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「スマホで撮影した写真のブラインドテスト」でiPhone 13 ProがPixel 5aに敗北


ガジェット系YouTuberのマルケス・ブラウンリー氏が、「2021年に発売されたスマートフォンで撮影した写真をブラインドテストして、最も評価が高いスマートフォンカメラを決める」という企画を実施しました。2021年発売端末というとiPhone 13シリーズPixel 6Galaxy S21 Ultraなどがありますが、Pixelシリーズの最新機種であるPixel 6 Proよりもその2カ月前に発売されたPixel 5aの方が勝つなど、波乱含みの結果となっています。

The Blind Smartphone Camera Test 2021! - YouTube


iPhone 13 Pro beaten out by Pixel 5a in blind test - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/12/17/iphone-13-pro-beaten-out-by-pixel-5a-in-mkbhds-annual-blind-camera-test/

「AはiPhone 13 Proで撮影した写真で、BはZenfone 8で撮影した写真です。どちらの写真の方がいいですか?」のような聞き方をすると、結果は写真の出来そのものではなく、メーカーや機種に関する先入観に影響を受けたものになってしまいます。


しかし、機種に関するラベルを削除してどちらがiPhone 13 Proなのか、どちらがZenfone 8なのかわからないようにすれば、尋ねられた人は純粋に写真のみを手がかりに優劣を判断できるとブラウンリー氏は主張。


ブラウンリー氏は、この「ラベルなしの2枚の写真を見比べるテスト」を、2021年に発売された合計16台のスマートフォンで行うことにしました。


2枚を見比べるテストということで、最大4戦のトーナメント形式での実施です。


投票はInstagramで行われました。


比較する写真は同じ被写体をほぼ同じ条件で撮影したものです。


エントリーしたスマートフォンはSamsungの「Galaxy S21 Ultra」、ZTEの「Axon 30 Ultra」、ASUSの「ROG Phone 5」、Lenovoの「Legion Duel」、Sonyの「Xperia PRO-I」、OPPOの「Find X3 Pro」、Xiaomiの「Mi 11 ultra」、OnePlusの「OnePlus 9 Pro」、Googleの「Pixel 6 Pro」、Googleの「Pixel 5a」、Appleの「iPhone 13 Pro」、モトローラの「Motorola Edge 20」、ASUSの「Zenfone 8」、Xiaomiの「Poco X3 GT」、Microsoftの「Surface Duo 2」、Realmeの「Realme GT」。


1回戦では、椅子に座ったブラウンリー氏を各スマートフォンで撮影し、対戦する2台が撮影した写真のうちどちらが優れていると感じたかを投票してもらいました。


写真には被写体である中央のブラウンリー氏以外にも、窓の外の風景、青いマット、金色のヘルメット、赤い枕といったさまざまなものが映り込んでおり、これらを指標にして写真のダイナミックレンジをチェックできるようになっていたとのこと。


撮影した写真の一覧がこれ。ほぼ同じ角度、同じ時間帯に撮影したものですが、微妙な違いがあることがわかります。


1回戦の結果のうち、いくつかはブラウンリー氏にとって順当なものだったものの、ゲーミングフォン同士の戦いとなった「ROG Phone 5」対「Legion Duel 2」などは、かなり微妙な勝負だったと述べています。以下の写真は左が「ROG Phone 5」、右が「Legion Duel 2」ですが、左の写真は窓の外もしっかり写っている一方、ブラウンリー氏の顔の周りにぼんやりした光が見えるハロー効果が起きています。


また、以下の画像は左が「Pixel 5a」、右が「Pixel 6 Pro」の写真。ほとんど差がありませんが、センサーの差から「Pixel 5a」の方は背景がわずかにぼやけていることから、ブラウンリー氏は僅差で「Pixel 6 Pro」が勝つと予想していたとのこと。ところが、投票の結果勝利を収めたのは「Pixel 5」の方でした。この結果についてブラウンリー氏は、写真全体のバランスがよかったのではないかと述べています。


