YouTubeがロシア系ニュースメディア2社の排除を発表、IT各社も続々と排除
YouTubeを運営するGoogleが2022年3月1日に、ロシア政府が所有する実質国営メディアのRTと政府系通信社のスプートニクのYouTubeチャンネルをブロックすることを発表しました。
YouTube blocks RT and Sputnik as Russia tells media not to say “invasion” | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/03/youtube-blocks-rt-and-sputnik-as-russia-tells-media-not-to-say-invasion/
Google Europeの公式Twitterアカウントは3月1日のツイートで、「ウクライナ戦争が続くことを受けて、ヨーロッパ全域でRTとスプートニクのYouTubeチャンネルを直ちにブロックします。ただし、システムの完全な立ち上げには時間がかかります。私たちのチームは24時間体制で状況を監視し、迅速な対応に努めています」と述べて、ロシア系メディア2社をYouTubeから排除する方針を明かしました。
Due to the ongoing war in Ukraine, we’re blocking YouTube channels connected to RT and Sputnik across Europe, effective immediately. It’ll take time for our systems to fully ramp up. Our teams continue to monitor the situation around the clock to take swift action.
— Google Europe (@googleeurope) March 1, 2022
RTは、たびたびロシア政府のプロパガンダに加担しフェイクニュースを拡散していると批判されており、2014年にはウクライナ紛争に関する報道姿勢への抗議としてニュースキャスターが放送中に辞職したこともあります。また、スプートニクは2016年のアメリカ大統領選挙で、世論に介入しようとしたとしてTwitterから広告をブロックされました。
IT系ニュースサイトのArs Technicaによると、今回のGoogleの対応は欧州連合が2月27日の声明の中で「私たちはロシア・トゥデイ(RTの旧称)とスプートニクの欧州連合内でのニュース発信を禁止することにより、欧州におけるロシアの情報操作をなくすための重要な一歩を踏み出しました」と発表したことを受けてのものだということです。
今回決定されたブロックが、具体的にどのように実施されるかは不明です。Google Europeがツイートで「時間がかかる」とした通り、記事作成時点ではRTのYouTubeチャンネルとスプートニクのYouTubeチャンネルはいずれも視聴可能になっています。
RTとスプートニクの排除に向けて動き出したのは、YouTubeだけではありません。2月28日には、MetaがFacebookとInstagramでRTとスプートニクをヨーロッパ向けのサービスから排除したほか、TikTokも2社のコンテンツをブロックしています。
ロシアの外務省は国内メディアを通じて、「西側の大手IT企業が戦争を扇動したことに対して責任を問う制度を設けるべきだ」との声明を発表しました。
・関連記事
ロシアの国営メディアがYouTube広告の使用を禁じられてウクライナ国内からの視聴も規制される - GIGAZINE
TwitterとFacebookが「ウクライナ不利」と主張するフェイクニュースを発信するロシアのアカウントを削除 - GIGAZINE
ロシアのウクライナ侵攻を受けFacebookがロシア政府関連メディアの収益化を停止 - GIGAZINE
Twitterがロシアのウクライナ侵攻の写真や動画を伝えるアカウントを次々と停止 - GIGAZINE
Netflixがロシアの国営放送チャンネル配信を拒否、ウクライナ侵攻が理由 - GIGAZINE
ドメイン登録大手の「Namecheap」がロシアでのサービスをいきなり終了、顧客に「ロシア政府の戦争犯罪のせい」と直球のメール - GIGAZINE
・関連コンテンツ