ハードウェア

IntelとAMDのCPUをあらゆる視点から比較した結果が公開中、どちらのCPUを買うべきか?


ゲームやデスクトップアプリ用のPCを探す時、CPUの選択肢はIntelかAMDに限られるのが現実です。ハードウェア関連情報を専門とするニュースサイト「Tom's Hardware」の編集者であるPaul Alcorn氏が、IntelとAMDのデスクトップ用CPUをパフォーマンスや価格といった10項目について比較し、その分析結果を公開しています。

AMD vs Intel 2020: Who Makes the Best CPUs? | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/features/amd-vs-intel-cpus


◆価格
単純にCPUの価格だけを比較すると、AMDはIntelに対して劣勢です。しかし、AMD製CPUには「ソケット形状に互換性が保たれていること」「すべてのモデルでオーバークロックが可能であること」「高速なPCIe 4.0が使用可能であること」「高機能なCPUクーラーがすべてのモデルに付属していること」を考えると、ソケット形状が変わりやすく、オーバークロックをCPUやマザーボードのモデルによって制限され、ハイエンドモデルにはCPUクーラーが付属されないIntel製CPUよりもお買い得だとAlcorn氏は判断しています。


◆ゲーム性能
1コアあたりの性能においてAMDに勝るIntel製CPUは、ゲーム性能では優位にあるとのこと。特にハイエンド領域ではIntelの強さが顕著に表れています。しかし、この性能差を実感するのは難しいとAlcorn氏。また、Intel製ハイエンドCPUにおけるゲーム性能の優位性を享受するには、高性能な外付けGPUと高リフレッシュレートのモニターを用意した上で、高いとは言えない解像度である1080pでゲームをプレイするという、極めて限定的な環境が必要とのこと。1440p以上でゲームをプレイすると、CPUよりもGPUがボトルネックになるとAlcorn氏は語っています。


◆クリエイティブ領域
クリエイティブ領域では、圧倒的なコア数の多さからAMDが優勢とのこと。例えば、AMDのハイエンドモデルであるRyzen 9 3950Xは16コアであるのに対し、IntelのハイエンドモデルであるCore i9-9900Kは8コアと、Ryzen 9 3950Xが2倍のコア数を誇っています。AMD製CPUはGPUを内蔵しない点についても、プロのクリエイターは外付けGPUを使用することが多いため、問題にならないとAlcorn氏は判断しています。

機能
コア数やL3キャッシュの容量、PCIeレーン数といった機能についても、AMDが強さを見せています。ハイエンドモデルであるRyzen 9 3900XとCore i9-9900Kを比較すると、コア数、L3キャッシュ容量、PCIeの世代およびレーン数、メモリーの動作周波数においてAMDが上回っており、同様の傾向が他の価格帯で2メーカーを比較した際にも見られるとのこと。


◆オーバークロック
オーバークロックについては、文句なしにIntelが勝っているとAlcorn氏。オーバークロックに対応したKシリーズのCPUとZシリーズのマザーボードをそろえる必要はありますが、一度パーツをそろえてしまえばベースクロックで5GHzを超えるオーバークロックが可能とのこと。AMD製CPUはオーバークロック性能では劣りますが、ワンクリックでCPUの性能を最大限に引き出してくれるツールを提供するなど、初心者がオーバークロックするにはありがたい機能がついているとAlcorn氏は語っています。

◆消費電力
円周率を求めるソフトウェア「y-cruncher」を実行した場合の消費電力を比較すると、14nmプロセスのIntel製CPUに対し、TSMCの7nmプロセスを採用しているAMD製CPUの方が低消費電力という結果に。Intel製CPUはAMD製CPUにパフォーマンスで対抗するため、世代を追うごとに高負荷時に電力をより多く消費するようになっており、その結果として、付属のCPUクーラーでは十分にCPUを冷却することができない発熱の問題が生じているとAlcorn氏は指摘しています。


◆ドライバーとソフトウェア
ソフトウェアサポートの面では、Intelに軍配が上がるとのこと。AMDは企業規模がIntelに比べて小さく開発リソースが限られているため、BIOSや最新のドライバーで問題が生じるといった報告があるのに対し、Intelではそうした問題はあまり見られないとAlcorn氏は語っており、こうした信頼性がIntelのOEM市場における強さにつながっていると指摘しています。また、コア数の多いAMD製CPUにOSやアプリケーションの最適化が追いついていない点も、AMDのソフトウェアにおける弱さの一面として挙げられています。

◆プロセスルール
一般的に、CPUのプロセスルールは細かければ細かいほど、消費電力やパフォーマンスの面で優位だとされています。AMDはTSMCの7nmプロセスを採用しているのに対し、Intelは自社の14nmプロセスでCPUを製造しており、プロセスルールで両社に大きく差がついています。Intel自身も、自社のプロセスルールが業界標準に追いつくのは2021年までかかると発言しているとのこと。AMDの唯一の懸念はTSMCの生産能力が低下することですが、それを考慮しても7nmプロセスによる低省電力と高パフォーマンスを誇るAMDがプロセスルールでは優位だとAlcorn氏は語っています。

◆アーキテクチャ
アーキテクチャにおいてもAMDに強みがあるとAlcorn氏は指摘。Intelのアーキテクチャが2015年のSkylakeアーキテクチャで足踏みしているのに対し、AMDは2017年のZenアーキテクチャを採用しています。特に、AMDが開発したCPU内のユニットを接続するインターコネクトである「Infinity Fabric」は、歩留まりの向上やコスト削減のほか、Intelが追随できないレベルの拡張性を実現しているとのこと。優れた拡張性の表れとして、Infinity FabricはAMDのデスクトップ用CPUのほか、モバイル用CPU、さらにはGPUにも採用されています。


◆セキュリティ
ここ数年、MeltdownやSpectreといったCPUの投機的実行に関する脆弱性が多数報告されました。こうした脆弱性の影響を最も受けたのがIntelです。記事作成時点で報告済みのAMD製CPUに関する脆弱性が16件であるのに対し、Intel製CPUには242件もの脆弱性が報告されているとのこと。こうした違いはIntelとAMDの市場シェアによるものが大きいとAlcorn氏は指摘していますが、今のところはIntel製CPUのほうがセキュリティ向上のための緩和策によるパフォーマンス低下の懸念が大きいとAlcorn氏は語っています。

Alcorn氏による比較の結果、AMDが7項目、Intelが3項目で勝利するという結果に。オーバークロックやゲーム、ソフトウェアの安定性を求める場合はIntel製CPUがオススメですが、ほとんどのユーザーはAMD製CPUを選ぶべきだとAlcorn氏は語っています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AMDがノートPC向けの7nm設計・Zen 2アーキテクチャAPU「Ryzen Mobile 4000」シリーズを発表 - GIGAZINE

第3世代Threadripper最上位モデルの64コア/128スレッドCPU「AMD Ryzen Threadripper 3990X」が2020年に登場予定 - GIGAZINE

10コア/20スレッド・最大周波数5.3GHzのCore i9-10900Kなどデスクトップ向け第10世代CoreをIntelが発表 - GIGAZINE

AMDがサーバー向けCPU市場でもIntelを駆逐しつつある - GIGAZINE

AMDが約1万円の低価格ながらゲーミング向けの高コスパ4コア・8スレッドCPU「Ryzen 3 3100」「Ryzen 3 3300X」を発表 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1n_yi

You can read the machine translated English article here.