Googleの中国向け検閲機能付き検索エンジン開発にアメリカ合衆国副大統領も待ったをかける
2018年8月上旬、Googleが中国向けに検閲機能が付いた独自の検索エンジンを開発するプロジェクト「Dragonfly」が推し進められていることが明らかになりました。これを受け、Google社内からは反発の声が挙がり、世界中の人権団体からも「Googleの中国政府への協力と合意は人権侵害への共謀である」と批判の声が挙がっています。そんな中、ついにトランプ政権のナンバー2であるアメリカのマイク・ペンス副大統領からも、直接批判的な意見が投げかけられました。
White House calls on Google to abandon Chinese search engine project - The Verge
https://www.theverge.com/2018/10/4/17938376/google-china-search-engine-white-house-vp-mike-pence-criticism
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ペンス副大統領は「Dragonfly」プロジェクトの下で開発されているGoogleの中国向け検索エンジンについて、「中国共産党の検閲を強化し、中国の顧客のプライバシーを傷つけることになるだろう」と批判しています。
Googleが開発中の検閲機能付き検索エンジンが最初に報じられたのは2018年8月の頭。最初に報じたのはThe Interceptで、Dragonflyは「検索内容と電話番号を紐づける検索サービス」になるのではないかとも報じられています。
Googleが中国で提供するのは「検索内容と電話番号を紐づける検索サービス」と報じられる - GIGAZINE
GoogleはDragonflyを開発中であることを正式には認めていませんが、最初の報道のあとにサンダー・ピチャイCEOは社員に向けてDragonflyの開発に関する説明を行ったと報じられており、その中で検索エンジンの開発は「探索的」なものであり「初期段階」にあると説明したと言われています。
The New York Timesによれば約1400人ものGoogle社員がDragonflyの開発について透明性を求める書簡を上層部に宛てて送ったとのことです。また、The InterceptはGoogleの上級研究者であるジャック・ポールソン氏がDragonflyの開発に抗議して辞任したと報じています。
なお、Googleは2010年に中国市場から撤退していましたが、中国には約10億人ものインターネット利用者がいるといわれており、その巨大市場を狙い、GoogleはDragonflyでの中国再上陸を計画しているものとみられています。
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