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Appleは高性能カソード技術で持続時間&寿命がより長い次世代バッテリーの開発を進めているとの報道


Appleが2025年の商用化を目指して次世代バッテリーの開発を進めていると、韓国のニュースメディア・ETnewsが報じています。報道によると、Appleはバッテリー持続時間およびバッテリーの寿命を大幅に伸ばすために、高性能カソード技術を利用するようです。

애플, 2025년 자체 개발 배터리 상용화 추진 - 전자신문
https://m.etnews.com/20231106000233


Apple aims to reinvent the battery with cathode improvements
https://appleinsider.com/articles/23/11/06/apple-aims-to-reinvent-the-battery-with-high-performance-cathode-technology

ETnewsが業界関係者から入手した情報によると、Appleは2025年以降の商用化を目指し、次世代バッテリーの開発プロジェクトを進めている模様。Appleは次世代バッテリーの開発プロジェクトで、正極材料や負極材料といったバッテリー構成要素の開発に直接関与しており、従来よりも性能を大幅に引き上げることを目指しています。


正極材料はバッテリーのエネルギー密度・出力・安定性などを決める素材です。報道によると、Appleはニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウムなどを配合し、既存のものとは全く異なる新しい組成の正極材料を開発しようとしているとのこと。

さらに、Appleはバッテリー素材の性能を向上させるためにカーボンナノチューブを導電材として使用することを検討しているとも報じられています。導電材は、正極活物質と負極活物質の間で電子の移動を促進させる物質です。近年、二次電池の導電材として注目されているカーボンナノチューブは、従来の導電材よりも少ない量で優れた性能を発揮することができます。


負極材料ではシリコン含量を画期的に増やす方向の開発が進められています。既存のバッテリーでは負極材料に黒鉛が使用されていますが、この代わりにシリコンを使うことでバッテリー容量を増やすことが可能となり、さらに充電時間を短縮することもできるといわれています。ただし、負極材料にシリコンを使用すると、充放電の過程でバッテリーの体積が膨張してしまうという問題が発生するとのこと。そのため、ETnewsは「Appleはシリコンを使いながら膨張問題を克服する技術を確保した可能性がある」と指摘しています。

Appleの事情に明るい複数の業界関係者は、Appleの次世代バッテリー開発について「メタバースおよびMRゴーグル市場への参入などで、モバイルユーザー体験が拡張され、高性能バッテリーに対する需要が高まったため」「Appleがバッテリー性能を引き上げるために素材化発段階から携わっているようだ」などと語ったそうです。

Appleが独自のバッテリー開発に興味を示していることは、2018年頃から行っている人材獲得や特許出願などから明らかになっていました。AppleはSamsungグループ傘下のバッテリー開発企業であるSamsung SDI出身の役員を雇用してバッテリー開発部門の総括を任せています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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