2回戦では机の上に載ったランチョンマットやキャンドル、ナイフ、クッキー、リボンなどを真上から撮影した写真で比較。


2回戦は被写体が平らであり、奥行きがなく、ダイナミックレンジの問題も少ないことから、第1ラウンドと比較すると接戦だったとのこと。


焦点となったのは写真の露出と色であり、すべての勝負で「より明るい写真」が勝利したとブラウンリー氏は述べています。勝ち上がったのは「ROG Phone 5」「OnePlus 9 Pro」「Pixel 5a」「Realme GT」で、「Pixel 5a」は「iPhone 13 Pro」を下しました。


準決勝は赤いビリヤード台の上にルービックキューブ、映画撮影に使われるカチンコ、ビリヤードのボールが並んだ写真で勝負。


「ROG Phone 5」対「OnePlus 9 Pro」の戦いでは、「OnePlus 9 Pro」が勝利しました。


また、「Pixel 5a」対「Realme GT」は「Pixel 5a」が勝利して決勝に進みました。


赤色は特に写真で撮影するのが難しい色とのことで、赤色をどのように表現するかが焦点だったとのこと。


勝利した画像は赤色がしっかりと撮影できている一方、負けた方は写真が明るすぎるために実際の赤色が失われており、いわゆる「露出オーバー」の状態となっています。


決勝戦は「OnePlus 9 Pro」対「Pixel 5a」の勝負となりました。撮影した写真は、空や遠くの建物を背景に3人の男性が並んでいるもの。


投票の結果勝利したのは、実売価格5万1700円の「Pixel 5a」でした。


2枚の写真を比較すると、「Pixel 5a」が撮影した左の写真の方が空の色が豊富で、表情の質感もはっきりしているように見えます。投票者の75%が「Pixel 5a」の写真に投票したとのこと。


ブラウンリー氏は、ブラインドテストの結果からわかったことをいくつか指摘しています。


まず1つ目は、「2枚の写真を比較した場合、明るい写真の方が勝ちやすい」というもの。


必ずしも「明るい写真の方がいい写真だ」というわけではありませんが、少なくとも明るい方が人目を引きやすいようです。


2つ目は、「写真のシャープネスは必ずしも重要ではない」というもの。ブラウンリー氏は輪郭がはっきりした写真の方が好みだそうですが、SNSに投稿される写真は圧縮されてシャープネスの差が微妙になるため、投票結果にはそれほど関係しない模様。


「Googleドライブにアップロードして、圧縮前の写真をダウンロードしてもらえばいいのではないか」というコメントも毎年寄せられるそうですが、現代人が目にする写真の多くはSNS上に投稿された写真であり、写真の好き嫌いもこうした写真を元に判断することから、ブラウンリー氏はSNSに投稿した写真を元に投票してもらう方式を採用しているとのこと。


3つ目は、「人々は撮影してすぐの未編集状態で『完成された写真』を欲しがっている」というもの。写真に凝っている人であればさまざまなソフトウェアで編集や加工を行いますが、多くの人は撮影した写真をそのまま「撮って出し」でSNSに投稿したり共有したりするため、撮影時点で見栄えのいい写真を好むとブラウンリー氏は推測しています。


4つ目は、「スマートフォンの価格は結果に関係しなかった」というもの。以下の画像は、対戦したスマートフォンのうち高価な方が勝った場合を緑色の「$$$」、安価な方が勝った場合を赤色の「×」で示したものです。高価なスマートフォンが勝つこともありますが、安価なスマートフォンが勝つ場合も多く、最終的な勝者である「Pixel 5a」も今回参戦したスマートフォンの中では比較的安価な機種です。


なお、ブラウンリー氏によると、今回の企画では合計300万票を超える投票があったとのことです。

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in モバイル,   動画, Posted by log1h_ik

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