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Apple製落とし物トラッカー「AirTag」に搭載されたストーカー対策&プライバシー保護機能とは?


Appleは2021年4月21日に開催した配信イベントで、新型の「iMac」「iPad Pro」「Apple TV」といったデバイスと共に、小型軽量な落とし物トラッカー「AirTag」が発表しました。このAirTagには、ユーザーもプライバシーを保護する機能や、「標的の荷物にAirTagを忍び込ませて、位置情報を追跡する」といったストーカー行為への悪用を防ぐ機能が搭載されています。

AirTag - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/airtag/

Apple、AirTagを発表 - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/04/apple-introduces-airtag/

Apple’s AirTag tracker respects privacy and foils stalking
https://www.fastcompany.com/90628073/apple-airtag-privacy-security

Appleが2021年4月21日に発表したAirTagは、直径31.9mm、重さ11gのコイン型落とし物トラッカーで、世界中で動作している約10億台のiPhoneで構築された「Find My(探す)」ネットワークを用いて位置情報を追跡できるデバイスです。そんなAirTagには、ユーザーのプライバシー保護機能やストーキングなどへの悪用防止機能が数多く搭載されています。

Apple純正の落とし物トラッカー「AirTag」が登場、4個セットで税込1万2800円 - GIGAZINE


◆AirTagのプライバシー保護機能
AirTagは、GPSではなく、世界中のiPhoneで構築された「探す」ネットワークを用いて持ち主に位置情報を送信しています。AirTagと周囲のiPhoneはBluetoothによって接続されていますが、AirTagのBluetooth識別子は1日に何度もランダムな値に変更されるとのこと。加えて、「探す」ネットワークにおける通信はエンドツーエンド暗号化されているため、持ち主以外の人がAirTagの位置情報や持ち主情報を確認することは不可能です。

また、AirTagにはNFCタグが搭載されており、AirTagを拾った人がiPhoneやAndroid端末でNFCタグを読み取ると、AirTagのシリアルナンバーが記されたAppleのサポートページを確認することができます。このサポートページには、持ち主が設定を有効にしている場合のみ「持ち主への連絡先」が表示され、そうでない場合はシリアルナンバーだけが表示されるため、持ち主の情報が外部に漏れることはありません。

紛失した「AirTag」はNFC対応のiPhoneだけでなくAndroidでも読み取ることが可能 - GIGAZINE


Appleでセンシング・コネクティビティ担当ディレクターを務めるロン・ファン氏によると、AirTagにはiPhoneのアクティベーションロックと同様の仕組みが搭載されているとのこと。ファン氏は「AirTagを紛失したとしても、他人がAirTagとiPhoneを再ペアリングして使うことは不可能です」と述べ、AirTagのセキュリティ性能の高さを強調しています。

◆ストーカー防止機能
Appleによると、AirTagは「標的の荷物にAirTagを忍び込ませて、位置情報を追跡する」といったストーカー行為に用いられないように設計されているとのこと。iOS端末ユーザーの荷物に「自分の持ち物ではないAirTag」が紛れ込んだ場合、「AirTag があなたの近くで見つかりました」という通知がiOS端末に表示されます。この通知は、「AirTagが本来の持ち主から離れている」「AirTagが本来の持ち主以外のiOS端末の近くにある」という2つの条件を満たした場合にのみ送信されるため、「電車やバスなどの人が密集する場所で通知が鳴り続ける」といった事態は発生しません。


さらに、AirTagは本来の持ち主から3日以上離れた位置に置かれると、音を発して周囲の人に注意を促します。このため、持ち物にAirTagを紛れ込まされた人がiOS端末を所持していなくても、AirTagの存在に気付くことができます。

なお、前述の「AirTagに搭載されたNFCタグを読み取ると表示されるサポートページ」には、「AirTagの電池を取り外して位置情報の追跡を停止する方法」も記されているとのこと。Appleでマーケティング担当副社長を務めるカイアン・ドランス氏は「AppleはAirTagのシリアルナンバーから、持ち主のApple IDに登録された情報を確認することができます。そのため、Appleは必要に応じて適切な情報を法執行機関に提出することができます」と、AirTagがストーカー行為に利用された場合の対処方法を語っています。

◆AirTagの使い勝手
AirTagを一足早くゲットしたテクノロジー関連メディアのThe Vergeによると、AirTagは入手しやすいボタン型電池(CR2032)を電源として採用しているとのこと。The Vergeは「AirTagに近づくと、U1チップを搭載したiPhoneにAirTagへと導く矢印が表示されます。それは非常にうまく動作しました」と述べ、AirTagの完成度の高さを絶賛しています。


なお、AirTagは2021年4月30日(金)に登場予定で、日本時間の2021年4月23日(金)午後9時から予約注文の受付を開始する予定です。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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