コール オブ デューティを抱えるゲーム会社「Activision Blizzard」がセクハラ・虐待で訴訟へ、約1000人の従業員が署名した公開書簡の内容とは?
「コール オブ デューティ」や「World of Warcraft」で有名なゲーム開発会社のActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)は、「セクハラや賃金格差など女性従業員に対する不当な扱いが続いている」として、2021年7月20日にカリフォルニア州公正雇用住宅局(DFEH)から提訴されました。これを受けて企業側が出した声明が侮辱的だとして、従業員約1000人が公開書簡に署名しました。
Activision Blizzard (ATVI) Staff Sign Petition Supporting Discrimination Lawsuit - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-07-26/activision-blizzard-staff-sign-petition-supporting-labor-lawsuit
Activision Blizzard employees call leadership response to harassment suit ‘abhorrent and insulting’ - Polygon
https://www.polygon.com/22594765/activision-blizzard-open-letter-harassment-lawsuit
DFEHからの訴訟を受けて、まずアクティビジョン・ブリザードは、DFEHの調査が数年前に始まったものであり、それ以降にアクティビジョン・ブリザードの職場環境は改善されていったと述べ、DFEHの主張が「歪曲されており、多くの点でアクティビジョン・ブリザードの過去について誤った記述がある」と説明しました。
UPDATE: Activision Blizzard issued a lengthy statement to IGN about the lawsuit, saying “we are confident in our ability to demonstrate our practices as an equal opportunity employer that fosters a supportive, diverse, and inclusive workplace for our people.”
— CharlieIntel - Call of Duty News (@charlieINTEL) July 22, 2021
Full statement: pic.twitter.com/jKFIpYX0S7
またアクティビジョン・ブリザードのJ・アレン・ブラック社長は、この件を受けて従業員に対してメールで「現在そして過去の従業員が傷つけられたという主張は、非常にやっかいです」「私たちが前に進むためにはどうすればいいのかを話合い、答えを出すために、あなたたちと話合います」とつづりました。
Blizzard president J. Allen Brack sent out an email to staff last night addressing the allegations from this week's explosive lawsuit, calling them "extremely troubling" and saying that he'd be "meeting with many of you to answer questions and discuss how we can move forward." pic.twitter.com/NsMV6CNdTE
— Jason Schreier (@jasonschreier) July 23, 2021
またブッシュ政権において大統領のスタッフHomeland Security Advisorを務め、記事作成時点でアクティビジョン・ブリザードの総務担当副社長を務めるフランシス・タウンゼント氏は、DFEH訴訟を「真に無益で無責任な訴訟」と記したことも明らかになっています。
Activision Blizzard executive Fran Townsend, who was the Homeland Security Advisor to George W. Bush from 2004-2007 and joined Activision in March, sent out a very different kind of email that has some Blizzard employees fuming. pic.twitter.com/BxGeMTuRYF
— Jason Schreier (@jasonschreier) July 23, 2021
そして7月26日、アクティビジョン・ブリザードの幹部の反応に対して従業員約1000人が「アクティビジョン・ブリザードの反応は『被害者を信じない空気』を会社に生み出す」「声明はリーダーシップが私たちの価値観を最優先していないことを明確にしている」とする公開書簡に署名しました。署名した従業員の数について、Bloombergは「約1000人」、Polygonは「800人」と伝えています。
従業員による公開書簡の内容は以下の通り。
「アクティビジョン・ブリザードのリーダーの皆さまへ。
署名者である私たちは、アクティビジョン・ブリザードの声明およびDFEH訴訟に関する法律顧問、そしてその後に出されたFrances Townsend氏の内部文書が、会社が守るべき全ての人々を侮辱しているという考えに同意しています。はっきりと言えば、従業員としての私たちの価値観は、私たちのリーダーの行動や言葉の中に反映されていません。
これらの声明は、業界内外における平等を求め、現在進行形で行われている私たちのクエストにダメージを与えました。主張について『歪曲されており、多くの点で誤った記述がある』とカテゴライズすることで、『被害者を信じない空気』が会社に生まれます。また、虐待者に行動の責任を負わせ、被害者が前に進むための安全な環境を作る組織の能力にも疑問を投げかけます。声明は、私たちのリーダーシップが私たちの価値観を最優先していないことを明確にしています。組織のトップレベルから、すぐさま修正が必要です。
当社の幹部は、私たちを保護するための措置を取ると主張していますが、法的措置とそれに対する当社の対応を前にして、私たちは『リーダーが自分の利益よりも従業員の安全を優先する』と思えません。現在そして過去の従業員の多くがハラスメントや虐待についての経験を語っているのを目にしながら、これを『真に無益で無責任な訴訟』と主張するのは、シンプルに耐えがたいことです。
私たちは、主張の深刻さを認識し、被害者への思いやりを示す公式声明を求めます。Frances Townsend氏には、彼女の声明の加害性から鑑みて、ABK Employee Women’s Networkのエグゼクティブ・スポンサーから辞任する事を求めます。私たちは役員チームに対し、従業員やコミュニティが安全に発言し前に進むことができる環境を持てるよう、意味ある新しい取り組みを行うことを求めます。
私たちは、ハラスメントや虐待を受けた全ての友人・チームメイト・同僚、そしてコミュニティのメンバーと共にあります。私たちは沈黙したり、退場したりしません。私たちの愛する会社が再び『参加することに誇りの持てる場所』になるまであきらめません。私たちは変われます。」
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