メモ

Googleが広告事業の独占禁止法訴訟を回避するために譲歩策を提案、何が問題でどのように対処するのか?



Googleは検索市場に関する独占禁止法違反で繰り返し提訴されていたり、自社広告を不当に優先させる秘密プログラム「プロジェクト・バーナンキ」の存在が問題視されたりと、その強大すぎる影響力から独占禁止法違反について指摘されるケースが多くあります。そこでGoogleやYouTubeを運営するAlphabetは、独禁法訴訟を回避するための譲歩策を新たに講じていることが報じられています。

Google proposes moving ad business to Alphabet to keep regulators at bay | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/07/google-proposes-moving-ad-business-to-alphabet-to-keep-regulators-at-bay/

Google offers to split parts of ad business into Alphabet - 9to5Google
https://9to5google.com/2022/07/08/google-ad-split-antitrust/

Googleは検索における独占的地位を乱用して「自社製広告購入システムを競合他社製品より有利にする秘密プログラム」を組んでいるとして繰り返し訴えられているほか、YouTubeについても「広告を出すためにGoogleの広告出稿サービスを使用しなければならない」という点が独禁法違反だと指摘されています。YouTubeについては、「Google以外の広告企業がYouTube広告を掲載できるようにする」ことを始めとした解決策を講じることで訴訟を回避しようとしていることが、2022年6月ごろに判明しています。

GoogleはEUの独占禁止法による売上の最大10%という巨額の罰金を回避すべく「ライバル広告企業がYouTubeに広告を掲載すること」を提案 - GIGAZINE


2022年7月に新たに「Googleの広告について独禁法訴訟の可能性を回避するための譲歩」が報じられました。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Googleはウェブサイトやアプリの広告をオークションにかけることで、自社で運用するのではなく傘下の他会社に事業分割することを提案したそうです。広告事業の一部はGoogleからAlphabetに移され、そこから他企業に引き継がれていく形になると見られています。

Google広告の問題点としては、「購入と販売とを両方の側面で抑えている」ことが指摘されています。Googleのウェブ広告を購入したい場合は、Googleのオークションシステムで広告スペースを販売するパブリッシャーに半強制的に誘導されるため、広告事業の規模や運用法・価格などがすべてGoogle次第で決められ、Googleが自社サイトを優先するといったことも容易である、という問題点があります。ショッピングサイトなどでも自社製品を販売してそれを優先して表示するケースはありますが、Googleは特に規模が桁違いのため、大きな問題として取り上げられています。そこで、このGoogle広告の「販売」側がAlphabetに移行し、「購入」側はGoogleにとどまることで、独占的状態を回避する策を提案しています。

Googleの担当者は声明の中で「広告事業について売却したり、撤退したりする予定はありません。規制当局と協力して懸命に対処しています」とコメントしています。Googleからの今回の「広告事業を分割する」という提案は、訴訟を準備しているとされる司法当局にどれほど受け入れられているかは記事作成時点で不明となっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
GoogleはEUの独占禁止法による売上の最大10%という巨額の罰金を回避すべく「ライバル広告企業がYouTubeに広告を掲載すること」を提案 - GIGAZINE

Googleが自社広告を不当に優先させたとして独占禁止法違反の疑いの「プロジェクト・バーナンキ」についてさらなる詳細が明らかに - GIGAZINE

Googleに3000億円超の制裁金が確定、EUでの市場独占に関する裁判での敗訴で - GIGAZINE

Googleに対し「独占禁止法違反に関わるデータ」を提出するようにアメリカ政府が請求 - GIGAZINE

Googleが検索市場に関する独禁法違反で提訴される、わずか2カ月で3回目の提訴 - GIGAZINE

Googleは独禁法に違反しているのか?という問題の本質を詳細に解説するとこうなる - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article here.