取材

水と緑の地球を忘れさせる砂の世界は別の惑星、ナミブ砂漠はナミビア観光のハイライト


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。ナミビア観光のハイライトがなるのが、巨大な砂丘が連なるナミブ砂漠。観光の拠点となるSesriem(セスリウム)へのアクセスは、ツアーに参加するかレンタカーを手配するのが一般的です。Sesriemは幹線道路から離れた内陸に位置して、公共交通機関でのアクセスがありません。ただ、自転車でも走っていけますよ。そうして辿り着いたナミブ砂漠の砂の世界は別の惑星のようでした。

ナミブ砂漠の観光拠点となるSesriem(セスリウム)はこちら。

大きな地図で見る

ナミビアの首都Windhoek(ウイントフック)から、どうしても海が見たくてSwakopmund(スワコプムント)を目指しました。思い返せば去年7月の西アフリカのベナン以来、しばらく海を見ていません。1ヶ月くらい我慢すれば南アフリカの喜望峰に海はあるのですが、4日の距離にあるSwakopmundの海が呼んでいました。吹き抜ける潮風、遠くに見える水平線、寄せては返す波の音、久し振りに感じた海には癒されました。そこには少しの間しかいないのすが、海を見ていると落ち着きます。

標高1800mのWindhoekから標高0mのSwakopmundへ降りて行きます。


そうして海へとやって来ました。こちらの海は大西洋、海の向こうにはアメリカ大陸があります。


ヨーロッパのように綺麗なSwakopmundのストリート。


滞在中は遠くに見える砂丘の世界に、ワクワクさせられっぱなしでした。


Swakopmundから30km北にあるWalvis Bay(ウォルビスベイ)まで砂丘が連なる海岸沿いの道を走りました。頭の中は鳥取砂丘でいっぱい。砂丘に登ったりもして、一人はしゃいでいました。

Walvis Bayに向けて走り出すと「Sand(砂)」に注意の看板。


海と砂丘。


一つの砂丘に登ってみました。まるでそびえ立つ壁のよう。


ズボズボと靴を沈めながら上った足跡。


海岸と並行しているのがメインロード。中央に砂丘までの脇道。そこにある黒い点が自転車です。


砂丘のてっぺんから辺りを見渡して。


どこまでも広がる砂の海に吸い込まれそう。


巨大な砂丘も一つ一つは砂の粒によってできています。


ケープタウンから旅行している勢いのよいおばちゃんに捕まりました。「あなた両手に、こんなに素敵な華を抱えちゃって」と笑いながら話すおばちゃん。勘弁してくださいよ。


道路わきにあるレストランのすぐそばも砂丘。


地平線の向こうまで砂だらけ。


Walvis Bayではキャッキャッしている女子中学生の集団を捕まえました。女の子です。


Walvis Bayから内陸へと走ってナミブ砂漠の観光の拠点となるSesriemを目指します。Swakopmundから5日をかけて約360kmを走りました。人の住んでいない何もない場所で、Walvis Bayの郊外からは全部未舗装路です。ただキャンピング道具を満載したツーリストの車はけっこう走っていました。自転車旅行者は面白いのか、たくさん写真を撮られます。「撮っていいか?」と頼まれたら断りません。ヒーローのようにちやほやされるので少し照れました。

この先は未舗装の標識。Walvis Bayの郊外を抜けると未舗装路が始まりました。


路面の状態がよければ舗装路のみのスピードが出せます。


乾いた草原地帯。


数日分の食料を運びます。補給ができないのは大変ですが、それはそれで楽しいんですよね。


夜中のテントにキツネがやって来ました。キツネの嫁入り!?


荒野にテントを張ってみました。


ヘンテコな岩山を通り過ぎて。


一日が終わる夕焼け。陽が沈むほう方は赤く染まり……


陽と反対側は紫に染まって、だんだんと暗くなっていきます。


大草原の小さなテント。


山岳地帯に突入すると、深砂と急勾配でペダルを漕げないことも。そういう時は降りて押さないといけません。


峠を攻略。


ここは山岳地帯、でもここを過ぎると同じ標高でも平坦になるのですよね。不思議です。


アップダウンの多い区間はなかなか進みませんでした。右側の道路が進行方向!


平坦な高原になった場所に渓谷、底に河が流れています。元々は平らだった場所を水が削っていった長い年月、スケールの大きな地球の歩みを感じました。


Toropic of Capricorn(南回帰線)を越えました。赤道から随分と南下しています。


Sesriemは人が生活しているような普通の町ではなくて観光客のための宿泊施設がある場所でした。このSesriemが世界で最も古い砂漠といわれているナミブ砂漠を観光する拠点となります。自分もここにテントを張りました。ここからナミブ砂漠の奥にあるSossusvlei(ソッサスブレイ)まで60kmの舗装路が続くのですが、最後の5kmは未舗装のうえ砂が深いので4WDでないと走れません。

朝早くに出発してナミブ砂漠の奥へ、自転車を走らせます。


Sossusvlei(ソッサスブレイ)まであと5km、ここからは4WDでないと進めません。駐車場から有料のシャトルバスがありました。


道は深い砂だまりです。


そして辿り着いたSossusvlei(ソッサスブレイ)は砂の世界でした。


砂に埋もれてしまった大地。


砂漠に咲いている黄色い花。


死んだ池という意味のDead Vlei(デッドフレイ)いう低地まで歩きました。


ここにある木々は立ったまま枯れています。


この経ち枯れた木々は乾燥しているから腐敗することもなく900年もこうしているそうです。


たくさんの足跡が砂丘に続いていたので上ってみることにしました。


上るに連れて全景がみえてくるDead Vlei。


立ち枯れした木々が点になるくらいまで上りました。


稜線はまるで万里の長城のようです。


Dead Vleiの反対側には水を蓄えた大きな池がありました。


稜線をたどって向こうの砂丘のてっぺんまで登りたかったのですが、どうしても足がすくんでしまって……。


フカフカの砂で足を踏み外しても大丈夫な気がするのですが、それでも滑ってしまいそうで怖いんですよね。


このときの動画がこちら

どこまでも広がるナミビアの砂漠 - YouTube


稜線の奥に広がる砂の海。


まるで違う惑星に放り投げられたような景色。水と緑の地球をここでは感じません。


風が砂を集めて巨大な砂丘となったり、風が砂を払って地表が現れたり。一つ一つは小さな砂粒がこんなにも大きな景色を作っています。


砂丘の中にある水のある池に降りました。小鳥のさえずりも聞こえます。


誰かの足跡がありました。こういうのが砂に埋まったのが化石になるのかなと思ったり。


緑と大きな砂丘。砂しかない場所でも生きていける木があるんですね。


SesriemとSossusvleiは片道60kmで往復は約120km。頑張ってナミブ砂漠を走りました!


ナミビアの観光も終えて南アフリカへ進みます。喜望峰はすぐそこです。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   動画, Posted by logc_nt

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