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Facebookはなぜ右翼的思想が圧倒的に多いのか?


ソーシャルメディアは情報発信の場として強い影響力を持っており、政治活動の場としても用いられる機会が増加しています。中でもFacebookにおいては右翼的思想の存在が顕著であるとされており、その原因を指摘したりFacebookの方針を批判したりする声が上がっています

Why the right wing has a massive advantage on Facebook - POLITICO
https://www.politico.com/news/2020/09/26/facebook-conservatives-2020-421146

Is Facebook Bad for Society? New Insights on the Company's Approach Raise Important Questions | Social Media Today
https://www.socialmediatoday.com/news/is-facebook-bad-for-society-new-insights-on-the-companys-approach-raise-i/585941/

Facebookの匿名の社員はニュースサイト・POLITICOのインタビューに対して「人は、国家・保護・怒り・恐怖などのトピックに触れることによって、信じられないほど強い、原始的な感情を刺激されます。そのため、右翼の主張は常に魅力的なものになることから、保守派のFacebookページが高い相互作用を引き起こしているのでしょう」と述べています。


匿名社員の発言によると、Facebookでは右翼系の投稿が毎日のアクセス数トップ25に入る頻度は高いものの、左翼系の投稿がランキング上位にくることはそれほど高くないそうです。なお、Facebookは以前から「プラットフォームは中立である」と主張しており、Facebook自体が保守派を支持しているわけではないとのこと。

Facebookにおいて右翼派コンテンツが成長し注目を浴びていることについて、左翼派の多くが激怒しており、2020年11月3日に行われるアメリカ合衆国大統領選挙が近づくにつれてFacebookでの左右の争いも激化しているとPOLITICOの記者、アレックス・トンプソン氏は述べています。


また、アメリカ民主党員の一部は、Facebookは偏向を持った「右翼のエコーチェンバー」であると猛烈に非難し、「Facebookは大統領選挙において右翼的思想を持つドナルド・トランプ氏に優位性を与えている」と指摘。実際、2016年の大統領選挙では、トランプ陣営は選挙コンサルティング会社と結託してFacebookのユーザー5000万人分の個人情報を不正利用し、選挙活動を優位に進めたとされています。

2020年の大統領選挙に向けて、Twitterなど一部のSNSでは情報の真偽をチェックするファクトチェックを行っていますが、トランプ氏は「ソーシャルメディアによるファクトチェックは実施すべきではない」と主張。これに対しFacebookの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ氏は「Facebookは投稿に対するファクトチェックを行わない」と表明しました。また、ザッカーバーグCEOはトランプ氏に対して直々に自社のポリシーを説明したとされています。

ソーシャルメディアの検閲に憤慨するトランプ大統領にFacebookのマーク・ザッカーバーグが自社ポリシーを直々に説明 - GIGAZINE


ザッカーバーグCEOがトランプ氏の意見を擁護する意思を表明したことでFacebookの従業員からは非難の声が上がり、ザッカーバーグCEOと従業員の間で対立が生じています。

「トランプ大統領のソーシャルメディア検閲問題」に関してFacebook社員がザッカーバーグCEOの対応を公然と非難 - GIGAZINE


「少なくとも欧米諸国では、2016年の米国大統領選挙まではFacebookなどのソーシャルメディアが持つ影響についてあまり考慮されていなかったようです。2020年になって多くの人々が思考を操作されている可能性があることに気付き始め、一部のソーシャルメディアは協調的かつ不誠実な情報発信を行うグループを排除するために、ファクトチェックを実施していますが、Facebookのようなメディアが社会全体に及ぼしている危険な影響を止めるには遅すぎる可能性があります」とSocial Media Todayの記者、アンドリュー・ハティンソン氏はコメント。

ザッカーバーグCEOは「我々がサービスを提供しているコミュニティは、平均的な思想が従業員よりも少しだけ保守的な傾向があります」とコメントし、Facebookで右翼派が優位であることを認める発言をしたことがThe Vergeによって報告されています。これに対しトンプソン氏は「『少し』というのは控えめな表現に思えます。人々に良いサービスを提供するために良い仕事をしたいのであれば、さまざまなことに対して多種多様な意見があることを考慮に入れなければなりません」と指摘しています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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