2020年02月18日 10時55分モバイル

Galaxy Z FlipやMotorola razrなど「縦折り型の折りたたみスマホ」は画面強度に難ありという報告

2020年2月にSamsungが発表したGalaxy Z Flipや、Motorolaから2019年12月に発売された「razr」など、縦折り型の折りたたみ可能(フォルダブル)スマートフォンが登場しています。しかし、どちらのモデルもレビューで「ディスプレイに問題あり」ということが報じられています。

Galaxy Z Flip durability test calls Samsung’s Ultra Thin ‘Glass’ into question - The Verge
https://www.theverge.com/2020/2/16/21139897/samsung-galaxy-z-flip-ultra-thin-glass-durability-scratch-test-jerryrigeverything

Our Motorola Razr's display is already breaking and peeling at the fold
https://www.inputmag.com/tech/our-motorola-razrs-plastic-display-is-already-breaking-peeling-at-the-fold

フォルダブルスマートフォンのディスプレイが問題視されるのは、2019年10月にSamsungが発売した「Galaxy Fold」でも同様でした、折り目部分がシームレスにつながっていて、まるで本のように折りたたみが可能なGalaxy Foldは、発表当初のモデルはディスプレイとヒンジの完成度が低く、メディア向けに配布されたレビュー用モデルで破損が相次いで報告されました。その結果、SamsungはGalaxy Foldの発売を延期し、再設計を行っています。

Samsung初の折りたたみスマホ「Galaxy Fold」をゲットしたその日にディスプレイが破損したという報告 - GIGAZINE

従来のフォルダブルスマートフォンはディスプレイの表面がプラスチック製だったため、爪で簡単に傷が付きやすいという欠点がありました。しかし、Samsungは「縦折り型のフォルダブルスマートフォンのGalaxy Z Flipでは、タッチディスプレイの表面にはガラスが採用されている」とアピールしたため、ディスプレイの耐性には期待が寄せられていました。

そこで、ガジェットをメインに取り扱うYouTubeチャンネルJerryRigEverythingが実際にGalaxy Z Flipのディスプレイでひっかき傷を付けたり逆に折ったりする耐久テストを行っています。

Samsung Galaxy Z Flip Durability Test – Fake Folding Glass?! - YouTube

通常のスマートフォンだと「モース硬度6で傷がつき、モース硬度7で画面が深くえぐられる」ところが、Galaxy Z Flipだとモース硬度2で傷がつきはじめ、モース硬度3でより深い傷がついたとのこと。これはつまり、Galaxy Z Flipのディスプレイは通常のスマートフォンよりも耐性が低く、Galaxy FoldやMotorola Razrのプラスチック製ディスプレイと大差がないことを意味します。

JerryRigEverythingは、Galaxy Z Flipのディスプレイは完全なガラスではなく、細かいガラスの粒子を混合したハイブリッドプラスチックポリマー製だと推測しています。IT系メディアのThe Vergeは「ガラス製の折りたたみディスプレイは1380ドル(約15万円)のGlaxy Z Flipの大きなセールスポイントだと思っていたのに、誇張されたマーケティングのように思えてきます」とコメント。

SamsungはThe Vergeに対して「Galaxy Z Flipの購入者は1度だけ、119ドル(約1万3000円)でディスプレイを交換できます。また、Galaxy Z Flip専用のスクリーンプロテクターを1度だけ無料でゲットできます」と語りました。

また、IT系メディアのInputの編集者であるレイモンド・ウォン氏は、Motorola Razrを購入し、1週間使ってみた結果、OLED(有機EL)パネルからプラスチック膜が浮いてしまっていることに気づきました。ディスプレイの剥がれはちょうどヒンジ部分から始まっていて、表面だけではなくタッチスクリーン自体も破損してしまい、タッチやタップ操作に応答しなくなるとのこと。