Google PixelがiPhone 7を上回った「DxOMarkのスコア」は何を意味するのか？

2016年10月5日に発表されたGoogle純正スマートフォン「Google Pixel」は、カメラのスコア付けとレビューを行っているDxOMarkのスコアにおいて、iPhone 7やNexus 6Pを上回っています。いったいこの「DxOMark」のスコアとは一体何なのか、まとめてみました。

DxOMark by DxO - DxOMark
https://www.dxomark.com/

「DxOMark」は、カメラや写真家向けの画像処理ソフトウェア、端末組み込みの画像処理エンジンなどを作っているDxOが運営しているサイト。9000台以上のカメラ、レンズ、携帯電話で撮影した画像・映像を広範囲に分析し、その結果をセンサーの特徴、ブランド、価格、発売日、解像度、センサーフォーマット、カメラの種別によって比較できる形式で、誰でも利用可能なように公開しています。

たとえば、カメラのデータベースはこんな感じ。カメラのデータベースはこんな感じ。総合点での1位はソニーのα7R II(98点)、2位はニコンのD810(97点)、3位はソニーのCyber-shot DSC-RX1RM2(97点)。

Camera Database - DxOMark
https://www.dxomark.com/cameras#hideAdvancedOptions=false&viewMode=list&yDataType=rankDxo

カメラの評価項目には「ポートレート(色深度)」「ランドスケープ(ダイナミックレンジ)」「スポーツ(低照度ISO)」という3つがあります。「色深度」は画面・画素が表示できる色数のことで、スコアはbitで算出されます。22bitsあれば優秀ですが、1bit未満の差はかろうじでわかる程度です。「ダイナミックレンジ」はカメラが記録できる最も明るい部分と最も暗い部分との差をその強さの比(EV)で示したもので、12EVが優秀な値。0.5EVs未満の差は気付かないレベル。「低照度ISO」は色深度18bits・ダイナミックレンジ9EVを維持して撮影を行うときにS/N比が30dBになるような最高のISO値のこと。要するに、野生動物やスポーツなどを撮影を行う時に、低照度下でどれぐらいのISOなら安定して撮影できるかを値にしたものです。この3つを、単に順位付けするのではなく、総合的に判断した結果が、前述の総合スコアです。

一方、モバイル端末についてはスコアランキングは出されていますが、スペックでの並べ替えはできません。

DxOMark Mobile - DxOMark
https://www.dxomark.com/Mobiles

1位はGoogle Pixelで89点、2位はHTC 10・Samsung Galaxy S7 edge・Sony Xperia X Performanceが88点で並んでいます。Apple勢はiPhone 7が86点で4位にランクイン。

モバイル端末のカメラの評価軸は「露出とコントラスト」「色」「オートフォーカス」「テクスチャ」「ノイズ」「アーティファクト」「フラッシュ」の7つです。

DxOMarkではGoogle Pixelについて、Samsung Galaxy S7 edgeやHTC 10、Sony Xperia X Performanceの作例とも比較してレビューを行っています。

Pixel smartphone camera review: At the top - DxOMark
https://www.dxomark.com/Mobiles/Pixel-smartphone-camera-review-At-the-top

ちなみに、Nikonの一眼レフカメラ・D4Sも総合スコアは89点なので、この数字だけを取り出すと、Google PixelとD4Sがいい勝負をしているかのように一瞬錯覚してしまうのですが、実際には評価軸がまったく別のものなので、「カメラ」と「モバイル機器」とのスコアを横断して比較することはできません。

とはいえ、現行のモバイル端末の中で、Google Pixelが頭一つ抜き出ているというのがDxOMarkの結論。Nexus 6Pが84、Nexus 6が78というスコアなので、カメラ性能に不満を抱いているNexusユーザーはもちろんのこと、iPhoneユーザーやXperiaユーザーも、カメラを理由に端末を選んでいるなら、今後はGoogle Pixelが比較対象となりそうです。