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「アクティビジョン・ブリザードのCEOは訴えられる前から従業員の性的被害を把握していた」と報じられ従業員によるストライキにまで発展


コール オブ デューティシリーズクラッシュ・バンディクーシリーズなど数々の人気タイトルを取り扱うゲーム企業のActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)では、「セクハラや賃金格差など女性従業員に対する不当な扱いが続いている」として従業員から不満の声が噴出しているだけでなく、カリフォルニア州公正雇用住宅局(DFEH)から提訴もされています。そんなアクティビジョン・ブリザードのロバート・コティックCEOは、DFEHから提訴されるはるか前から従業員がセクハラや性暴力の被害にあってきたことを把握していたと報じられています。

Activision CEO Bobby Kotick Knew for Years About Sexual-Misconduct Allegations at Videogame Giant - WSJ
https://www.wsj.com/articles/activision-videogames-bobby-kotick-sexual-misconduct-allegations-11637075680


After bombshell report, Activision employees walk out, demand CEO resign | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2021/11/after-bombshell-report-activision-employees-walk-out-demand-ceo-resign/

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、DFEHがアクティビジョン・ブリザードを提訴してからわずか数カ月で、同社は従業員から性的暴行や虐待、賃金格差、その他問題に関する500件以上の申し立てを受けてきたとのこと。そして、これらの報告の多くはアクティビジョン・ブリザードの子会社であるSledgehammer Gamesのスーパーバイザーであるハビエル・パナメーノ氏による従業員へのレイプ容疑を含む、会社主催のイベントで起きた大量飲酒が原因であるとされています。なお、パナメーノ氏はアクティビジョン・ブリザードによる内部調査が行われた後、解雇されました。

また、アクティビジョン・ブリザードの子会社であるBlizzard(ブリザード)の共同チーフに就任したものの、わずか3カ月で辞職したジェニファー・オネアル氏についても、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じています。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オネアル氏も過去に社内でセクハラの被害にあっており、同じくブリザードの共同チーフを務めていたMike Ybarra氏との間に待遇に格差があり、幹部が同社の有害な社内文化を変えようという強い信念を持ち合わせていなかったことについて、顧問弁護士に不満を述べていたそうです。

他にも、ウォール・ストリート・ジャーナルは2001年にアクティビジョン・ブリザードに買収されたTreyarchの共同責任者であるダン・バンティング氏が、2017年に従業員にセクハラして告発されたとも報じています。この一件については2019年に内部調査レポートが作成されており、レポートではバンティング氏の解雇が推奨されていましたが、コティックCEOはカウンセリングを受けさせるだけでバンティング氏を解雇することはありませんでした。

報道ではコティックCEOが前述の通り、社内で起きている性的被害について把握していたにも関わらず適切な対処を怠ってきたと批判されているだけでなく、コティックCEO自身も多くの嫌がらせ行為の容疑者であったとされています。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2006年にコティックCEOがボイスメールで「殺すぞ」と脅迫したことも明らかになっているとのこと。


ウォール・ストリート・ジャーナルの報道に対して、コティックCEOは従業員向けにメッセージを公開し、「我々の会社および私自身、そして私のリーダーシップの不正確性について誤解を招くような書き方をしている」「最も歓迎され、包括的な職場であるという私の信念を疑う人は、このことが私にとってどれほど重要であるかを理解していないのでしょう」と述べています。

また、アクティビジョン・ブリザードの広報担当者は今回のウォール・ストリート・ジャーナルの報道について、Bloombergに声明を出しています。声明にはウォール・ストリート・ジャーナルの報道について、「アクティビジョン・ブリザードおよび当社のCEOについて、不正確で誤解を招くような見解を示しています。ウォール・ストリート・ジャーナルは、この業界で最も歓迎され、包括的な職場にするために進行中の重要な変更を無視しています」と記されています。

さらに、アクティビジョン・ブリザードの取締役会が出した別の声明には、「ロバート・コティックは注意喚起された職場の問題に適切に対処したと確信しています」「アクティビジョン・ブリザードを業界で最も歓迎され、包括的な企業にするという目標に向け、我々はコミットし続けています」と記されています。


これらの声明に対して社内からは不満の声が上がっており、同社の労働組合は従業員にストライキを呼びかけ、「ロバート・コティックがCEOを交代するまで、我々が沈黙することはないだろう」とツイートしています。

We have instituted our own Zero Tolerance Policy. We will not be silenced until Bobby Kotick has been replaced as CEO, and continue to hold our original demand for Third-Party review by an employee-chosen source. We are staging a Walkout today. We welcome you to join us.

— ABetterABK ???? ABK Workers Alliance (@ABetterABK)


海外ゲームメディアのKotakuによると、2021年11月16日(火)の午後にはアクティビジョン・ブリザードの本社前にコーティックCEOの辞任を求める従業員が100人以上集まった模様。このストライキについて、アクティビジョン・ブリザードは「我々は世界中のすべての従業員のために、安全で包摂的でやりがいのある環境を育むことに全力で取り組んでいます」「我々は報復を恐れることなく、安全かつ敬意を持って意見や懸念を表明する彼らの権利を支持します」という声明をワシントンポストに出しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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