音が鳴らないように細工した「サイレントAirTag」が出回っている、ストーキングに利用される懸念も
Appleの忘れ物タグ「AirTag」のスピーカーを取り外して存在を察知されにくいように細工された「サイレントAirTag」が、eBayなどのインターネットオークションサイトに出回っていると報じられています。
'Silent AirTags' With Speakers Removed Pop Up on Etsy, eBay
https://uk.pcmag.com/mobile-phone-accessories/138509/silent-airtags-with-speakers-removed-pop-up-on-etsy-ebay
AirTagは、iPhoneなどの「探す」機能を使って大事な物の位置を追跡できる落とし物トラッカーです。AirTagをつけたカギなどの場所が分からなくなった時に任意に音を出すことができるほか、元の持ち主から一定時間離れると音が出る防犯機能もあるので、バッグや車の中に忍び込ませてストーキングに使われようとした場合でも察知できます。
しかし、インターネット上ではAirTagのスピーカーを取り外して、音が出ないようにした「サイレントAirTag」が取引されているとのこと。その一例として、IT系ニュースサイトのPCMagは、オークションサイトのEtsyでサイレントAirTagが77.5ドル(約8900円)で販売されていたことを報告しました。「JTEE3D」というユーザーが売っていたこのサイレントAirTagは、見た目は29ドル(約3000円)で売られている正規のAirTagと同じですが、バッテリーの下にはスピーカーを取り外すための小さな穴が開いていたそうです。
EtsyでのサイレントAirTagの販売は、電子フロンティア財団のサイバーセキュリティ担当ディレクターであるエヴァ・ガルペリン氏がTwitterで問題提起したことで表面化しました。
Send me a link?
— Eva (@evacide) February 2, 2022
サイレントAirTagが取り沙汰された直後にサイレントAirTagの出品を取りやめたJTEE3D氏は、PCMagに対して「AirTagを改造したのは、私のAirTagに興味を持ったある購入者から、バイクやペットなどにAirTagを付けたいとの要望が寄せられたことでした」と述べて、手元から離れる物品やペットに取り付けてもAirTagが鳴りっぱなしにならないようにすることが目的だったと説明しました。
また、eBayで販売されていた同様のサイレントAirTagには、「盗難に遭った時に泥棒がAirTagを見つけてしまう可能性をぐっと減らします」とのうたい文句も掲載されていたとのこと。
しかし、AirTagから音が出なくなるということは、知らないうちにAirTagをポケットやバッグに入れられても気づけなくなるということを意味します。この点について、ガルペリン氏は「泥棒を捕まえるためのアイテムは、ストーキングのツールにもうってつけです。だからこそ、Appleは盗難品ではなく落とし物を追跡するためのツールとしてAirTagを宣伝しているのでしょう」と述べて、懸念を表明しました。
Any item that works for the purpose of catching a thief in this manner is also a perfect tool for stalking. That is why Apple advertises them as tools for tracking lost items and not stolen ones.
— Eva (@evacide) February 2, 2022
インターネットでは、AirTagを信頼できない引っ越し業者の追跡や盗難車の奪還に使ったという使用例が報告されています。
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