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GoogleにEU独禁法違反で5700億円もの制裁金、Androidが無料ではなくなるかもとGoogleのCEOが示唆

by Rob Bulmahn

欧州委員会(EC)は2018年7月18日、Googleが携帯端末にAndroidをバンドルするよう強要し、欧州連合競争法(独占禁止法)に違反したとして43億4000万ユーロ(約5700億円)の罰金を科すと発表しました。これを受けてGoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は、Androidのプラットフォームを無料配布しているビジネスモデルが今後変わっていくかもしれないと述べ、欧州委員会の決定に対して法廷で争う考えを示唆しています。

European Commission - PRESS RELEASES - Press release - Antitrust: Commission fines Google 4.34 billion Euro for illegal practices regarding Android mobile devices to strengthen dominance of Google's search engine
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-4581_en.htm


ECは、Googleが「Google Playストアのライセンス条件として、メーカーにGoogle検索アプリとChromeをプリインストールするように要求していた」「特定の大手端末メーカーや携帯ネットワーク事業者に対し、Google検索アプリを端末にプリインストールするという条件で金銭の支払いを行った」「Androidのアプリを排除してベースだけを利用したAndroidフォーク搭載端末の販売をメーカーに禁止した」という3点で、Googleは自社の検索エンジンの支配力を強化していると指摘。EUの独占禁止法である「欧州連合競争法」に違反しているとして、Googleに対して過去最高額の制裁金となる5700億円を支払うか、Googleの親会社であるAlphabetの全世界での平均売上高の最大5%を支払うよう命じています。

欧州委員会のメンバーで競争政策担当であるマルグレーテ・ヴェスタガー氏は「今日、全世界のインターネットトラフィックの過半数が携帯端末によるものです。携帯端末は何百万ものヨーロッパ人の生活を変革しました。Googleは、Android端末のメーカーやネットワーク事業者に対して、携帯端末のトラフィックがGoogleの検索エンジンに流れるように強制しています。これはEUの独占禁止法違反です」と述べています。

by Friends of Europe

これに対して、GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は、「Android has created more choice, not less(Androidは選択肢を減らしてきたのではなく、増やしてきた)」という声明を発表しています。

Android has created more choice, not less


ピチャイ氏は声明の中で、欧州委員会による今回の決定はAndroidとiOSが競合しているという事実を完全に無視していて、Android搭載端末のメーカーやネットワーク事業者に対してAndroidがどれだけ多くの選択肢を提供しているか忘れていると抗議しています。

また、ピチャイ氏は「Androidの構築にはコストがかかり、Googleは過去10年間に何千億円も投資してきました。それでもGoogleは携帯端末のメーカーやネットワーク事業者に対して、AndroidプラットフォームやGoogleのアプリケーションスイートを無料で配布してきました。携帯端末のメーカーやネットワーク事業者にとって効率的であるだけではなく、開発者や消費者にとっても大きな利益となるためです。今回のEUの決定は、Andoirdのエコシステムのバランスを失うもので、Androidをサポートするビジネスモデルを否定するものです」とコメント。Androidプラットフォームを無償でメーカーに提供する現行のビジネスモデルが、5700億円もの制裁金によって不可能になるかもしれないことを示唆しています。さらに「私たちは法廷へ訴えるつもりです」と述べていて、Googleは欧州委員会に対して全面的に争う姿勢を見せています。

なお、GoogleがEUから欧州連合競争法違反で制裁金を科されるのはこれが初めてではありません。2017年6月には「Googleショッピングの検索結果が、圧倒的シェアを誇るGoogleの検索結果の上に常に表示されるのは反競争的行動である」として、24億2200万ユーロ(約3000億円)の制裁金を科されています。

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