ハードウェア

犬の気持ちを理解し人の考えを正確に伝えられる「スマートハーネス」の開発が進行中

By -=RoBeE=-

盲導犬や警察犬や災害救助犬など、犬は他の動物では担えない人間をサポートする役割を任せられることも多く、人なつっこく人間に従順な犬はもっとも信頼が寄せられる動物とも言えます。しかし、他の動物とは一線を画する特別な動物である犬とはいえ、人間がコミュニケーションをとることは簡単ではなく、犬の気持ちを100%理解することや、人間の考えを100%伝えることは不可能です。そんな犬とのコミュニケーションを円滑にして一層絆を深めるために、ハイテクを駆使した「スマートハーネス」が開発されています。

New Tech Aims to Improve Communication Between Dogs and Humans | NC State News
http://news.ncsu.edu/2014/10/bozkurt-dogs-2014/

Weekly Innovation: Harness Could Allow Dogs, Humans To Communicate : All Tech Considered : NPR
http://www.npr.org/blogs/alltechconsidered/2014/11/06/361730797/innovation-harness-could-allow-dogs-humans-to-communicate

ノースカロライナ州立大学のデイビット・ロバーツ博士たちの研究チームは、8つのセンサーで犬の心拍数・体温などの生理的状態から、犬がリラックスしているのかストレスを感じているのかを判断できるハイテクハーネス(スマートハーネス)を開発しています。スマートハーネスは、犬の状態を逐一把握して無線信号で外部に送信することができ、離れた場所からでも犬の感情を把握することができます。

また、スマートハーネスにはスピーカーと振動センサーが内蔵されているため、人間は適切な指示を音声と振動で伝えられ、100種類の異なる信号を犬に伝えることが可能です。


ロバーツ博士は「スマートハーネスは犬とのコミュニケーションを妨げるものではなく、逆に犬の感情を正確に理解でき、また、こちらから正確な指示を音声や振動で伝えられるため、より深いコミュニケーションを可能にするツールです」とスマートハーネスの効果について語っています。ロバーツ博士によると、警察犬や軍用犬が訓練において、何が受け入れられて何が受け入れられないのかの「境界」を正確に理解することに苦労する現状がありますが、スマートハーネスを使えば、許されることと許されないことを音声と振動という「信号」で正確に伝えることができるため、犬が混乱するのを予防できるとのこと。

現在開発中のプロトタイプのスマートハーネスは、バッテリー駆動時間は8時間で、オプションでカメラや各種センサーの取り付けが可能。しかし、重さが4ポンド(約1.8キログラム)で大きさもかさばるため大型犬にしか取り付けられないとのこと。そこで小型犬でも使えるよう今後はスマートハーネスをより小型・軽量化することが課題となっています。

By Brian Snelson

ロバーツ博士の開発するスマートハーネスの技術が今後はウェアラブルデバイスとして進化すれば、警察犬や災害救助犬が特別な訓練を受けるためだけでなく、犬とより深いコミュニケーションを取れるツールとしてペットへの活用も期待できそうです。

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in ハードウェア,   生き物, Posted by darkhorse_log

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