Appleの落とし物トラッカー「AirTag」をカード化して半分以上に薄くした猛者が登場

Appleデバイス間のBlueToothネットワークによる「探す」機能によって高い精度で追跡できるトラッカー「AirTag」が、2021年4月30日にリリースされました。このAirTagは鍵や財布にあらかじめ取り付けておくことで、万が一落としたりなくしたりしてもすぐに探すことができますが、厚さ8mmのAirTagは財布の中にしまうには少し分厚めといえます。そんなAirTagを分解してカード状に改造して半分以上に薄くする様子を、Andrew NgaiさんがYouTubeで公開しています。
I turned an Airtag into a card for wallets! - YouTube

AirTagの使い方がどういうものなのかは、以下の記事を読むとよくわかります。
Appleの音を鳴らしたり方向を示したりして落とし物を見つける手助けをしてくれる「AirTag」を使ってみた - GIGAZINE

AirTagで財布を管理する場合、AirTagをコインケースにしまうか、財布にはさんでおくかする必要があります。しかし、AirTagの厚さはおよそ8mmで、厚さ1.81mmの500円硬貨4枚よりも分厚いため、財布に入れるとかなりかさばってしまうのが難点。

この厚さの原因が、以下の図のように、基板にボタン電池が重なった構造。

この基板とボタン電池を重ねるのではなく、横に並べてしまえば厚さが半分になるはず。

そこで裏蓋を外してボタン電池を取り出し、ケースから基板を外します。

裏側のプラスチックケースを外すと基板が露出。

しかし、基板は表側のプラスチックケースとしっかり組み合わされている上に、接着剤で強固に貼り付けられている模様。

そこで、ヒートガンで温めて接着剤を溶かし、慎重に基板をケースから外します。

外した基板がこんな感じ。

裏側に渦巻いているのは、NFC用アンテナです。

基板とボタン電池だけを組み合わせてiPhoneに近づけると、AirTagの検出に成功しました。

基板だけの厚さを測定すると、実測で3.31mm。AirTagで使われているボタン電池はCR2032で、直径20mm・厚さ3.2mmです。つまり、基板とボタン電池を並べるように配置すれば、厚さがAirTagの半分以下になるはず。

基板にある電極部分から導線を伸ばします。

導線をボタン電池の電極に合わせて、AirTagの動作を確認したら……

基板と電池を収納するカード型のケースを3Dプリンターで出力します。なお、カード型ケースの3Dモデルはこのページで公開されています。

基板と電池を収めるとこんな感じ。iPhoneに近づけると、問題なくAirTagを認識しました。

カード型のAirTagとオリジナルのAirTagを並べて厚さを比べたところが以下。カード型にしたことで、オリジナルのAirTagの半分以下にまで薄くなったことがはっきりとわかります。

薄くなってしまえば、AirTagを財布にも収納しやすくなります。なお、基板を取り外すのは難度が高いため、自分で試したいという人は自己責任でチャレンジしてみてください。

◆おまけ
AirTagは「探す」アプリから位置を特定し、AirTagのある方向をiPhone上で指し示すことができます。その「探す」アプリ上で、開発者メニューを表示する裏技が発見されています。
Apple’s AirTags have a hidden developer menu - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/6/22422696/apple-airtags-hidden-developer-menu-back-end-data-how-to-access
「探す」アプリからAirTagを表示した状態で、左上に表示されているAirTagの名前を素早く5回タップします。

すると、AirTagまでのおおまかな距離や角度などの情報が表示されるほか、スライドバーがいくつも表示されます。

スライドバーが何を意味しているのかは明らかではありませんが、掲示板サイト・Redditでの考察によれば、下4つの「A」「H」「S」「V」はそれぞれ「透明度」「背景の色相」「色の鮮やかさ」「明るさ」を意味しているとのこと。実際にスライドバーを動かすと、背景やカメラの映像が変化しました。

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