取材

格安航空会社ではないが南アフリカと日本を繋ぐ信じられない格安フライト、ドバイ経由のエミレーツ航空で帰国してみた


日本でも本格的な格安航空会社(LCC)の「peach」が就航を始めました。世界中で格安航空会社(LCC)による空の価格破壊が起きています。それは南アフリカのケープタウンから、日本へと帰国してみた自分も実感できました。ですが、選んだチケットは格安航空会社(LCC)ではありません。普通の機内サービスのあるドバイ経由のエミレーツ航空でした。航空券は5万7294円です。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。一時帰国しています。今回はケープタウンの観光を終えてから帰国するまでの旅路です。


バックパッカーで手配したタクシーが200ZAR(約2000円)で空港へ向かいました。トランクの後部座席を倒すと、自転車を入れた大きな箱まで積むことができます。今回のエミレーツ航空の受託手荷物は30kgと普通の航空会社より多いにも関らず、自転車の箱が思ったより重くて、チェックイン時にあたふたしました。それでも、荷物を減らして通過。

綺麗に整備されたケープタウンの空港。


自転車の箱とズタ袋が受託手荷物。


出発ロビーで搭乗を待ちます。


チェックインをして手に入れた搭乗券。


翼を広げていたのは「British Airways」


そして、こちらが今回利用した「Emirates」の飛行機。


乗り込みます。


南アフリカのケープタウンから中東のドバイを経由して、日本の関空に向かうフライトです。そもそもケープタウンからはドイツ辺りに飛んで、再びヨーロッパを走る予定でした。南アフリカから日本へのチケットは高いという先入観があったからです。でも、ふとしたときにスマートフォンのAndroidアプリを使って、格安航空券を調べてみると思ったより安かったので、今回の一時帰国となりました。

空港を飛び立って高度を上げた飛行機はアフリカ大陸を北上し、中東のドバイへと向かいます。


航空券はケープタウンにあるエミレーツ航空のオフィスで5775ZARでした。日本円に直すと5万7294円と格安の航空券です。それでもエミレーツは格安航空会社(LCC)ではありませんので、もちろん機内食もありました。

ちょっとしたジュースとお菓子も出ました。


機内食の案内があります。


昼食の機内食メニュー。


ビーフカレーを選びました。


蓋を開けるとこんな形です。


夕食の機内食メニュー。


夕食は魚にしました。


ワインまであったりします。


食事以外の時間は機内ディスプレイで時間をつぶしましょう。

このようにすべての座席にディスプレイが備えられていました。


こちらのコントローラーで、音量やチャンネルを操作できます。


コントローラの裏側は衛星電話になっていました。


クレジットカードを読み込むことで通話ができるようです。


機体外部に取り付けられたカメラからの映像をディスプレイに表示できます。


フライト中の高度、外気温、時速、目的地までの距離の情報も分かりました。


映画、音楽、E-mail(有料)、ゲームといったコンテンツがありました。


テトリスが出てきました。前の写真のコントローラーで操作できます。


音楽も聴けますが、最近のJ-popが分かりません。


映画も見れます。東野圭吾原作の「麒麟の翼」が流れてました。劇中でガッキーの発した「夢ばかり追いかけていないで、世の中甘くないよ」という台詞に落ち込む……。


ケープタウンから約8時間のフライトでドバイに到着しました。ここで乗換えをしないといけません。長い長い空港内を歩きました。時間は深夜だというのに、昼間のショッピングモールのような賑わい。白人も黒人もアラブ人も中国人もインド人も、たくさんの人たちの姿があります。そして、日本人の姿も。

たくさんの人が行き交うドバイの空港ターミナル。


ドバイの空港全景は、このような形になるそうです。


ともかく長いターミナルですので、動く歩道がたくさんありました。


中東のイメージが漂う椰子の木があった出発ロビー。


こちらの上の方にみえる窓は、イスラムのモスクの雰囲気ですね。


ケープタウン→ドバイもドバイ→関西国際空港も、窓際の席に座りました。ケープタウンからの便は2列シートだったのですが、ドバイからの便は3列シートで、一回り機体が大きいようでした。ケープタウンからの便は、日本人はおろか東洋人すらまばらな機内でした。ですが、ドバイからの便は関空に向かうだけあって日本人でいっぱいです。

