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Activision BlizzardのCEOが散々報じられた有害な職場疑惑について「誤った表現」であると主張


Microsoftが買収したコール オブ デューティシリーズやディアブロシリーズなどの販売元として知られる大手ゲーム企業のActivision Blizzardは、買収直前に「セクハラや賃金格差など女性従業員に対する不当な扱いが続いている」として大々的に報じられ、カリフォルニア州公正雇用住宅局からも提訴されました。そんなActivision Blizzardのボビー・コティックCEOが、エンターテインメントメディア・Varietyのインタビューの中で、有害な職場環境疑惑について「誤った表現」と否定しました。

Activision Blizzard CEO Addresses Toxic Workforce Claims Amid Microsoft Deal - Variety
https://variety.com/2023/digital/news/activision-blizzard-ceo-addresses-toxic-workforce-claims-microsoft-deal-1235628361/


Activision Blizzard CEO claims widespread toxic workplace allegations are 'mischaracterizations'
https://mobilesyrup.com/2023/05/31/activision-blizzard-bobby-kotick-toxic-workplace-allegations-response/

Call Of Duty CEO Says ‘Systemic’ Harassment Was Never An Issue
https://kotaku.com/call-of-duty-activision-sexual-harassment-lawsuit-1850492724

2021年7月、「セクハラや賃金格差など女性従業員に対する不当な扱いが続いている」としてカリフォルニア州公正雇用住宅局がActivision Blizzardを提訴しました。カリフォルニア州公正雇用住宅局は同社の男性従業員が定期的に二日酔いのまま出勤し、女性社員に対して性的なコメントやレイプに関するジョークを言ったと訴えていました。

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その後、セクハラ疑惑で揺れるActivision Blizzardのロバート・コティックCEOは、訴訟前から社内にセクハラや性暴力がまん延していることを知りながら放置していたと、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。この報道によると、コティックCEO自身も多くの嫌がらせ行為を行っており、2006年にはボイスメールで「殺すぞ」と従業員を脅迫していたことも明らかになっているそうです。

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この一件について問われたコティックCEOは、「ニュースメディアで報じられていることの大半は間違った表現のものです。とはいえ…我々にとって『どうすれば最も包括的で歓迎される職場になるのか?』と考えるきっかけにはなりました」とコメント。

Activision Blizzard CEO Bobby Kotick addresses toxic workforce claims: "Most of what you've read in the news media is a mischaracterization. Having said that...it's been a catalyst for us to say, 'How can we have the most inclusive, welcoming workplace?'" https://t.co/F0JwkbQsH7 pic.twitter.com/sg26NGvOGt

— Variety (@Variety)


さらに、「我々はあらゆる形式の調査を行ってきました。そして、ハラスメントに関する組織的な問題は一度もなかったことが明らかになっています。メディアで報じられたような誤った表現は一切ありませんでした」と語り、調査の結果有害な職場環境はなかったと断言しました。加えて、「我々が遭遇したのは、会社を不安定にしようと懸命に取り組む非常に攻撃的な労働運動です」とも述べ、過去に報道された内容はActivision Blizzardを攻撃するためのものであると主張しています。


コティックCEOがActivision Blizzardのセクハラ問題をもみ消そうとしていたことが報じられたのち、同社の労働組合は従業員にストライキを呼びかけました。実際、Activision Blizzardの本社前に100人以上の従業員が集まりストライキが行われましたが、コティックCEOは辞任することなく記事作成時点でもActivision BlizzardのCEOを続けています。

この件についてコティックCEOは、「自分の最大の過ちは会社と自分の遺産を力強く守れなかったことだ」と語りました。

After allegations were reported in depth by The Wall Street Journal, about 1,000 Activision Blizzard employees signed a petition urging Bobby Kotick to resign as CEO. He says his biggest mistake was failing to forcefully defend the company and his legacy. https://t.co/F0JwkbR0wF

— Variety (@Variety)


さらに、「もしもあなたが読んだ扇動的な記事のどれかが真実であったなら、今私がここに座ってあなたのインタビューに応じることはできないでしょう。過去の報道内容が真実であるとするなら、取締役会が私にCEOとして経営を続けさせることもないでしょう」と語り、過去の報道内容を改めて否定しました。

他にも、Activision Blizzardが社内で労働組合を結成しようとする動きを阻止しようとしたという報道に対して、コティックCEOは「フォーチュン500に名を連ねる企業のCEOの中で労働組合のメンバーになっているのは私だけです。労働組合に自分たちを代表してもらいたいと考えている従業員がおり、その労働組合が労働経験の機会や向上を提供してくれると信じているのであれば、私は大賛成です」「私には教師だった母がおり、労働組合に嫌悪感は抱いていません。私が嫌悪感を抱くのはルールを守らない労働組合です」とも語っています。

なお、Varietyのインタビュー記事に対して別メディアからは「最も疑問があるのはVarietyがコティックを被害者として報じていることです」という声もあります。実際、Varietyは「Activisionが成長するにつれ、コティックは同社にとって『便利な悪役』となり、ゲーマーが好きな娯楽につぎ込むお金で生活する裕福な悪役として描かれてきました。ゲーム中心のソーシャルメディアプラットフォームの多忙化は、コティックと彼の家族に大きな打撃を与えています」とコティックCEOの肩を持つように報じています。

コティックCEOはVarietyに対して「インターネット上で私の画像を見つけると、反ユダヤ主義的な雰囲気が漂っています。私の子どもたちは殺害の脅迫も受けています」とも語っており、自身は報道の被害者であることを強調しました。


一方、テクノロジーメディアのMobileSyrupは「実際に過去の報道がどこまで真実であるかは不明ですが、女性・有色人種・LGBTQ2S+の人々は Activision Blizzardのような企業やオンラインゲーム上で、いずれもコティックよりもはるかに恵まれない計り知れない虐待に直面し続けていることには留意すべきです。それに加えてコティックに対するあらゆる疑惑を考えると、彼に同情するのは難しいです」と報じました。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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