Googleが「言論の自由と検閲」について分析したプレゼン資料がリークされる
by Jimmy
世界的なテクノロジー企業の多くはインターネット上での言論の自由を保障する一方で、差別的な言論や暴力を助長するような言論に対する規制という、相反する問題にも取り組んでいます。そんな中、今やインターネットを牛耳る存在とも言えるほどに成長したGoogleの、「インターネット上における言論の自由と検閲」について分析したプレゼンテーション資料が従業員によってリークされました。
The Good Censor - GOOGLE LEAK | Facebook | Censorship
https://ja.scribd.com/document/390521673/The-Good-Censor-GOOGLE-LEAK
THE GOOD CENSOR - Google Growth Strategy: 'Shift Towards Censorship' to Appease Authoritarian Governments | Breitbart
https://www.breitbart.com/tech/2018/10/09/the-good-censor-google-growth-strategy-shift-towards-censorship-to-appease-authoritarian-governments/
Leaked Google research shows company grappling with censorship and free speech - The Verge
https://www.theverge.com/2018/10/10/17961806/google-leaked-research-good-censor-censorship-freedom-of-speech-research-china
リークされた資料は「Good Censor」と題されており、Google社内の研究機関がまとめたものだそうです。数多くのジャーナリストや学者、批評家などからのインタビューや寄稿にもとづいた調査結果と洞察から、「どのようにすればGoogleが言論の自由を守りつつ、有害な情報からユーザーを守れるのか」という事柄について分析した資料となっています。
GoogleだけでなくFacebookやTwitter、他の多くのユーザーが参加するプラットフォームを運営するテクノロジー企業は、いずれも「言論の自由と検閲」という問題に直面しています。資料の中では、Googleが言論の自由における「負の側面」である暴力・差別的発言や過激なプロパガンダ、フェイクニュースに選挙妨害といった脅威から、どのようにしてユーザーを守れるのかという点を自問する形になっているとのこと。
資料の中でGoogleは、「インターネットはユートピア的な言論の自由をもとに構築されている」と述べており、シリコンバレーにある多くのテクノロジー企業も、同様の理念にもとづいて運営されているとしました。一方で、無制限に言論の自由を認めてしまうとユーザーが有害な情報にさらされる危険性が高まってしまいます。
by CLUC
Googleは「インターネット上の検閲を行うことによって、政府や企業が言論を弾圧する力を得てしまう」と認める一方で、悪意のあるユーザーによってインターネットが操られてしまう危険性にも言及しています。多くのユーザーが利用するプラットフォーム運営者が有害な発言を検閲したがるのは、そうした悪意を持ったユーザーによってインターネットの一部が支配されてきた、負の歴史を踏まえた対応だとのこと。
資料によると、政府が行ったインターネット上のコンテンツに対する検閲要求は、2016年以降の2年間で3倍以上に増加したそうです。GoogleやYouTube、Twitterといったテクノロジー企業も、ここ数年の間に言論の無制限な自由を認めることを諦め、ある程度の検閲を行う動きが高まっているとされています。
「GoogleやFacebook、Twitterといったテクノロジー企業は、言論の自由と検閲の間でバランスを取っている状態だ」と資料は結論づけており、このバランスを維持するためには透明性の確保や一貫性が最も重要だとしています。また、全てのユーザーが喜んで受け入れる「適切な量の検閲」は存在しないとも述べ、インターネットを快適で安全な空間にするためには、いくらかのユーザーが不満を抱える結果になってしまうだろうと言及しました。
by Travis Wise
なお、Googleは今回のリークに対して、「この資料はGoogleの公式な立場を示すものではなく、ユーザーが問題をどのように考えているのかを分析するための調査だ」と反応しました。また、Googleに対して質問を行ったアメリカのIT系メディアThe Vergeに対しては、「Googleはユーザーに言論の自由を保障しています。独自のコンテンツポリシーを開発した場合でも、それは政治的に中立なものであり、ある政治的イデオロギーが他の政治的イデオロギーに優先されることはありません」と回答したと報じられています。
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