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「習近平=くまのプーさん」ネタをいじったコメディアンが「存在していない」ことにされてしまう


中華人民共和国の国家主席である習近平氏はネット上で「くまのプーさんに似ている」とネタにされることがあります。コメディアンのジョン・オリバー氏が、司会を務める番組の中で習近平氏のことを取り上げ、このプーさんネタを「いじった」ところ、中国国内でオリバー氏の存在が消されてしまったことが報じられています。

Watch the John Oliver segment that got Oliver’s name banned in China | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2018/06/china-bans-online-mention-of-john-oliver-after-he-mocks-chinas-president/

中国には「グレートファイアウォール(金盾)」と呼ばれるネット検閲システムが存在しており、政府にとって都合の悪い情報をブロックしています。たとえば「天安門事件」や「複数政党制」、「台湾問題」といったものですが、その中の1つになぜか「くまのプーさん」が含まれています。

これは、習近平国家主席がプーさんに似ているというネタが原因。2014年には中国のマイクロブログ・微博(ウェイボー)で、安倍晋三首相と習主席をイーヨーとプーになぞらえた画像が話題になっていたことが報告されています。

Trending on Weibo: Abe as Eeyore and Xi as a smug Pooh #APEC pic.twitter.com/lx53FzkVzu

— Deirdre Bosa (@dee_bosa)


同様に、習主席とオバマ大統領はプーとティガーのようだという画像も作られています。いずれももとは中国のネットユーザーが作成したものだとのこと。

@MarketPlunger True. Where does Tigger-Obama fit in? pic.twitter.com/Tf01vDsDDR

— Deirdre Bosa (@dee_bosa)


この「習主席=プーさん」ネタを取り上げたのが、ジョン・オリバー氏が1週間のニュースを軽快なトークで紹介していく番組「Last Week Tonight」。番組内の注目トピック紹介コーナーで、20分にわたって習主席のことに触れた中でのことでした。

結果、番組を配信しているHBOのサイトへの中国からの接続は遮断され、微博をはじめとするSNS上で「John Oliver」や「Last Week Tonight」といった言葉を含む投稿を行おうとすると「コンテンツには関連する法律や規制に違反する情報が含まれている」と表示され、失敗するようになったとのこと。


実際にオリバー氏がどのように習主席のトピックを扱ったのかは、YouTubeの番組公式チャンネルで配信されている映像で確認することができます。

Xi Jinping: Last Week Tonight with John Oliver (HBO)


この回は「中国についてオリバー氏がトークを繰り広げるものでした。


トランプ氏が「中国が俺たちを殺す!」「中国は国をレイプしている!」といった過激な発言をしたことを取り上げ、トランプ氏が中国に対して抱いている脅威について解説。


中国について説明していく中で、国家主席として強大な権力を持っている習近平氏についても取り上げました。


「習近平氏は、父親が文化大革命によって迫害されたことにより農村で育った」ことが中国で大きく取り上げられ……


「習近平氏が庶民的な食事をとった」ことがニュースになるほどの注目を集めています。


中国の経済成長はとどまることを知らず……


「中国の人々が持つ将来についての楽観的な考えは、辞書に『楽観=そんなものはない』と書かれているイギリス人にとっては驚異的ですね」とジョークを飛ばし、オリバー氏は笑いを誘いつつ習近平氏および中国について解説していきます。


きわどいジョークを連発しつつトークを繰り広げるオリバー氏でしたが、ついに習近平氏を「くまのプーさん」になぞらえたVTRをトーク中に流します。


「たぶん習近平氏は、自分自身をくまのプーさんと比較されていることをめちゃくちゃ気にしているでしょう」と笑いをこらえた様子で話すオリバー氏。


続けてオリバー氏は「習近平氏がくまのプーさんに似てるなら、僕に似てるのはこれかな?」とライオン・キングザズーと自らの画像をを並べて、視聴者の笑いを誘いました。


実際の映像を見てみると、ブロックされたのは、オリバー氏が「習主席がプーさんに似ている」というネタに触れたことというより、全体的に習主席をネタにするような内容になっていたからではないかという気がしてきます。

なお、HBOやオリバー氏は中国当局による「接続遮断」や「SNSでの書込禁止措置」を批判していますが、中国本土でHBOのコンテンツを配信しているわけではないため、この措置によって経済的な打撃を受けたわけではないと語っています。

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in メモ,   ネットサービス,   動画, Posted by log1h_ik

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