従業員からセクハラ関連のストライキを受けたGoogleが透明性強化などのポリシー変更を発表
セクハラ問題に関するGoogleの反応に対し、同社の従業員が声を挙げて2018年11月1日に世界的な大規模ストライキが実施されました。これを受けて同社のサンダー・ピチャイCEOは社内の透明性の改善についての説明を全社宛メールで配信しており、その内容がブログで公開されました。
A note to our employees
https://www.blog.google/inside-google/company-announcements/note-our-employees/
問題の発端は、Googleの元幹部がセクハラ問題で退社する際に9000万ドル(約101億円)の退職金が支払われたことに対する従業員の抗議でした。「OK Google」をもじって「Not OK Google」のプラカードなどを掲げた従業員がカリフォルニア州の本社のほか、ニューヨーク、東京、シンガポール、ロンドンなどの事務所で職場を短時間離れるという事態に発展していました。
グーグル、世界各地で大規模抗議スト セクハラ退社で退職金100億円 - 産経ニュース
https://www.sankei.com/world/news/181102/wor1811020013-n1.html
これを受け、ピチャイCEOは社内の透明性を改善する取り組みを社内メールで公表。Twitterには「過去2週間にわたり、Googlerから耳にした話によってGoogleは突き動かされました。自分たちに課した高い目標に従って行動するために、私たちは従業員により良いサポートを提供し、優れた仕事を行える環境を作るために行動を起こさなければなりません」というコメント付きでブログへのリンクがツイートされています。
Over the past two weeks we have been moved by the stories we’ve heard from Googlers. It’s clear that to live up to the high bar we set for ourselves, we need to take action to better support our employees and empower them to do their best work. https://t.co/Yx3cs7eF9m
— Google Communications (@Google_Comms) 2018年11月8日
ブログの中でピチャイ氏は、「これまで常に正しいことを行ってきたわけではなかったことを認識しており、それについて大変申し訳なく思う」「変える必要があることは明らかだ」と述べ、セクハラ問題に適切に対応できていなかったこれまでの経緯を謝罪し、対応を明言しています。
Googleは今後、問題が発生した際に社員の中から希望があれば、解決に向けた仲裁制度を選択肢の一つとすることを発表。ここでは、当事者には守秘義務は課せられないとされており、いわゆる「もみ消し」など不透明な形で案件が解決されることを防ぐ取り組みが盛り込まれています。また、問題に関する報告プロセスを改善し、被害者の心のケアやキャリア支援を強化することも明記されています。
セクハラ報告については、年次調査報告書で立証された報告の数などを公開することになるとのこと。また、全社員にセクハラ教育を義務付け、コースを終了していない従業員は人事考課のランクが落とされることになるなどの対策も盛り込まれ、セクハラ問題に対する意識を高める方針が定められています。
Googleが発表した変更点は、以下のリンク先のPDF資料で詳細に確認することが可能です。
Our commitments and actions | november_announcement
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