二酸化炭素の流れを地球規模で可視化した圧巻のムービー
2014年12月3日、世界気象機関(World Meteorological Organisation)は、今年の世界の年間平均気温が観測史上最高になる可能性があることを発表しました。地球温暖化の原因の一つとして大気中の二酸化炭素濃度の上昇が指摘されていますが、地球規模で見ると二酸化炭素濃度にも時・場所によって大きな違いがあることが分かっています。そんな大気中の二酸化炭素濃度を、スーパーコンピュータによって分析して1年間を約3分間に凝縮するとこんなムービーになります。
NASA | A Year in the Life of Earth's CO2 - YouTube
これは2006年1月1日の地球の二酸化炭素濃度を示したもの。赤色の部分が二酸化炭素濃度が高い場所で、北半球に集中していることが分かります。
次第に二酸化炭素濃度が高い範囲が増えてきました。
二酸化炭素濃度は、まるで水にインクを垂らしたように広がっていくのが分かります。
2月1日。よどみなく動き続ける二酸化炭素はまるで生き物のよう。
3月1日。
4月1日。時間を追うごとに、二酸化炭素濃度はぐんぐん上昇。
5月1日。二酸化炭素濃度は最高レベルに達し、北半球はほとんど真っ赤っか。
5月から6月にかけて、二酸化炭素濃度が減少に転じました。
これは、春から夏にかけて植物の光合成が活発化するため、大気中の二酸化炭素が植物に吸収させて減少していくから。
8月1日。真夏の北半球は二酸化炭素濃度が大幅に低下。
9月1日。季節が冬から春へ移り変わる途中の南半球では一部の地域で二酸化炭素濃度が高い地域が確認できます。
二酸化炭素濃度は気候の変化とそれにともなう風の変化を受けて、1年を通して大きく変化していきます。
もっとも、その変化のパターンは毎年毎年ほぼ同じ。
再び北半球に大量の二酸化炭素がただよい始めました。
このムービーは、NASAの観測衛星OCO、OCO-2、GEOS-5などからのデータを基に作成されたもの。二酸化炭素は目に見えませんが、一年という長いスパンでは濃度は季節・場所に応じて大きく変化しているようです。
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