自分の体を動かしてゲーム中を走ったりできる完全VRを実現したデバイス「Omni」
ゴーグルのように装着するディスプレイ装置で聴覚・視覚を遮断してバーチャルリアリティを実現するヘッドマウントディスプレイという製品がありますが、体は映像の世界から分離された現実にあるため、完璧に映像の世界を体感しているとは言えません。「Omni」は専用のシューズを履いて土台の上で動けば、ゲームの世界を歩いたり、走ったりすることができ、バーチャルリアリティをほぼ完璧に再現したデバイスです。
Omni: Move Naturally in Your Favorite Game by Virtuix — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/1944625487/omni-move-naturally-in-your-favorite-game/
実際に「Omni」を使用してゲームをプレイしている様子は以下のムービーから確認できます。
Omni: Move Naturally in Your Favorite Game by Virtuix — Kickstarter
Omniを開発しているVirtuixの創設者であるJan GOETGELUKさん。GOETGELUKさんによれば、「近年ゲームにおけるバーチャルリアリティの技術はどんどん発達しているけども、1つだけ足りないものがあります。それはゲームプレイヤーがどうやってバーチャルワールドを動き回るかということである」とのこと。
GOETGELUKさんは、「真のバーチャルリアリティとはヘッドマウントディスプレイを装着して、PCの前でマウスを使いながらゲームをプレイすることではなく、プレイヤーが実際にバーチャルワールドの中を立ったり、歩いたりできることだ」と言います。
バーチャルリアリティを次のレベルに上げたいと語るGOETGELUKさんが開発した製品がOmniです。Omniはプレイヤーとゲームの世界を完全につなげるデバイスで、プレイヤーの動きを実際のゲームの映像に反映する仕組み。
OmniはOculusが開発したゲーム専用ヘッドマウントディスプレイ「Rift」を装着して遊びます。Riftがプレイヤーの頭の動きを追いかけて映像を表示させます。
激しい動きをして転倒してしまわないように、プレイヤーは腰にOmniとつながっているベルトを付けます。
プレイヤーはOmniの中心にあるリングの中に入ってゲームをプレイ。
こちらはプレイヤーの動きを測定する土台。土台には多数の溝がデザインされており、「Omni」を使ってゲームをプレイするには専用のシューズを装着する必要があります。
専用のシューズは底部に摩擦抵抗の少ない素材を使ってOmniの土台の上をスムーズに動けるように作ってあるとのこと。
つま先の裏の部分は滑り過ぎないように底部よりも摩擦抵抗力が高い素材を使っていて、また、すべり止めの突起物も付いています。
プレイヤーはOmniの上に立っても、つま先部分についた突起物が土台の溝にはまって安定感を崩すことなくゲームをプレイすることが可能。
実際のシューズの裏は以下の画像のようになっています。
専用シューズを履いてプレイしている様子は、足を滑らせながら摩擦抵抗の少ない床の上を歩いているという感じ。
Omniは重さが50キログラムあり、土台の直径は122センチメートルとなっています。
腰を支える部分は高さを142~195センチメートルの範囲で調節することができるので、10歳以上の子どもから大人まで遊ぶことが可能。
また上部を取り外すこともできるので、収納はあまりスペースを取らないそうです。
「プレイヤーはOmniを付けてゲームをすれば、ゲームでの本当の自由を楽しむことができるでしょう」とWorldvizのCEOであるAndrew Beall氏は語ります。
Omniはいろんな動きに対応していて、歩いたり……
走ったりできます。
また、ジャンプしたり
腰をかがめるなどの特殊な動きもでき、キーボードで動くゲームなら何にでも対応しているとのこと。
実際にOmniをプレイしたLockergnomeの社長であるChris Pirillo氏によると、今までここまでハイクオリティな没入型のゲームをプレイしたことはなく、ゲームの一部分になったような感じがしたとのこと。
実際にOmniとRiftを使ってゲームをプレイすると、プレイヤーには以下のように見えます。
こちらは「Fallout: New Vegas」を実際にプレイしているところ。
コール オブ デューティ ブラックオプス2をプレイしてみるとこんな感じに。
OmniとRiftを使って実際にゲームをプレイしてみると、プレイヤー側からどのように見えるのかは以下のムービーから確認可能です。
Virtuix Omni - Skyrim (Riften) - YouTube
また、Linus MediaのLinus Sebastian氏は「Omniはただのゲーム専用のデバイスではなく、運動も同時にできるハードである」と言います。
実際に歩いたりしてゲームをプレイするOmniは、Riftの映像にゲーム中に歩いた距離と消費したカロリーを表示させることができるので、プレイヤーはゲームをしながらどれくらい運動をしたのか知ることができます。ですので、ゲームをしなくても、ゲームの中を散歩するといった楽しみ方もできるというわけです。
2013年の6月にロサンゼルスで開催されたE3 2013では、Omniを実際に体験できるコーナーがあったようです。
E3 2013で実際にユーザーがOmniを体験プレイしている様子は以下のムービーから見ることができます。
Virtuix Omni - E3 Virtual Reality Suite - YouTube
Innovation R&Dのプログラム・ディレクターであるBrian Landwehr氏は、「プレイ中は動き回っているけども、運動をしている感覚はあまりしませんでした。でも実際にはかなり運動してましたよね。このような自然にゲームをプレイするという感覚は、すべてのゲーマーが楽しめる要素であると思います」とOmniを使った感想を述べています。
KickstarterでOmniに出資したAshley Ruhlさんによると、「実際に動き回りながら、敵を撃つ感覚はとても素晴らしかった」とのこと。
実際にプレイした感想を聞くと、「背後から銃声がして、後ろを実際に振り向くと敵が撃ってきたりして、本当に信じられないくらいリアルに感じました」と興奮冷めやらぬ様子で語るのはOmniの出資者であるRama Darbhaさん。
OmniはKickstarterで出資を募っていますが、記事執筆時点では目標額の15万ドル(約1590万円)をはるかに超える94万ドル(約9350万円)を集めており、ユーザーの期待度の高さがうかがえます。429ドルの出資で土台・靴1足・ベルト・トラッキングハードウェア・ソフトウェアがセットになったOmniフルセットをゲットでき、日本への発送は別途30ドル(約3000円)必要。なお、締め切りは日本時間の7月23日午前11時となっています。
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