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ドメイン登録大手の「Namecheap」がロシアでのサービスをいきなり終了、顧客に「ロシア政府の戦争犯罪のせい」と直球のメール


2022年2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始したことを受けて、FacebookYouTubeがロシア政府関連メディアの収益化を停止したり、Twitterらがフェイクニュースを発信するロシアのアカウントを削除したり、Netflixがロシアの国営放送チャンネル配信を拒否したりと、IT各社はさまざまな対応を取っています。これらの取り組みに加えて、大手ドメインレジストラのNamecheapがロシアでのサービスを中止したことを、ロシア人ユーザーに向けて告知していたことが分かりました。

Namecheap terminates services for Russians, asks them to move domains
https://www.bleepingcomputer.com/news/technology/namecheap-terminates-services-for-russians-asks-them-to-move-domains/

Namecheapが2022年2月28日に、ロシア人の顧客に対しサービスを中止すると案内するメールを送りました。TwitterユーザーがアップロードしたNamecheapの通知のスクリーンショットには、「残念ながら、ウクライナにおけるロシア政権の戦争犯罪と人権侵害のため、ロシアで登録されているユーザーへのサービス提供は終了させていただきます」と書かれています。


Namecheapは続けて、「今回の戦争がこの問題に対するあなた方自身の見解や意見に影響を与えることはないと推察しますが、あなた方の権威主義的な政府が人権侵害を行い、戦争犯罪に関与しているのは事実ですので、私たちは今回の政治的な決定をするに至りました」と続けて、ロシア政府への非難と抗議が今回のサービス中止の理由だと説明しています。


Namecheapはまた、ロシアのユーザーに対して3月6日までにトップレベルドメインを他のプロバイダーに移管するよう求めるとともに、対象のドメインは期日の到来とともに即時エラーを表示するようになると案内しました。ただし、エラーになった後もプロバイダーの乗り換えを希望するユーザーへの個別対応は行うとのこと。

この通知を話題にしたソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのスレッドには、記事作成時点で1024件ものコメントが投稿されており、その中にはNamecheapを支持するコメントや、Namecheapには多くのウクライナ人社員がいることを念頭に「よくやってくれました。社員のために立ち上がってくれてありがとうございます」と称賛するコメントがありました。

その一方で、「呆れたと言わざるを得ません。何百、何千もの契約を破棄してまで、キャンセルカルチャーを美徳化するつもりでしょうか?これはプロとしてあるまじき行為です」といったコメントや、「Namecheapに対して集団訴訟を起こすべきだと思います。私たちはいかなる契約にも違反していないし、私たちの誰もアメリカの制裁対象者リストに載っていません。しかし、この会社は彼らが望めば契約を破棄できると考えています。インターネットは自由の領域であり、人を選別するものではありません」といったコメントなど、Namecheapを非難するコメントも散見されます。


このスレッドにはNamecheapのリチャード・カーケンドルCEOが自ら書き込みを行っており、同氏はスレッドに寄せられている反対意見に対して「ドメインをブロックしているのではなく、乗り換えをお願いしているのです。インフラサービスなら他にいくらでも選択肢がありますので、これはデプラットフォーミングには当たりません。プーチン政権の支持者ではない人々には同情しますが、彼らが納める税金は結局政権に流れてしまいます。その一方で、ウクライナでは今まさに爆撃を受けている人がいます。どんな形であれ、ロシアの政権を助け続けることは耐えがたい良心の呵責(かしゃく)を感じます。今回の決定に対して怒っている人は、その原因を自分たちの政府に求める必要があります」と反論しました。

カーケンドルCEOはTwitterでも、戦争を憂慮し断固として反対するとの立場を表明するツイートを投稿しています。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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