深夜だけど、機内食が出てきました。


洋食ではなく、和食を選んだ朝食の機内食。


飛行機は大阪に向かって飛んでいました。


ドバイから約9時間のフライトで関空に着陸しました。3年ぶりの帰国のはずですが、あいにくの空模様で歓迎されていません……。すいません。それでも無事に帰ってきました。スタンプをもらって、荷物を受け取ります。ATMで円を引き出して、地元の福岡までは日本を旅しないといけません。空港内にある「ローソン」「マクドナルド」「ツタヤ」と、久し振りの日本の空気が懐かしい。でも物価は高くて凹みます。

関空に着陸。窓際だったのに何も見えず。


降りてからすぐの場所。


降りた場所とメインターミナルが離れていて、そこの移動のためだけの電車がありました。


ケープタウンと大阪の時差が7時間。


日本には「入国」ではなく「帰国」となるのが嬉しいですね。


今回は5万7294円でケープタウンから帰れました。しかし、逆の条件で日本から航空券を検索してみると10万円を超えるものしか見つかりません。

中東には今回のドバイを拠点とするエミレーツ航空だけでなく、アブダビを拠点とするエティハド航空、ドーハを拠点とするカタール航空が低価格でたくさんの利用客を集めています。中東の航空会社はアジアとヨーロッパ、アジアとアフリカ、ヨーロッパとアフリカを中東経由で繋いでいました。コンゴのブラザビルから乗ったエチオピア航空もエチオピアを経由して、多くの場所に路線を伸ばしています。ケニアで会ったヨーロッパ人もエチオピア航空を使っていました。

格安航空会社(LCC)は2007年のオーストラリアにいた頃から実感しています。オーストラリアの辺境にあたるダーウィンには、英語のできないワーキングホリデーの台湾人がたくさんいました。台湾からジェットスターでシンガポールに移動して、そこからタイガー・エアウェイズでダーウィンに降り立つルートが一番安いのが理由です。東南アジアではバックパッカーに「高速バスのように飛行機に乗れる」とエアアジアの話もよく聞いてました。

今回の航空券を買ったときのレシート。


日本は「Peach」で賑わっていますが、南アフリカには「Mango」という格安航空会社(LCC)があります。


こんな激しい航空戦争の中で、日本の航空会社はやっていけるのでしょうか?


夕方近くに到着したので空港で一日過ごして翌朝に動き出しました。関空での自転車の入った巨大な段ボールは扱いに困ります。関空は人工島になっていて、その人工島と陸地を繋ぐ橋は自転車では走れません。だから「自転車はどうしたらいいか」と空港の案内所に尋ねても「鉄道会社に聞いて欲しい」と要領を得ない。喰い下がると「箱のままなら大丈夫」という事で電車に乗りました。陸路で移動できない以上、空港と手前の一駅くらいまではそのままの自転車で電車に乗りたいのですが……。

和歌山在住のGIGAZINE読者さんが、関空に差し入れを持ってきてくれて感動しました。ありがとうございました。


関空のターミナル。


関空の目と鼻の先にある「ホテル日航関西空港」


電車に乗りたいのですが通れません。


関西空港駅の一つとなりの「りんくうタウン」で下車。ここで、自転車を組み立てて大阪市内まで走りました。


大阪ではお世話になっているところに顔を出したり、友人に再会したりしていました。観光もしました。大阪の通天閣も今話題のスカイツリーに負けていません。新世界の界隈は賑わっていました。

大阪ドーム。


新世界。


そして、通天閣。


上りたかったけど50分待ちだなんて……。


大阪の滞在を終えて、地元の福岡に帰らないといけません。陸路で600kmかかるのをショートカットしてくれるのが、大阪の南港と、北九州の新門司港を結ぶ名門大洋フェリー。瀬戸内海を船で渡ります。インターネットでの予約割引で、一番安い雑魚寝のニ等室と自転車で6300円でした。

このフェリーに乗りました。


旅を感じる雑魚寝のニ等室。


新門司から福岡までは国道3号を使いました。90km近く走ったのですが、アフリカより暑くて参りました。湿気があるのでこたえます。福岡→北九州の国道3号線は何度も走っていて、懐かしい景色に帰郷を実感しました。福岡市内に入って東区を抜けて、繁華街の天神近くまで来たら手に取るように分かります。「どこかで記念写真を」と福岡のスカイツリー……こと福岡タワーでゴールらしくしてみました。


2009年の5月から3年をかけたアジア、ヨーロッパ、アフリカも無事終わりました。100カ国10万kmの自転車世界一周の目標も、80ヶ国と9万kmまで達成しました。あとは南北アメリカ大陸を残すのみです。一時帰国で準備を整えたら再出発をします。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   乗り物,   , Posted by logc_nt

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