ネットサービス

GoogleがAndroidアプリで独自の決済手段を選べるようにする方針を示す、まずはSpotifyから


スマートフォンのアプリストアにおけるアプリ購入または課金システムは、AndroidアプリならGoogle、iOSアプリならAppleの決済システムを使うことが定められていますが、近年では「サードパーティーの決済システムも許可するべき」との声が高まっています。そんな中でGoogleは、「開発者がアプリにおいてGoogle以外の決済システムを提供できるようにする」との方針を示し、最初のパートナーに音楽サブスクリプションサービスのSpotifyを選んだことを発表しました。

Android Developers Blog: Exploring User Choice Billing With First Innovation Partner Spotify
https://android-developers.googleblog.com/2022/03/user-choice-billing.html

Spotify and Google Announce User Choice Billing — Spotify
https://newsroom.spotify.com/2022-03-23/spotify-and-google-announce-user-choice-billing/

Google will test letting Android developers use their own billing systems - The Verge
https://www.theverge.com/2022/3/23/22993417/google-pilot-test-android-alternate-billing-systems-spotify

Google Play to pilot third-party billing option, starting with Spotify | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/03/23/google-play-to-pilot-third-party-billing-option-globally-starting-with-spotify/?tpcc=tcplustwitter

スマートフォンアプリはAndroidならGoogle Play、iOSならApp Storeでほぼ独占的に配布されている状態であり、アプリの決済システムがGoogleとAppleのものに固定されていることが問題視されています。すでに韓国では、「アプリ市場の運営者による独占的な決済システムの強要を禁止する」との法案が可決されており、Googleは2021年11月に、韓国におけるGoogle Playの決済システムおよびアプリ内の決済システムについて、「サードパーティの決済手段」を認めることを発表しました。また、Appleも2022年1月に、韓国のApp Storeにおいてサードパーティーの決済システムを許可することを発表しています。

Googleが韓国でサードパーティの決済システムを有効化 - GIGAZINE


そして2022年3月23日、Googleは韓国以外の国々でもアプリにおけるサードパーティーの決済システムを利用可能にする方針を示し、少数の開発者と協力したパイロットプログラムの立ち上げを発表しました。Androidの製品管理担当バイスプレジデントを務めるSameer Samat氏は、「このパイロット版では、少数の参加開発者がGoogle Playの支払いシステムの横に追加の支払いオプションを提供できるようになり、(Androidの)エコシステムへの投資能力を維持しながら、選択肢をユーザーに提供する方法を模索できるように設計されています」と述べています。

Googleはパイロットプログラムにおいて協力する最初のパートナーとして、音楽サブスクリプションサービスのSpotifyを選んだことを明らかにしています。Spotifyは以前からアプリストアの高額な手数料に不満を示してきた企業の1つであり、2019年にはEUの規制当局に対してAppleが独占禁止法に違反していると訴えを起こしたこともあります。この点を指摘した海外メディアのThe Vergeは、「Spotifyがこの新しいイニシアチブでGoogleと最初の既知のパートナーとなることに驚きはありません」と述べました。

Spotifyは今後数ヶ月にわたってGoogleの製品およびエンジニアリングチームと協力して、Google PlayからSpotifyをダウンロードしたユーザーに対し、Google Playの決済システムかSpotifyの決済システムを選択できるオプションを表示するエクスペリエンスを構築するとのこと。Spotifyはテクノロジー系メディアのTechCrunchに対し、サードパーティーの決済システムに関する最初のパイロットは2022年後半に開始されることが期待されており、Spotifyのプレミアムサブスクリプションが利用可能なすべての市場で提供する予定だと伝えたそうです。

Spotifyのフリーミアムビジネス責任者を務めるAlex Norström氏は、「Spotifyはアプリ開発者が自由にイノベーションを起こし、公平な場で競争できるように、長年にわたり取り組んできました。Googleと提携し、開発者・ユーザー・インターネットのエコシステム全体にとっての決済選択と機会について、今回のようなアプローチを模索できることをうれしく思っています。私たちが共同で行う作業が、他の業界にも利益をもたらす道を切り開くことを期待しています」と述べました。

by Yuri Samoilov

なお、Googleは韓国のユーザーがGoogle以外の決済システムを使用した場合でも、通常より4%引き下げた手数料を徴収することを明らかにしています。

韓国のユーザーに配信しているデベロッパー向けの Google Play の課金の要件に関する変更点 - Play Console ヘルプ
https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/11222040

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AppleとGoogleは「アプリ内の支払いオプションを増やすべき」「アプリの収集情報を隔離すべき」など当局が調査報告で指摘 - GIGAZINE

GoogleやAppleのアプリストアを規制する法律が韓国で可決、独占的な支払いシステムの強要が禁止に - GIGAZINE

Googleが韓国でサードパーティの決済システムを有効化 - GIGAZINE

Appleがサードパーティー決済の売り上げに27%の手数料を課すと発表、開発者からは怒りと落胆の声 - GIGAZINE

ついにAppleがサードパーティーの決済手段の利用をiOSで許可へ、まずは韓国が第1号 - GIGAZINE

GooglePlayのサブスクリプション手数料が全体的に15%に、電子書籍・音楽関連はさらに10%へ値下げ - GIGAZINE

Googleがロシアにおける「YouTubeやPlayストアでの課金」を一時停止、ただし理由は制裁ではない - GIGAZINE

GoogleがEpic Gamesに「契約に違反して独自のアプリ内課金を実装した」と反訴 - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.