温暖化をくいとめるには世界中の屋根を白く塗りつぶすべき、とノーベル物理学賞受賞者が提唱
「街中を白く塗りつぶす、それが無理ならせめて世界中の家を白くするべき」とノーベル物理学賞受賞者で現アメリカ合衆国エネルギー省長官のスティーブン・チュー(Steven Chu)氏は提唱しています。
地中海沿岸の伝統的な白い家の涼しさや黒いアスファルトの路面の蓄熱量を考えると理にかなった当然のことのようにも思えますが、世界中の道路や屋根を白っぽい色に変えることで、実に地球上から11年間すべての自動車が消えるのと同じ効果が得られるそうです。「世界中を白く塗りつぶす」と聞くと途方もないことのようですが、温暖化防止策としては案外近道となるのかもしれません。
詳細は以下から。US Energy Secretary says painting roofs white will save energy
オバマ政権は地球温暖化対策として建築物の屋根をエネルギー反射率のよい白に塗り替える意向である、とチュー氏は5月26日に発表しました。
スティーブン・チュー米国エネルギー省長官(左)。
「温室効果ガスの排出量を大幅に削減するには、発電における『新しい革命』が必要不可欠です」とチュー氏は語ります。しかし温暖化の特効薬となりうるような施策は存在せず、屋根を白く塗ることを含めさまざまな対策を実行するべきだとしています。
道路や屋根を白っぽい色に変えることで、11年間地球上から自動車が消えるのと同じ効果が得られるとのこと。「完全に無害であり、建築物を涼しく保ってエアコンによるエネルギー消費を抑えるとともに、太陽光を地球から跳ね返すことにもなる地球工学的な計画です」
また、自動車を明るい色にすることもエアコンの使用エネルギーを大幅に抑える効果があるとのことです。
発電により排出される炭素ガスの量を削減するには新しい考え方が必要だとチュー氏は語ります。「産業革命はエネルギーの使い道における革命でした。それまで人力や動物の力でやっていたことを化石燃料のエネルギーを使ってできるようにしたのです。わたしたちは発電時の炭素放出を大幅に減らすことができる新たな『革命』を起こさねばならない時期に来ています」
屋根を白く葺き替えるのは大変かもしれませんが、車を買い替えるときには蓄熱しにくい色の車体や内装を選ぶなど、出来ることから始めるとよいかもしれません。
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