ロシア政府がFacebook運営元のMetaを「過激派グループ」として認定してInstagramを規制へ

ロシア当局が新たにFacebookの運営元であるMetaを過激派グループと認定し、Instagramへのアクセスを規制すると発表しました。ロシア当局はすでにFacebookへのアクセスを規制している状況でしたが、Facebookがロシアからの侵略に暴力で対抗する呼びかけなどを一時的に許可したことを受け、対抗措置を講じた形です。

Роскомнадзор - Об ограничении доступа к социальной сети Instagram
https://rkn.gov.ru/news/rsoc/news74180.htm

Роскомнадзор - Роскомнадзор требует от Meta прокомментировать информацию об изменениях правил модерации
https://rkn.gov.ru/news/rsoc/news74168.htm

Russia will restrict Instagram access, may label Meta an extremist group : NPR
https://www.npr.org/2022/03/11/1086005218/russia-instagram-meta-extremist-group

Russia threatens Instagram ban in response to Meta allowing violent threats against soldiers - The Verge
https://www.theverge.com/2022/3/11/22972460/russia-threatens-instagram-ban-meta-violent-threats-russian-soldiers

2022年3月11日、ロシアの連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁(Roskomnadzor)が「ロシア人に対する暴力行為を奨励・誘発する投稿が流布されているため、Instagramに対するアクセス制限を行う」と発表しました。この発表によると、写真や動画をInstagramから他のSNSに移行する手間を考慮に入れ、アクセス制限は3月14日0時に実施する予定とのことでした。

Roskomnadzorは、今回の決定は「MetaがFacebook・Instagram上でロシア市民に対する暴力を呼びかける投稿を許可したため」としています。Metaはロシア政府がFacebookに対して課したアクセス制限に対抗して、2022年3月10日にプラットフォーム上の「ロシアに対する暴力的な言論」を一時的に許可していましたが、このMetaの対抗措置がRoskomnadzorのさらなる報復措置につながった形です。

Facebookがプーチンやルカシェンコの殺害・ロシアからの侵略に暴力で対抗する呼びかけなどを一時的に許可するようにポリシー変更 - GIGAZINE

by Anthony Quintano

なお、このロシアに対する暴力的な言論の一時的な許可措置については、発表時点ではウクライナやポーランドなど12カ国で実施されると発表されていましたが、3月11日には対象地域を「ウクライナのみに限る」に改定されています。

今回の発表の中で、RoskomnadzorはMetaの措置を「前例のない決定」と非難し、別の発表の中で、Metaの管理部門に対してネット上で流布されている「ロシア軍やロシア国民に対するコンテンツモデレーションルールの改定」について報告を行うように通達。さらにロシア国営放送局によると、Metaを「過激派組織」に認定しようとしています。

一連の報道に対して、Metaの広報担当者はロシアに対する暴力的な言論を一時的に許可したというのは事実だと回答。ただし、暴力的な言論に関する許可はロシアの軍事侵攻のみに限るもので、ロシアの民間人に対する暴力を呼びかけるような投稿は引き続き削除していると答えました。

今回のロシア側の措置について、Instagramの責任者を務めるアダム・モセリ氏は「ロシアのユーザー8000万人がほかの世界から切り離される」と反論。「これは間違っている」と明言しています。