AppleはiPhoneのカメラセンサーを自社設計することを検討している
AppleはiPhoneのすべての主要部品を自社設計のものに置き換えることを計画しており、独自のカメラセンサーの開発に着手しようとしているとBloombergが報じました。
Apple In-House Technologies Team Eyes Making Cameras, Screens, Modems, Batteries - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2023-11-19/apple-in-house-technologies-team-eyes-making-cameras-screens-modems-batteries-lp5j5h6b
Apple may design camera sensors using in-house teams
https://appleinsider.com/articles/23/11/19/apple-considers-bringing-camera-sensor-designs-in-house
Appleのハードウェアテクノロジー担当ヴァイスプレジデントであるJohny Srouji氏は、iPhoneのAシリーズチップやApple Siliconの開発を主導してきた人物です。Appleが進めてきた独自チップの開発は順調に進んでおり、Appleは3nmプロセスで製造されたチップ(A17 Pro、M3シリーズ)を世界で最初に採用した企業となっています。
Srouji氏はAppleに残る数少ない「昔ながらの」エンジニアリングリーダーだそうで、厳しい経営を行っているそうです。これにより、Appleは複数のコンポーネントをサードパーティー製のものから自社設計のものに置き換えてきました。しかし、Appleはさらに多くのコンポーネントを自社設計に切り替えることを計画しており、モデムチップやディスプレイを自社で開発していると、たびたび報じられています。
モデムチップ開発の場合、2026年にもiPhoneに搭載されることになると予想されています。AppleがモデムチップをiPhone以外のApple WatchやiPad、Macにも拡張するには、さらに2~3年の時間がかかることとなるはずとBloombergは指摘しました。
この他、Appleは複数のコンポーネントを自社設計のものに置き換えるためのプロジェクトに取り組んでいると、Bloombergのマーク・ガーマン記者は指摘しています。ガーマン氏によると、Appleが取り組んでいるプロジェクトは以下の通り。
・Wi-FiとBluetoothを組み合わせたチップで、Broadcom製コンポーネントを置き換えることを計画
Wi-FiおよびBluetoothを組み合わせたApple製チップは2025年にリリースする予定だったそうですが、モデムチップ同様に開発には遅れが出ているようです。Wi-FiおよびBluetoothチップの開発を主導するのは、モデムチップの開発を主導するSrouji氏と同じ幹部であるZongjian Chen氏。
・MicroLEDディスプレイ
Appleが開発中のMicroLEDディスプレイはまずApple Watchに搭載され、最終的にはすべてのAppleデバイスに搭載される予定です。このプロジェクトは5年以上にわたり進められていますが、何度も挫折を経験している模様。Srouji氏の上級副官であるWei Chen氏とSteve Hotelling氏が開発を監督しているそうです。
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・Apple Watch向けの非侵襲的な血糖値モニタリングシステム
Apple Watch向けの非侵襲的な血糖値モニタリングシステムの開発プロジェクトも長らく進められているもので、開発を主導するのはAppleのプラットフォームアーキテクチャグループを率いるTim Millet氏。
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By Pricenfees
・独自開発のバッテリー
Appleはパートナー企業と緊密に連携しながら何十年にもわたりバッテリー開発に深くかかわってきたそうですが、Appleはこれをさらに進めることができないかどうかを検討しているそうです。ただし、バッテリーの独自開発はまだ探索的なプロジェクトであり、市場性のある技術を生み出すには長い時間が必要になると目されています。
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・カメラセンサー
Appleはカメラセンサーの独自開発にも興味を持っている模様。実際、カメラはiPhoneの最も重要なセールスポイントのひとつとなっており、カメラ関連技術はAppleがVision Proで参入した複合現実(MR)や、参入がウワサされる自動運転技術の中核を成すテクノロジーです。
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