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Twitterの親会社であるXが「Twitterでデータスクレイピングを行い損害を与えた」として4人を提訴、1億3000万円超の損害賠償を求める


Twitterの親会社であるXが2023年7月6日、「Twitterのユーザーデータをスクレイピングして損害を与えた」として匿名の個人4人を訴えました。Xはテキサス州ダラス郡の連邦地方裁判所に提出された訴状で、「テキサス州の住民に関連するデータを違法にスクレイピングした」と主張し、被告に対して100万ドル(約1億3700万円)以上の損害賠償を求めています。

X CORP v. JOHN DOE 1, et al :: District Court of Dallas County, Texas :: Federal Court Proceeding No. DC-23-09157
https://www.plainsite.org/dockets/50n1oahec/district-court-of-dallas-county-texas/x-corp-v-john-doe-1-et-al/


Twitter company files lawsuit against data scrapers in Dallas | wfaa.com
https://www.wfaa.com/article/news/local/elon-musks-x-corp-files-lawsuit-against-four-unknown-dallas-residents-data-scraping-twitter/287-d30d1cb0-3dbf-43e6-aae7-d9b437475183

Elon Musk-owned Twitter files data-scraping lawsuit against unknowns
https://www.cnbc.com/2023/07/13/elon-musk-owned-twitter-files-data-scraping-lawsuit-against-unknowns.html

Musk’s X Corp. sues data scrapers for “severely taxing” Twitter’s servers | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/07/musk-sues-data-scrapers-blames-them-for-twitters-impaired-user-experience/

Xが訴えたのは、訴状の中で「John Doe(匿名の個人を指す名称)1~4」と表記された匿名の人物4人です。この4人はIPアドレスでのみ識別されており、Twitterの利用規約に違反してユーザーデータを違法にスクレイピングしたとされています。

データスクレイピングとは、自動化されたプログラムによって公的にアクセス可能なウェブサイトからデータを収集する行為です。収集したデータは大規模言語モデルのトレーニングやオンライン広告のターゲティングなど、さまざまな用途のために使用できます。


Xは「スクレイピングは数百万ものリクエストによってサーバーの処理能力を低下させ、実際のユーザーの利用体験を損なうことで、Twitterのウェブサイトやモバイルアプリの正当な運営を妨害します」「Twitterユーザーはデータスクレイピングを行う企業がどのように個人情報を再パッケージ化し、販売するのかをコントロールできません」「データスクレイピング企業はXのような企業の技術革新から利益を得る一方、Xに損害を与えてユーザーデータを危険にさらしています。違法にデータをスクレイピングすることで、被告はXの利用規約だけでなくTwitterユーザーのプライバシー設定も明白に無視しています」と主張しています。

XはTwitterにおける不正なデータスクレイピングを防ぐための措置を講じており、その中の1つが2023年7月初頭に発生したツイートの閲覧制限だとのこと。

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マスク氏は訴訟について報じたツイートへのリプライで、「いくつかの組織が、短期間にこれまでに行われたすべてのツイートを収集しようとしました。そのため、レート制限を設ける必要がありました」と述べています。


事前の予告なしに設けられたツイート閲覧制限はTwitterに大混乱を引き起こし、多くのTwitterユーザーが移住先のSNSを探し始めました。これを受けて、MetaはInstagramをベースにしたTwitterライクのSNS・Threadsのリリースを早め、わずか1日で新規登録者数が3000万人を突破したことが報じられています

最近発生した被告のものを含むIPからのリクエストは特にサーバーへ深刻な負担をかけ、数百万人ものユーザーがエクスペリエンスを損なう結果となり、Xに損害を与えたとのこと。Xはこうしたデータスクレイピングによって得られた利益は不当なものであると主張し、被告に対して100万ドル超の損害賠償を求めました。

今回の訴状はダラス郡の連邦地方裁判所に提出されましたが、これは被告がダラス郡のデータ処理業者と契約していたためだそうです。Xはさらに多くのIPアドレスをデータスクレイパーとして特定しているため、他の地域で活動するデータスクレイパーに対しても同様の訴状が提出される可能性があるとのこと。

なお、ビジネス特化型SNSのLinkedInが公開データのスクレイピングを行った企業支援スタートアップ・hiQ Labsを訴えた裁判では、2022年に「公的なデータのスクレイピングは法的に問題ない」という判決が下されています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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