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Googleは中国向けの「検閲機能付き検索エンジン」開発の業績評価を極秘で行っている

by www.quotecatalog.com

2018年8月、Googleが中国向けに検閲機能付きの検索エンジン「Dragonfly」を開発していたことが明らかとなり世界中の人権団体のみならずGoogle内部からも強い反発の声が上がりました。そんなDragonflyについて、Googleは社内幹部による異例の極秘評価チームを形成し、通常とは違うプロセスで業績評価を行っていると海外メディアのThe Interceptが報じています。

Google Is Reviewing Its China Search Project in Secret
https://theintercept.com/2019/03/27/google-dragonfly-china-review/

Dragonflyは中国における検閲規則を順守した検索エンジンであり、「ノーベル賞」「人権」「学生運動」といった文言に関するウェブサイトが、検索結果から排除されるものとみられています。しかし、社内外からの猛反発を受けて、Googleは最終的にDragonflyの開発を中止することになったと2018年12月の段階では報じられていました。

Googleによる中国向けの検閲機能付き検索エンジン開発は抗議の声を受け中止へ - GIGAZINE


しかし、引き続きThe Interceptが調査を進めた結果、2019年3月には「Dragonflyの開発プロジェクトが再開可能な状態になっている」と判明。プロジェクトに取り組んでいたエンジニアたちには別の仕事が割り当てられたものの、Googleが方針を転換すれば再びDragonflyの開発ができる状態となっているとのこと。

Googleが猛反発を受けて中止したはずの「中国向け検閲付き検索サービス」の開発が続いている - GIGAZINE


そんな中、The Interceptはさらに「Google幹部らによる極秘の業績評価チームが結成され、Dragonflyプロジェクトについての業績評価を異例のプロセスで行っている」と突き止めました。通常、Googleで行われる毎年の業績評価は、オープンの相互レビュー形式で行われます。従業員はお互いのプロジェクトを評価し、その評価がマネージャーによってチェックされ、従業員の昇進などの判断に利用されるとのこと。

しかし、Dragonflyプロジェクトについては通常の相互評価的なプロセスが排除されており、少数の上級幹部による評価委員会が結成され、極秘に業績評価を行っているそうです。The Interceptが持つ複数の情報筋にとっても、この業績評価プロセスは「極めて異例」とのことで、GoogleがDragonflyプロジェクトの扱いに慎重になっていることがうかがえます。

12人を超える程度のメンバーで構成されたDragonflyプロジェクトの評価委員会の存在は、少数の人間以外には周知されていないとのこと。情報筋の人間によると、Google幹部はDragonflyプロジェクトについて業績の相互評価を行えば、「Google内の多くの従業員がDragonflyに関する詳細情報を手にしてしまう」という点を恐れていたようです。Dragonflyについての情報が共有されれば、以前にも増して大きな抗議活動が社内で起きる可能性もあります。

by bfishadow

一方で業績評価を極秘なものにするという決定自体が、Google従業員の反発を招く可能性も存在します。事実、Dragonflyプロジェクトについて事前に知っていたのはGoogle内でもほんの数百人に限られており、割合としてはわずか0.35%でした。この点は「透明性が欠如している」という批判を招く原因となっており、プロジェクトの透明性が重要であるという認識がGoogle内で高まっています。

人権団体NGOであるアムネスティ・インターナショナルは2019年2月にGoogleと会談し、Dragonflyについての懸念を表明しています。アムネスティ・インターナショナルの研究者であるAnna Bacciarelli氏は、「Dragonflyプロジェクトに関する透明性の欠如は非常に不安です」と、The Interceptに対してコメントしました。

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