ハードウェア

直近10年で初めてAMDがCPU販売シェアでIntelを抜く


2017年3月にZenマイクロアーキテクチャを採用したCPU「Ryzen 7」を皮切りに、サーバー向けSoC「EPYC 7000」、ハイエンドCPU「Ryzen Threadripper」などを次々と販売し業績回復中のAMDですが、ついにCPU販売シェアでIntelを抜いた事がわかりました。

AMD CPU Sales Overtake Intel For The First Time In Over A Decade At Germany's Largest E-Tailer
http://wccftech.com/amd-cpu-sales-overtake-intel-first-time-decade-germanys-largest-e-tailer/

ドイツのオンライン通販Mindfactory.deは、毎月CPUの販売データを公開しています。以下のグラフは、2017年3月から8月までの直近6カ月間における、AMDとIntelのCPUの販売台数を示したグラフで、グラフ左がAMD製、グラフ右がIntel製の各CPUを表示しています。Ryzen 7シリーズが発売された2017年3月の販売シェアは、AMDが27.6%、Intelが72.4%でしたが、AMDのシェアは増加を続け、2017年8月にはAMDが56.1%、Intelが43.9%とついにIntel製CPUを販売シェアで上回ることが確実になりました。AMDがIntelをCPUの販売台数シェアで抜くのは直近10年間で初だとのこと。


特徴的なのが、AMDのラインナップがまんべんなく売れているという点。AMDのCPUの販売台数トップはRyzen 5 1600ですが、Ryzen 7 1700、Ryzen 5 1600X、Ryzen 7 1700Xと人気モデルが多数あります。これに対してIntelは「Core i7-7700K」のみが突出して売れており、バランスを欠いています。


ヨーロッパ圏でのCPU販売の収益は以下の通り。AMDはRyzen Threadripper 1950X発売に伴って2017年8月に大きな収益を上げているのがわかります。下位モデルから上位モデルまで売れ筋モデルを多数そろえるAMDですが、販売シェアの増加によって収益性を悪化させていないことは明らかです。


上記販売シェアはヨーロッパ圏でのものですが、世界的な傾向も大きく変わらないだろうとwccftechは指摘しています。長らく有意義な競争がなかったCPU市場でIntelとAMDによる競争関係が復活したことに、消費者は素直に反応したようです。

なお、日本市場では「Ryzen Threadripper」が世界的に見て異様な高価格に設定されたため、販売が低迷。わずか2週間足らずで大幅な価格改定が行われるなど、混乱しています。

ASCII.jp:「Ryzen Threadripper」価格改定の衝撃、約1万9000円の値下げ!
http://ascii.jp/elem/000/001/536/1536656/

Ryzen Threadripper、2週間目の大幅値下げに「効果なし、もくしは逆効果」の声 (1/4) - ITmedia PC USER
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1708/28/news105.html

発売日にRyzen Threadripperを購入したライターの高橋敏也氏も困惑していました。

Threadripper、2週間経たずに2万円ぐらいの値下げ? えっ? えっ? これって切れてもいいの?

— Toshiya Takahashi (@Kaizoubaka)


九十九やArkでは、行き過ぎた「ご祝儀価格」で購入せざるを得なかったユーザーへの返金対応を示唆するツイートを出しています。

【お知らせ】8/10~8/22閉店までにAMD Threadripper 1950Xまたは1920Xをご購入されたお客様、
ご案内がございますので大変御手数ですがレシートをお手元にご用意の上、
ご購入された店舗までお電話にてご連絡をお願いいたします。

— Tsukumo_eX. (@Tsukumo_eX)

「お知らせ」
8/10~8/22までにAMD Ryzen Theadripper 1950X/1920Xを当店でご購入していただいたお客様対象の告知を、来週中に当店ホームページ等で行う予定です。準備が整い次第掲載いたしますので、もうしばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

— パソコンショップアーク (@ark_akiba)

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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