの治療を承認しています。しかし、研究チームによると従来のDBSでは「脳の1つの領域」に対して「常に一定の電気刺激」しか与えられないため、うつ病に対する治療効果は限られていたとのこと。


上記の問題を解決するべく、研究チームはDBSに用いられる電気刺激デバイスに改良を加えて脳の活動パターンを認識可能にし、「患者ごとに異なる脳の領域」を対象に「うつ病の症状の発現時に特有の脳活動パターンを認識した場合に電気刺激を与える」ことを実現しました。


研究チームの一員であるアンドリュー・クリスタル氏は、「従来のうつ病治療では効果が現れるまでに4~8週間かかりました。今回開発したデバイスは症状を即座に緩和し、その効果はデバイス移植後15カ月以上続きました」と述べています。

また、研究チームが開発したデバイスの被験者となったサラ氏は「最初の数ヶ月で、うつ病の症状はかなり軽減しました。私は症状が改善された状態が続くかどうか確信していませんでしたが、それは続きました」と語っています。

研究チームの一員であるキャサリン・スキャンゴス氏は「新開発のデバイスの効果が異なる患者間でどのように変化するかを調べる必要があります。また、治療が続くにつれて、各患者の脳回路が時間とともに変化するかどうかを確認する必要があります」と述べ、今後も複数のうつ病患者に対して試験を行っていく考えを示しています。

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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