ロシア国営メディア「RT」の編集長がウクライナ侵攻を非難して辞任
by Ilya Schurov
ロシア連邦政府が所有するテレビ局「ロシア・トゥデイ(RT)」のマリア・バロノワ編集長がSNSでロシアの行動を非難し、数日後に同職を辞したと伝えられました。
Шеф-редактор русской версии RT Мария Баронова осудила спецоперацию на Украине и уволилась
https://www.znak.com/2022-03-02/shef_redaktor_russkoy_versii_rt_mariya_baronova_osudila_specoperaciyu_na_ukraine_i_uvolilas
Should Russian journalist who quit state TV after condemning Ukraine invasion fear for her life? | Fox News
https://www.foxnews.com/media/russian-journalist-state-media-ukraine
2022年2月26日、バロノワ氏はメッセージングサービスのTelegramに個人名義でロシアの行動を非難する声明を投稿しました。バロノワ氏は「ドネツクを爆破した人々と同様、キエフとハリコフを爆撃している人々は非ロシア人です。一部のロシア人は今やドイツ人です。私はロシア人であることを誇りに思っています。国の裏切り者ではなく、私たちが発言する権利を持った時代が来たのです」と投稿。
「私がロシアと一緒にいることを選んだとしても、これは私が全体主義体制を選ぶ、沈黙する、あるいは例えば、私の国に望まれない政権がどこかに進出していることを喜ぶものだという意味ではありません。この政権は私たちの生活を果てしない地獄に変えるでしょう」
「NATOの協力者やNATOのプロパガンダ、ロシア自由民主党やルッソフォビア(ロシア恐怖症)について書きましたが、それはすべて正しいことでした。私たちはキエフ政権が8年間行ってきたこと(ウラジーミル・プーチン大統領が主張するウクライナ政権による市民の虐待・虐殺)にずっと反対してきましたが、非ロシア人は私たちのことを『沈黙していた』とうそをついています。しかし、そのようなうそはうまくいきません。この悪夢の中ですべてのロシア人を中傷することはできません。国賊でない私たちが、国の中で作り上げられたこの恐怖から抜け出さなければいけません」とバロノワ氏は主張しました。
この投稿後、バロノワ氏はRTを辞任したとロシアメディアのZnakに語りました。バロノワ氏はZnakに対し「ウクライナでの作戦を支援する人々と話すことは何もない」と伝え、辞任について公に声明を出すつもりはないと話しているとのこと。
なお、バロノワ氏は以前ロシア政府が「望ましくない組織」として法律で禁じた組織の1つである「Открытая Россия(オープン・ロシア)」の元メンバーでした。一部ではバロノワ氏の身の安全が心配されていますが、ロシア生まれのアメリカ国家安全保障の専門家、レベッカ・コフラー氏は「プーチン大統領に忠実な親ロシアグループは命令無しに政敵を攻撃できるが、そのしきい値は高く、今回バロノワ氏が標的にされることはないだろう」と述べました。また、バロノワ氏は3月2日、Telegramに「12時間ごとに投稿します。しばらくの間投稿がない場合、何かが起きています」と投稿しました。
RTは各国の政府や民間企業からアクセスブロックなどの規制を受けています。海外メディアのCNNが伝えたところによると、RTのアメリカ支局はすべての制作活動を中止し、ほとんどのスタッフを恒久的に解雇する予定だとのことです。
RT America ceases productions and lays off most of its staff - CNN
https://edition.cnn.com/2022/03/03/media/rt-america-layoffs/index.html
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