PS5を購入することは劇的に難しくなってきている
ソニーが公式に「供給不足は2022年になっても続く可能性がある」と語るほど、世界的に品薄状態が続いているPlayStation 5(PS5)。海外メディアのThe Vergeが、購入がかつてないほど困難になっていることを指摘しています。
The needless drama of buying a PS5 - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/23/22434905/ps5-restock-best-buy-walmart-sony-playstation-5
「PS5の購入は簡単ではありません。貪欲さと無能さの組み合わせにより、アメリカでPS5を販売している店舗は、そのプロセスを劇的な事件に変えてしまいました」とThe Vergeが報じています。アメリカでPS5を購入するには、PS5の販売情報をまとめてくれるDiscordsのサーバーに参加したり、Twitterのアカウントをフォローしたりすることを余儀なくされているとのこと。The Vergeは「PS5を購入することは、2021年3月に新型コロナウイルスワクチンを接種するようなもの」と記し、とても難しいミッションであると指摘しています。
The Vergeの記者であるアレックス・クランツ氏は、PS5の発売時に急いで購入しようとはしなかったそうです。その理由はすでにXbox Series Xを持っていたため。しかし、ファイナルファンタジーVIIリメイクのPS5版となる「FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE」が2021年6月に発売されるため、「発売から6カ月以上経過しているにもかかわらずPS5の購入が困難」という状況に怒りを覚えているとのこと。
なお、PS5が品薄状態である理由のひとつは世界的な半導体不足です。ソニーの十時裕樹最高財務責任者(CFO)は、「供給不足は2022年になっても続く可能性がある」との見通しを明らかにしています。
ソニーはPS5の供給不足が2022年になっても続くと予測している - GIGAZINE
PS5の購入が困難なもうひとつの理由は「転売屋」です。2020年12月にはPS5や次世代グラフィックボードの転売で、転売グループが85億円超を売り上げたことが明らかになっています。転売屋によりPS5の購入を阻止するため、オンラインストアは複雑なメカニズムを導入するようになっており、そのうちのひとつがreCAPTCHAです。
オンラインストアでPS5の販売情報が出てきた場合、数分で即完売してしまうため、素早くサイトを訪問し、カートにPS5を入れて決済する必要があります。しかし、reCAPTCHAが邪魔をして決済がうまくいかず、購入を逃してしまうことが多々あるそうです。試行錯誤の末、いくつかの広告ブロッカーがreCAPTCHAの邪魔をして、PS5の購入プロセスを妨害していたことが判明したとクランツ氏は記しており、「PS5を購入するオンラインストアを広告ブロッカーのホワイトリストに登録しておく必要がある」と記しています。他にも、オンラインストアごとにそれぞれ異なる試行錯誤が施されているため、PS5の購入プロセスは無駄に複雑化しているとクランツ氏は指摘しています。
半導体不足はしばらく続くとみられているため、PS5の品薄状態もまだまだ続くものと思われます。そのため、「ほとんど機能しないオンラインストアを持つ企業は、PS5を必要としている熱狂的な消費者を相手にし続ける必要があります」とクランツ氏は記しました。
なお、クランツ氏はソニー公式のオンラインストアからPS5を購入できたとのことで、一足先にPS5の購入競争から抜け出すことに成功しています。
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