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「今後は中国とそれ以外の2つのインターネットが存在するようになる」と元Google CEOのエリック・シュミットが語る

By Max Braun

インターネットは1990年代から普及が始まり、2000年代に入ってからは急激に人々の生活を変えてきました。今や、生活にとってあらゆる形で欠かせなくなったインターネットについて、元GoogleのCEOで、その親会社Alphabetで要職を務めるエリック・シュミット氏は「今後は中国とそれ以外の国の2つのインターネットが存在することになる」と考えを述べています。

Eric Schmidt, ex-Google CEO, predicts internet bifurcation with China
https://www.cnbc.com/2018/09/20/eric-schmidt-ex-google-ceo-predicts-internet-split-china.html

When Will We Have Artificial Intelligence As Smart as a Human? Here’s What Experts Think – Futurism
https://futurism.com/google-future-china-internet

シュミット氏は投資会社のVillage Global VCが開催した非公開イベントに登壇して「中国のインターネット」についての考えを述べました。Village Global VCはシュミット氏の他にもAmazonのジェフ・ベゾスCEOやMicrosoft創業者で慈善活動家のビル・ゲイツ氏らがパートナーとして名を連ねる企業です。

イベントにおいて、インターネットが複数の異なる法規制によって分断化され、相互のアクセスが制限されることについて経済評論家のタイラー・コウエン氏に質問されたシュミット氏は、「最も可能性の高いシナリオはインターネットそものもがバラバラになることではなく、むしろ『中国主導のインターネット』とアメリカが率いる『非中国のインターネットへ』と分岐することであると考えています」と述べました。

さらにシュミット氏は「中国における企業の規模やサービスの構築、生み出されている富の規模は脅威的なものがあります。中国のGDPに対するインターネットの貢献度は、アメリカに比べても非常に高いものがあります」と語り、インターネットが中国の経済発展の大きな要因となっていることを挙げています。

By leniners

しかしシュミット氏は、「もし『中国はインターネットをうまく使っている』とだけ考えるとしたら、あなたは大事なポイントを見落としています」と指摘。そして「『グローバリゼーション』はすなわち、中国が影響力を発揮するようになるということを意味します。今後、世界は中国からやって来る商品やサービスが優れたリーダーシップを発揮するのを目の当たりにするでしょう。そこには、それらの商品やサービスと一緒に、検閲や規制といったものがもたらされる危険があります」と、アメリカが主導してきた基本的に自由なインターネットとは異なる価値観がもたらされることを予測しています。

そしてその影響力は、中国政府が推し進める経済圏構想「一帯一路」によって世界に拡散されるだろうとシュミット氏は予測。現に中国は資金援助を通じてアフリカ諸国への影響力を強めているとみられており、したたかに、着実に取り組みを進めている最中です。

アフリカを「植民地化」する中国、本当の狙いは何か | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
https://forbesjapan.com/articles/detail/22417

中国が日本のアフリカ投資を警戒 「アフリカの支持得て常任理事国入り目論む」と指摘|ニフティニュース
https://news.nifty.com/article/world/china/12190-20180902_00013/

シュミット氏の発言は、Googleのサンダー・ピチャイCEOがコードネーム「Dragonfly」のもとで監視機能を強化した検索サービスを中国に提供しようとしていることが報じられたタイミングで登場したもの。Googleは現地政府の要望に応えることができるサービスを提供すると言われている中、「自由」の旗印を原則に成長を続けてきたインターネットが今後どのように変化し、シュミット氏の発言どおりに2つのインターネットが存在することになるのか、注目が集まりそうです。

Googleが中国で提供するのは「検索内容と電話番号を紐づける検索サービス」と報じられる - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180916-google-dragonfly/

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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