「14万円のSamsung製スマホが3カ月で壊れて修理も拒否」との体験談
Samsungが2021年にリリースした折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3 5G」を購入したユーザーが、端末をSamsung公式ケースに入れて使っていたのにたった3カ月で破損したあげく保証での修理を拒否された苦い経験から、「もう2度とSamsung製デバイスを買わない」とつづっています。
Why I will never buy another Samsung device | by Juhani Lehtimäki | Feb, 2022 | Medium
https://lehtimaeki.medium.com/why-i-will-never-by-another-samsung-device-2237a40002a6
今回、Samsung製の折りたたみスマートフォンを購入して後悔したとの体験談をブログに掲載したのは、ドイツのモバイルアプリ開発企業・Snapp Mobileで最高技術責任者を務めるJuhani Lehtimäki氏です。最初に折りたたみスマートフォンが登場してから時間がたったことで技術が十分に成熟しただろうと判断したLehtimäki氏は、人気YouTuberがレビューしたムービーを見てGoogleのPixel 4からSamsungのGalaxy Z Flip3に乗り換えることを決めました。
以下のムービーを再生すると、Lehtimäki氏がGalaxy Z Flip3の購入の決め手にしたレビュー動画を見ることができます。
Samsung Z Flip 3 Review: The First Big Step! - YouTube
乗り換えてからしばらくは全てが順調だったので、Lehtimäki氏は「Galaxy Z Flip3は間違いなく自分の歴代スマートフォンのラインナップの中で一定の地位を占めることになるだろう」と思っていたとのこと。しかし、購入してから3カ月が経過したある日、Lehtimäki氏がスマートフォンをポケットから取り出すと、端末の画面が折りたたみ部分から黒変しており、上半分がタッチに反応しなくなっていました。
以下が、折りたたみ部分が黒くなってしまったLehtimäki氏のスマートフォンの写真です。画面中央の折りたたみ部分にできた黒い部分は、Lehtimäki氏が出先から帰宅する間にどんどん大きくなっていきました。
Lehtimäki氏は当初、この故障をそれほど心配しておらず、「折りたたみ式の画面は新しい技術だから仕方ない」とゆったりと構えていました。というのも、Lehtimäki氏はGalaxy Z Flip3をSamsungの公式ケースに入れて使っていた上に、端末を落としたわけでも極端な使い方をしたわけでもなく、しかもまだ保証期間中だったからです。
しかし、Lehtimäki氏がGalaxy Z Flip3を修理に出したところ、Samsungから「残念ながら、お客様のSM-F711BZGEEUB(Galaxy Z Flip3)は保証で修理することができません。お客様の端末を技術的に検査したところ、画面だけでなくフレームも破損していたことから、弊社の技術者は落下、曲げ、過度な圧力などの機械的な衝撃による破損だと判断しました」との返事が返ってきてしまいました。
Samsungが修理を拒否する根拠とした画面の損傷が以下。確かに、赤枠で囲われた部分に白い傷が見えます。
しかし、上の写真は大きく拡大した画像。実際は以下の写真の端末中央に映っているかすかな筋に過ぎません。Lehtimäki氏によると、これはポケットの中に入っていた砂粒でついた小さな傷で、この傷がついてから故障までの1カ月間で機能的な問題はなかったそうです。
そして以下が、Galaxy Z Flip3の背面にできた傷をSamsungの写真(左)と、Lehtimäki氏の写真(右)で比較したものです。Samsungはこれをフレームの破損だと主張していますが、Lehtimäki氏は塗装がはげているだけだと指摘しています。
上記の2点を理由に、SamsungはLehtimäki氏に「有償での修理しかできない」と案内しました。これについて同氏は、「Samsungの対応はでたらめです。私は端末を落としていないし、不合理だと非難されるような使い方もしていません。このスマートフォンは買ってからたって3カ月しかたっておらず、そのうち最後の2カ月間はSamsung公式のケースの中に入っていました。それにもかかわらず、Samsungは3カ月しか使っていない1099ユーロ(約14万円)のスマートフォンの修理に304ユーロ(約4万円)も要求してきたのです」と訴えました。
結局、有償修理を断ったLehtimäki氏は、使えなくなったGalaxy Z Flip3をSamsungからの回答文書と一緒に木箱に入れて机の上に飾ることにしました。Lehtimäki氏によると、これは「もう2度とあの会社にはびた一文も払わないという決意を、永遠に忘れないようにするためのものです」とのこと。
2度とSamsung製デバイスを購入しないと誓ったLehtimäki氏は、自分の心境について「折りたたみスマートフォンが素晴らしいアイデアだという考えは変わっていません。しかし、新しい技術というのは成熟に時間がかかるもので、往々にして壊れたり改善や修繕が必要だったりします。それはそれでいいのです。私が憤慨しているのは、スマートフォンが壊れたことではなく修理が拒否されたことに対してです。私は、このSamsungの姿勢を問題視しています。なぜなら、この対応は新技術のリスクを客に押しつけているに等しいからです。もしこれがGalaxy S22だったら、腹は立ちますがこれほどがっかりはしませんでした」と吐露しました。
Lehtimäki氏の投稿を取り上げたソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのスレッドには、記事作成時点で611件ものコメントが寄せられています。その中には、「Appleなら簡単な質問に答えるだけで端末を修理してくれると確信していますし、Googleでも多少は手間がかかるかもしれませんが、最終的には新しい端末を送るか修理するかしてくれるでしょう。その点で、Samsungは大きく後れを取っています」とSamsungを他のスマートフォンメーカーと比べるコメントや、「私はもっと深刻な理由でSamsungの全ての製品を避けています。それは、Facebookと大差ないレベルでユーザーをスパイすることです。例えば、Samsungのテレビはユーザーが見ているもののスクリーンショットを撮ります」と、プライバシー上の懸念でSamsung製品を避けているというコメントなどがありました。
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