Googleに約240億円の罰金が科される、「Androidの慣行は反競争的」とインド当局
インドの独占禁止当局であるインド競争委員会(CCI)が2022年10月20日、「Google製モバイルOSであるAndroidのポリシーを用いて反競争的な慣行に従事した」として、Googleに133億8000万ルピー(約243億円)の罰金を科しました。当局は、サードパーティーのAndroidデバイスにGoogle製アプリをプリインストールさせるといった慣行を問題視しており、Googleに罰金と併せてポリシーの変更を要求しています。
India fines Google $162 million for anti-competitive practices on Android | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/10/20/india-fines-google-162-million-for-anti-competitive-practices-on-android/
Google hit with $162 million fine in India over Android dominance
https://9to5google.com/2022/10/20/india-android-fine-dominance/
Google fined $161.9 million in India over 'anti-competitive' Android policies | Engadget
https://www.engadget.com/google-android-antitrust-fine-india-203910551.html
市場調査企業のCounterpointによると、インド国内に存在する6億台のスマートフォンの97%がAndroidを搭載しているとのことで、インドはGoogleにとって最大の市場の1つです。Googleもインド市場への投資を強化しており、通信大手・Jio Platformsとのパートナーシップにも力を入れています。ところが、CCIは2019年からGoogleを独占禁止法の疑いで捜査していることが報じられていました。
そして2022年10月20日に調査結果を発表したCCIは、「スマートフォン用のライセンス可能なOS」「Googel Play」「アプリストア」「OSに固有ではないモバイルウェブブラウザ」「オンライン動画ホストプラットフォーム」といった5つの市場で、Googleが独占的な立場にあったと報告しました。
中でもCCIが問題視しているのが、「Android搭載スマートフォンのメーカーに対し、Google Play・Chrome・YouTubeといったGoogle製アプリのスイートをプリインストールするように要求する」というAndroidの慣行です。メーカーに対して不公平な慣行を強いることで、Androidのフォークで動作するデバイスを開発・販売する能力を低下させ、Googleの独占力を強化しているとのこと。
CCIはこれらの慣行が独占禁止法に違反すると判断し、Googleに対して133億8000万ルピーの罰金を科しました。また、「メーカーに対してインストールするアプリを制限すること」「Google Playのライセンスをその他のGoogle製アプリのプリインストールと関連付けること」「AndroidフォークがGoogle Playにアクセスするのを禁止すること」「Androidフォークを搭載するスマートフォンを販売しないようメーカーに求めること」「Google Playを通じてサードパーティーのアプリストアを配布することを禁止すること」など、Googleが従事してきたとされる反競争的慣行を禁止することも要求しています。
テクノロジー系メディアの9to5Googleはさまざまな命令の中でも、「サードパーティーのアプリストアをGoogle Playで配布できるようにする」という命令に対して、Googleが強く反対する可能性があると指摘しています。
近年はGoogleに対する独占禁止法の監視が強まっており、2018年にはEUが43億4000万ユーロ(当時のレートで約5700億円)の罰金を科したことも話題となりました。
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