ハードウェア

IntelがAMDに対抗するべくサーバー向けCPUを値下げしているとの報道


IntelとAMDはPCやサーバー向けのCPU市場でライバル関係にありますが、近年ではAMDがPC向けCPU「Ryzen」やサーバー向けCPU「EPYC」でシェアを順調に伸ばしており、Intelは苦境に立たされています。そんな中、Intelが一部の企業に対してサーバー向けCPUの低価格提供を持ちかけていることが報じられています。

Intel Is Reducing Server Chip Pricing in Attempt to Stem the AMD Tide: Report | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/intel-reduces-server-pricing-to-fight-amd

Intelは2010年代前半にはAMDを引き離して高い業界シェアを保っていました。しかし、AMDは2017年にRyzenシリーズやEPYCシリーズなどの高性能&低価格なCPUを市場に投入してIntelを猛追し、2017年8月にはドイツの通販サイトにおけるCPU販売シェアでIntelを上回ったことが報じられました。

直近10年で初めてAMDがCPU販売シェアでIntelを抜く - GIGAZINE


その後もAMDの快進撃は続き、第2世代EPYCシリーズ「EPYC Rome」はGoogleのクラウドサービスや大手CDNサービス・Cloudflareによって採用され、サーバー向けCPUでもシェアを伸ばしました。2021年9月にはCloudflareが第3世代EPYCシリーズ「EPYC Milan」の採用を発表。この際、Cloudflareでプラットフォーム運営エンジニアを務めるクリス・ハウエルズ氏は「私たちは、Intelの最新世代のCPUであるIce Lake Xeonを評価しました。その結果、素の性能ではAMDに肉薄していたものの、サーバー1台あたりの消費電力が数百ワット高くなることが分かりました。これは大きな差です」と述べ、AMD製CPUがIntel製CPUよりも優れた電力効率を発揮することを称賛していました。

Cloudflareが次世代サーバーにAMDの第3世代「EPYC Milan」を採用すると発表、先代に引き続きIntel敗北 - GIGAZINE


上記のように快進撃を続けるAMDですが、ハードウェア関連メディア・Tom's HardwareはAMDには「Intelと比べて収益源が少ない」「CPUの生産を他社に頼っている」という欠点があると指摘しています。これに対して、Intelは設計開発から生産までを自社で行うことが可能なため、AMDと比べてCPUの価格を柔軟に変更することができるとのこと。

また、Tom's Hardwareはサーバー向けCPUの需要が大きいにもかかわらず十分に満たされていない現状は、AMDによるCPUの供給が不足していることを示していると指摘。さらに、Intelが一部の顧客に対してサーバー向けCPUを安価な価格で提供しているという報道にも触れ、IntelがAMD製CPUの供給待ちをしている企業に対してIntel製CPUを選択させるような魅力的な施策を行っていると主張しています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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